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2006年6月

2006年6月29日 (木)

刺絡学会・出店編

プログでも告知しておりましたが、6月の25日、江戸川区のタワーホールで刺絡学会の学術大会が開催されました。六然社ブースへは大勢の方にお立ち寄り頂きまして、本当にありがとうございました!何度も休憩が来るたびに来てくださった方もいらっしゃって、御陰様で閑古鳥は一度も鳴かず楽しい一日でした。

さて、六然社の書籍が並んだ横にはちょっとしたフリーマーケット(by本屋)のブースがありました。どれを誰が買うかっていうのを本屋さんは楽しみにしていたみたいで、ネットオークションや古本屋サイトの値段より随分安い値段で出していたみたいです。本屋さんが「なんで是がすぐ売れないんだろう?」と不思議がっていたものもありました(が結局殆ど売れちゃいました)。掘り出し物は、『漢書芸文志』1000円、唐容川・秦伯末の『血証論』1000円(ちなみに代々木の東豊書店では2000円で売ってました)、普通じゃ絶対手に入らない、『素問入式運気論奥解説』などの論文の載ったもの(これを買う為にお金をおろしにいった先生がいらっしゃいました・実は在庫がもひとつ事務所にありましたぜ!)。『東洋医学会雑誌』創刊号〜六号までの合併号(有名な石野信安先生の三陰交のお灸の論文や、胎児の男女の判断を脈診と腹診でするなどの矢数先生の論文が載っている超貴重本です)、神保町の原書房で揃えると数万円する張●文の紫薇斗数や陽宅風水のセット本がなんと1000円(「これ買ってく人はなかなか目が高いよ」って本屋さんが開店前にいってまぴた。◯井先生、おめでとうございます。)、あ、あと本屋さんが焼いた陶器のお皿が2500円とかいうのもありました。殆どおふざけなんじゃ??  (ああ、それとワタシはよく分からないんですが、『王旭高医案』っていうのが結局売れなくて、本屋さんは不思議がってました。医案集っていうのは今風にいえばカルテ集みたいなもので、臨床の実態が見えるそうですが、清代の医案集そのものが少ない中、1診、2診、3診、4診〜っていう風に丁寧に書いてあるのはさらに珍しいそうです。湯液治療がメインの内容ですが、のはやレアものだとか。実際、関西から参加していた中国留学経験のある本屋さんのファンは「ああ、これはいい本ですね、僕も持ってます」といってまぴた)

でも25000円分(是も始めから消費税抜き)の本を買った京都から来てる学生さんに、一気に「2万円でいいよ」と言ってしまっているのをワタシは隣で聞いていまぴた。それって、殆ど原価じゃない? その後も「○○君金ないんじゃないのかなあ、ああいう本は学生よりも臨床やってる先生や教員が買うべきなんだけどなあ」って心配してましたです。あのどんぶり勘定は、以前販売員をしていたワタシからすると信じられません。だって、100円単位はなくて、殆ど500円刻みなんですもん、それも切り下げ(笑)

午後になって、「いやぁ、売れたなぁ~。気持ちイイなぁ」とご満悦の本屋さんでしたが、目線の先は『新日本鍼灸楽会草紙』のみ。この本を既に持っているはずの方々が、「補充」と言って購入されていきました(笑)。皆さん横のつながりが無いはずなのに、全く同じ言い方なので笑えます。「友人に読め!」と言って押し付けるそうです、たいてい。「ビニールに入ってないとダメ!」と通な買い方をされるバージョンもありました。あはは。それに和方の会員だったりすると2500円に、一人で10冊以上購入された人なんかには本屋さんは3150円の本なのに2000円とかにすぐしちゃいますからね。でも、大量買いをして顔を覚えられてるとその後の付き合い方がぜーんぜん違うのをワタシは何度も見ていますし(結局得しちゃう! 当日もそうした方々には新刊本いきなり4割引とか、あげちゃったりとかしてました)、ワタシもそうした恩恵に預かってる一人かも知れません。

そうそう、新城先生の『究極の特殊針法』(1500円)はもう書店では手に入らない貴重な一品です。だって、著者の新城先生ですらお手元にないそうです。ネット上では1万以上の値がついた事も。今回は3冊並びました。ですが、そうすんなり売るわけが無いのでありました(笑)。「1万円以上購入した方のみが買える抱き合わせ販売!(もちろん定価の1500円です、割り増しなし)」と豪語する本屋さんでしたが、あっさり3冊全て完売でございました。ありがとうございます。

超レア物のオンパレードでしたが、「いいんだ。年に一回の出店だから」と楽しそうにおっしゃる本屋さん。「あれ??年に一回・・・」2年前はしょっちゅういろんな学会で見掛けた気がするんだけどなぁと一瞬考えましたが、「そうか!!全日本も伝統鍼灸学会も出店拒否されているから(笑)、刺絡学会しかないんだ~」と納得納得。なので、フリマ六然屋とのやりとりを楽しめるのもまた来年の刺絡学会ですね。多賀フォーは主宰&裏方で出店どころじゃないそうですから。

最後に売上金を眺め、「随分売れたなぁ~」と喜ぶ本屋さん。「仕入れ金って存在を忘れていませんか?」と一応言ってみましたが、スルーでした。根がギャンブラーだからしょうがないか。因みにこの売上金は超巨大オートクレーブに姿を変えて、もう事務所に到着しています。50㎝を越える巨鍼だって余裕で入っちゃうスゴイ代物で~す。殆ど洗濯機位の大きさですが、本屋さんは大きなオモチャを手に入れて喜んでいます(笑)

ではでは、この辺で出店編はおしまいにします。次回は実技編をお届けします。

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2006年6月27日 (火)

6.21 長野先生【石坂流宗家口伝公開・押手と刺し手と挿管と ~正しい両手挿管と片手挿管~】講義感想

石坂流って何やったの??と思われている方も結構いらっしゃるに違いない。また、なんで長野先生が石坂流なの? って疑問を持っている方もいらっしゃるにちがいない(この辺は本屋さんの経穴講座では事の次第が話されましたが) …ああ、でも、刺絡学会のことも早く載せたいし、今週末はまた『腹診』講義だし、書くこといっぱい。最近ブログをサボっているというご指摘もございますので(ありがとう&きびしぃ~)、今回は参加者の声の転載をメインにしちゃおう。

まぁその前にちょこっと書きましょうね。自分の復習のためにも。三寸(前田5番ディスポ)を使って両手挿管法。この時、大切なのは中指です。このポイントを押さえておけば目で見なくても、両手挿管ができるわけです。一瞬のロスが臨床上のリズムを崩すわけですが、こういう点を押さえておけばちょっと安心。 で、片手挿管。あ、その前に先生は「正しい~と銘打っていますが、本当に正しいの?? って言われると、う~んとなります。ですが、自分自身が最高に工夫して、バカみたいにずっとやり続けて得たものを皆さんにお教えします」とお断りをされていました。

片手挿管は、一動作を細かく細かく切って教えてくださいました。実際の動きでは省略されてしまう動きも含めて「鍼をシュッとこの向きで出す」「ココの時点で、鍼管と鍼柄の向きがこの角度」とか、「掌の向きは3回変わる」などなど。本当はもっともっとコマ送り。さすがアニメオタク(関係ないか)。臨床歴10年の先生も、長野先生が全員に見せて回った、最後に鍼管に鍼が収まるその素早さに舌を巻いていました。あとは実際の実技。横刺の押手(三日月の押手byシュガイザー)、三寸の刺し方、陰陽五行説で説明した人体を円柱に見立てた時の図をモデルを使って説明(なるほどねぇ)。見るたびに感動の散鍼。そうそう。丹田がしっかりする=手を軽くすることに繋がるのを皆でやってみまひた。これは8月3日のツボエクササイズ講習会の前振り??って感じでしたが、実際に先生が言われたように足を動かす練習をしばししてみると、丹田らしきお腹のチカラが安定します。時間ギリギリまでやってくださいました。結局休み時間なく。腹の虫本の打ち合わせからだと、7時間連続だぁ~。ひえぇぇぇ~。先生、働かせすぎてごめんなさい・・・。えへへ。



以下、参加者からの感想で~す

正しい両手挿管と片手挿管の講義ありがとうございまいた。 久しぶりの長野先生の講義、ポンポンと出てくる話が目からウロコ・・・状態でした。 出し惜しみしないと聞いてましたが、まさか時間ギリギリまで実技を披露していただけるとは、ホント参加できてよかったなあ。 いろんな先生の話を聞いてきましたが、長野先生の言葉はどの鍼灸師、先生より心に届いてきます。不思議です。 はり、きゅうがまた面白く楽しくなりました。また参加させていただきます。

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昨日の講義は、友人が参加するとメールをくれたので開催を知ることが出来たのですが、自分も参加できて本当にラッキーでした。 
まだ、消化不良ですが・・・今日の臨床に臨む気持ち、体勢は昨日までとは違ったものになりそうです。 
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盛り沢山で取り溢しも多いとは思うのですが、とても腑に落ちるお話の数々でした。
7月1・15日(土)両日申し込みたいと思います。そして、この際和方鍼灸友の会にも入会させていただきたいと思っています。どのようにすればよろしいでしょうか?
連絡をお待ちしております。
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刺激的な夜でした。
『片手挿管を一分間に十五回なんつってる、レベルのクソ低い教師なんぞ信じられん!二十回はやれんだろ!俺は二十二回はいける!そんなレベルの低い事を言ってる教師は連れてこい!人格まで否定してやる!』それだけで、お腹いっぱいです…私(笑)。
多分、片手挿管のレベルだけを言ってるのでなく、一時が万事、そういう調子で出来ない者がさらに出来ない者を育てる。知らない者がさらに知らない者を育てる。そして、世渡り上手な要領よい者ばかりが残る。
そんな腐敗した悪循環の連鎖に怒ってるんでしょうね。

また、臨床実技を見せて(魅せて)くれた時に、鍼の刺激すら厳しい様なガン末期の衰弱した患者への治療の話をしてくれましたが、そこに先生の大事にしてる何かの片鱗を少しだけ見た気がします。
先生が言われた「古典には答えしかない。“なぜ”その答えなのかが大事なのに…」。その“なぜ”を追求したからこそ、治る治らないは別として、もうすでに鍼での治療が不可能と思われる患者にも対応出来るのでは?
「知識から知恵へ。その実践のための術。そして背景には当然の如く人への愛」その気概を強く感じた一日でした。何かすごく良い映画を観た後の様です。強烈すぎて、まるで他人事なのが難点です
(^_^;)。

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こないだの長野先生の講義は最高に為になりました。ここ最近色々思うところがあったのですが、やっとすっきりした気がします。
長野先生の講義に出席出来たのも、偶然ではなく必然のことなのでしょう(江原さん風)。ただ残念なのは、「陰陽五行説」の講義に出られなかったことですね~。とってもとってもブログに書かれてる図のことが気になります。。
これからも長野先生の講義期待しておりますので、是非先生を説得して下さい笑。
今度の講義もとっても楽しみにしております。
追伸:8月3日のツボエクササイズの予約も出来ましたらお願いします。
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先日はありがとうございました。基本中の基本! とても勉強になりました。
『日本腹診の源流』
7月1日講義の申し込みをしたいと思います。よろしくお願いします。
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 仕事を休んで来て本当に良かったです。六然社や和方がらみの(ニコイチの?)勉強会は、鍼灸界の醜い部分も浮き彫りにしますが、素晴らしい部分や可能性も示してくれ、明るい方向を向いているので(そう思うのは私も鍼灸バカだから?)いつも、頭いっぱい一杯ですがとても元気が出ます。感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。でも、本当は、いろいろな会を偉そうにやっている先生方や学校の教員こそ、お二人の講義を聴くべきだと思いますね。



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先日の石坂流の勉強会は今まで疑問に思っていたことへの明確な回答がいくつもあり、大変勉強になりました。ノリノリで指パッチンを続けています。さて、もう定員となってしまったでしょうか?7月1日の『腹診の源流』にまだ間に合いますようでしたら、申し込みをさせていただきたいのですが。よろしくお願いします。

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水曜は両手挿管の重要性を改めて知ることが出来て勉強になりました。
追加で申し込みをしたいのですが、8/316の勉強会はもう定員になってしまったでしょ
うか?

以上。殆ど無断転載。えへへ。許してちょんまげ。

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2006年6月24日 (土)

6.21 長野先生【陰陽五行説2】講義感想

第二回の陰陽五行説が21日にありました。講義終了後は殆どの方が、頭がパンク状態で、言葉少なげに「お疲れ様でした。復習してきます・・・」と、のそのそと立ち上がる光景を目にしました。情報量がすご~いのです。三陰三陽を数パターンの図を持ち出して、説明されるのですがこれが今まで見た事がない。って、長野先生の創作図ですから当然なんですけど。原理的説明をしきれちゃうわけですよ、色んな現象がこれらの図で。前回も言われたように「中医学は重層性、複眼性で見ること」という教えがそのまま図となって提示されます。

「おおぅ。そういう図になるのか!!」と、感激をしつつも早く書かなきゃ消されちゃう~という焦りが後から見直すと前面に出ているノートです(笑)。よく、講義でノートを取るのは極力やめたほうがいいという天才たちの声を聞きます。話に集中して、その時に流れちゃうものを必死に聞き取るのが良いと。ですけど、今回に限って言えばこの図は二度と書けない!ワタシにとっては(参加者全員かも)新しい概念ですから、流しちゃうわけにいかないのです。早く本にならないかなぁ。きっと随分後だろうなぁ。このタイトルは前にも書いたように軟経です。面白いし分かり易いし、既存の説明には取り入れられていない当時の宗教観までも土台にしっかり組み込んでいます。東洋医学の世界観をゲッターロボを通して表現しているそうです。まさに天才の仕事だす。

① 太極図の分割(以下古典には出てこない、創作図):これはプリントでくれたので~す。ラッキー。ほんとはもっと図を用意してたんですが、ちょっとしたことが会ってシュガイザー先生は警戒心が強くなり、公開を先延ばしにされたようです。因に、このてのイラスト&図案の殆どは本屋さんの奥様がシュガイザー先生とFAXと電話でやりとりしながら徹夜で作って下さっていまぷ。奥様はシュガイザー先生と一緒に夜明けのコーヒーを飲んだ仲だとか(笑)。この講義の夜もオテル・ド・ヨリカネに和方鍼灸友の会、ご一行様で宿泊したのですが、奥様は「先生、この太陽君はどういうキャラにすればいいのかなぁ?」とか、はたから聞いていると不思議な打ち合わせをされていました。

② 太極図からの発生学の図:これは素晴らしいですよ(全部すごいんですけど)。なんで陽明が前にあるかが一目瞭然。ついでに目・鼻・口や耳、首が出来上がった経緯もストーリーとしてきっちり出来る。火と水の関係も組み込み、目・鼻・口の症状が耳に比べて治り易いことを説明できたり。

③ ②が人間の形になり、それを胴体で輪切りにして上から見ます。陽の部分と陰の部分を独立して考えます。その中での三陰三陽夫々流れの方向性を図式化。前回は人間は立方形で表現されましたが、今回は円柱です。

④ 太陽・少陽・陽明のタイプ別スポーツマンの身体lの特徴を、先生が動き回りながら表現(笑)。ホントにマルチな才能をお持ちです。

⑤ ③の図を使って、各臓の機能であるとか「固摂」「推動」「収斂」「宣発」「運化」「疏泄」等を説明。

⑥ 五行の鼎図:ちょうど次の日に横浜中華街の関帝廟へ行った際に見た鼎で、自分の中でより具現化できました!!人間全体を鼎に収めてしまうわけです。厥陰の大木を中心に五行が織り成す循環をね。恥ずかしながら「鼎」がリアルに頭に浮かんでこない状態でお話しを聞いていたのですが、実際に見て本当にすっきり理解できました。中華街にお寄りの際はちらっと行かれてはいかがでしょう。因みに、ここは商売の神様だそうですから一石二鳥です(笑)。しかし、この図でも「易」が出てくるんですよねぇ。最低限は押さえないとと改めて思いました・・・。

次回で最終回です。3回では収まりきらないそうです、本当の所。うぅ~、引きこもる前にどうにかできないかなぁと考えている最中です。色体ちゃんリターンズと絡めてやって頂けないかなぁ~。

あ〜、でも今回の陰陽五行の後にあった「石坂流」これはもうシュガイザー先生のサービス精神の発揮された時間となりました。会場追い出される寸前まで参加された皆様に奥義を披露したり質問に答えたり……、3時からの打ち合わせ〜講義、実技と凄く疲れているのに、あんなことは二度とないでしょう。 途中で帰っちゃった人は勿体無かったんじゃないかなあ……、本屋さんも一睡もせず、カフェイン飲料数本飲んで講義、とかしてましたが、ニコイチの生き方を見ていると、なんだか健康状態が心配な今日この頃でありまぴた。まあ、ワタシの企画をこなしてもらってるからあんまり言えたことじゃないんですけど(笑)

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2006年6月23日 (金)

本屋に学ぶ経絡経穴2回目感想

本屋に学ぶシリーズ 経絡経穴第二回
 
 5月は鍼灸祭(あ、この感想も書かなくちゃ!)で休講だった本屋さんの経絡経穴でしたが、6月で第二回目、今回もなかなか実りある内容でした。
 始めはシュガイザー先生のこれから予定されている講座についての解説がありまぴた。
本屋さんは「自分の話なんて、『鍼灸学 経穴篇』(東洋学術出版社)を読んでいれば聞かなくっていい!」とか、おっしゃいますが、臨床の話が殆ど聞けない学校鍼灸教員の授業なんかとは中身もレベルも全く違うと、毎回関西から来ている学生さん達は目を輝かせています。どうして学校って機能していないのだろう・・とホトホト情けなくなってきます。商売なのは仕方ないけど、尤らしい事を言って素人(学生)を煙に巻いているからねぇ。「本格的に勉強したければ学校外で」って徒弟制度を盾にとって言い訳している教員がワタシの学校には結構居たなぁ。僕らもそうやって、モノにしてきたって。こんなのズルイなぁと思いません??

シュガイザー先生が石坂流宗家の石坂一夫先生に「石坂流を継いでくれ」と言われた経緯話なんて、本屋さんならではの登場人物でしたよ。昭和のニオイがプンプンする。幻の鍼職人○世だって登場しちゃうんだから。まぁ、こういう暗部は表に出ませんから、力のある人に都合の良いようにキレイな【伝統】となって残っていくんでしょうね。でも、参加者30名の方々は聞いたわけですから、それだけでもこういう場を作って良かったなぁと思います。

とにかく始めから、東洋医学概論(伝統的な身体観の構築)と切り離した経絡経穴の授業は意味がない、と繰り返していらっしゃいます本屋さんですが、今回も参加された先生から感想を頂いているので、ちょっと拝借させて頂きます。

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怒涛のような講習の余韻が今だ残っております。
また新たな世界のチャネルが開かれました。
講座は、臨床に直結する話あり(汗だらだらに……、精神症状には……)、中国各家学説の五行に対する考え方の説明あり、醒脳開窮法の取穴あり、心腎の交流の説明あり、骨度法と同身寸は厳密に言うと違う(えっ、そうなの)って話あり、某先生のモノマネあり(日一番の爆笑でした、もう一度みたい)、でるわでるわの宝の山でした。
もちろん、本筋の経絡経穴のお話から、脱線しはじめてから、どこまでいくんだーってぐらい乗っていっちゃうときが個人的には好きだったりします。時間の関係で、脱線が寸止めされると、胸がせつなくなります(笑)。寸止め、ヤメテホシイデス。=======

雲門穴の話一つだって、『碧厳録』(事務所にありまぷ…知りませんでしたけど)が登場し、「日々是好日」とか「体露金風」とかいう禅語が出てくるあたり(本屋さん的には「日々是口実(笑)」はもっと受けて欲しかったそうデス;笑)、なかなか教養的にも美味しい話でした。
 

何で経穴の話から禅の話?って感じですけど、でも、そこ(金風)から、西風→秋、そして四季、五行の話へと戻ってくるあたり、やっぱり本屋さんならではの講義です。本屋さんの中では、具体的な取穴や解剖学的な話は、まあ知ってて当たり前と位置づけられているようで、もっぱら聞いている人の中に「天人合一の世界観」を構築しようと話をされているようです。

でも、京都からわざわざ来て一番前に坐って(東京往復する金があったら本買って自分で勉強しろってイジメられてましたけど;笑…でもやっぱり前のほうに坐るもんだす)講義を聴いてた学生さんは、中封の(なんでまだ任脈・督脈・肺経あたりなのに中封?)取穴をして貰ってて勉強になったみたいでした。あ、その時本屋さんは、……お薬(湯液)を使って治療する人が、「ある薬を使ったら治った」っていう話を聞いたら、その患者さんの病態把握が出来るように、鍼灸師も「このツボを使って治ったら、きっとその患者さんはこういう病態だったんだ(例えば首の凝りが中封でとらたら肝欝とかetc)」という事が頭に浮かんでくるような鍼灸師じゃないと、という話と共に、某先生の事を褒めていました。本屋さんは中封穴を使うたびにその某先生の事を思い出すそうです。そんな風に、使うツボによって思い出す人が違う、って話してました。

そういえば、以前、ワタシは本屋さんに尺沢穴を取穴して貰った事があります。いままで学校では味わえなかったビンと来る取穴で、「尺沢穴、よく使うかどうか知らないけど、こうして取穴されると、尺沢って穴がリアルなものになるでしょ?」とおっしゃいまぴた。以来ワタシの中では、尺沢穴を取穴するたびに本屋さんの事が頭の中をかすめます。 ああ、伝わるってそういうものなのね、とちょっと納得。これは六王鍼を教えてもらっていたときのことでした。
  

講義は、関連する別経の穴も交えながら督脈各穴をザアーッとやりまぴたですが、ワタシがヒットしたのは、陶道と華蓋の関係、それと、風門と雲門との関連、そして「人中穴のいわれ」、いわれてみれば「なるほどお〜」って事なんですが、その背後に確かにある「世界観」それがある無いとでは、体の見方が根本的に違うんだなあ〜と、再確認させられる講義でした。次回は任脈のはずですが一体何が出てくるにょ? 今から楽しみでぷ。

★★★なお、六然社の本は、 こちらこちらの書店ウェブサイトから購入出来ます★★★

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2006年6月20日 (火)

6.18 【本屋に学ぶ・身体の作り方】感想文 

午前中の経絡経穴講座に続き、午後も新たな講座を始まりました。本屋さんにしかできない(って午前中の講座もですか)内容です。ワタシが感想文を書こうと思ったのですが、非常に上手く表現されている文章を発見しました。

筆者は関西地方からいらしている2年生の学生さんです。ですが、10年に渡る手技療法の経歴をお持ちの方で、《身体》の見方は相当です。本屋さんも「僕なんかよりもよっぽど上手い」と珍しく(?)褒めています。ワタシ的にも、骨格の見方の先生として崇めております。※コノ人物を知りたいと思う方は7月29・30日の京都での本屋さんの勉強会へGO!

ということで、以下、原文そのままです。

 

身体の動きが止まらない!?

原因は東京での身体作りでも練習した背骨を骨盤から椎骨一つ一つを意識して動かしていくやつだ。
私は10数年前から自分の歪みを取るのに活元運動というものをやってきた。
活元運動をご存知の方も多いと思うので解説は省略するが、身体があるモードに入ると勝手に動きはじめて、いや動かしたくて動いている間に歪みが等が修復されるのだ。
幼児の寝相も自己修復させるための運動だと思っているが、大人になるほど消失するので自ら♪胸のエンジンに火をつけないといけないのだ。


ところがこの身体作りで教わった吸気と共に横隔膜の力で骨盤を起こし、腰椎を後弯から前弯へ、胸椎を前弯から後弯というより伸ばしきり、最後に頚椎を後弯気味から前弯しつつ頭頚関節へと、引き伸ばしていく、あの動きである。言葉で書くと難しいなぁ。
これを何回かやるとどうやら活元運動経験のある私はスイッチが入るのか、じっとしていられない。
帰宅してから今まで歪んでいた所が動かしたくて動かしたくてたまらない。
満足いくまで動かして(←これ頭が真っ白になります、無になります、ポカンとします)落ち着いた所で就寝しました。
本日は身体のバランスよくとても快調なのですが、歪んでいた所を動かしたので脱力感いっぱい。気持ちいいんだけど、楽なんだけど、動きたくない(笑)

治療家になる重要なポイントのひとつに、手作り、身体作りがあり鍛錬しているのだが、
本屋さんの指導はほんとに勿体無いくらい重要な動きを教えているのだ。何人くらいの人が
理解出来てるかな。いや私が正しく理解出来ているのではなく、重層性多義性多様性をベースに私の独自の視点から見れば、書き切れないほど自分への応用に気付いた点がある。いずれ続きは書こうと思う。


前から知っているけど改めて思う。いや、今あえて言おう、我がジオン軍が勝つであろうと。ジーク・ジオンジーク・ジオン、ジーク・ジオン(笑)
もとい、やっぱすごすぎるよ本屋さん、
本物は教えるのも上手である。

自覚していたが指の動きは一歩後退(;_;)後退するのは髪だけで充分だ。自分で余計な動きに捉われているのがわかっているので、ちょっと考えすぎてて指が動きません。それを瞬時に見抜けるあの視点は素晴しい。後退した分は早急に取り戻しますね。

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2006年6月19日 (月)

刺絡学会 お店広げてまーす

今週末開かれます刺絡学会に六然社は出店予定でございます。本屋チョイスによるレアモノ本も若干持ち込む様子です。早い者勝ち。績文堂の『新版刺絡療法』大久保適齋の『鍼治療法』(手術篇/治療篇)もあるようです。残り部数僅かの鍼灸雑誌TAO24号(最終号)も数部並んじゃう予定。お客様対応は本屋自らが行います。接客態度は古本屋のオヤジ風です。めがねの奥から相手を値踏みするような・・・。って、めがね掛けていないけど。で、「なかなか勉強熱心ですな」と分かると急に色々と教えてくれる、実は親切なオヤジなのでありました。晩年の夢は「古本屋のじじい」だそうですからね。

まずは恐れずに話しかけてみましょう。会話(対決)が弾むことを祈っています! 貴方様次第で急にお値引きが有り得ます。怖がらずにどうぞ(笑)。

また、六然社の本におきましては、表紙にキズや、汚れがあるものを今回特別に2~4割引きに致しております。そうそう、全日本鍼灸学会・伝統鍼灸学会では禁書扱いの『新日本鍼灸楽会草紙』ですが、当日は、簡単に手に入ります。

本屋さんは自社本の売れ行きを気にする傾向が全く無いのですが(経営的にマズクナイデスカ??)、この『新日本鍼灸楽会草紙』だけは異様に気にします。ええ、そりゃあもう。逆にこれだけが気になるみたい。ココを逆手に取って、世渡り上手な方々はこの本を《通行手形》として購入しているような気が・・・。本屋さん、割りとこういうところ単純だから(笑)。刺絡学会の抄録の裏表紙には伝統と文化を探求する 然社の本と広告が載っていますが、購入方法は「直接連絡しないでねぇ~」というナントモやる気の無い売り方を謳っています。書店で買ってね~、インターネットのサイトで買ってね~という。直接注文の方が儲かるのに(本屋さんで売れても出版社に入ってくる金額は定価の6割〜7割だってワタシは初めて知りました)。

ワタシも役立たずの店番をしておりますが、刺絡学会実行委員長K先生のお勧めの演目の時間には店じまいしている可能性もございます。因みに本屋さんは13:50からの実技公開で座長の出番もあります。コメントが楽しみですねぇ。しかも、監査だそうですので総会が見物であるという情報もありました(笑)。こういう方を監査にする学会は自浄能力が高いのではないでしょうかねぇ。

昨日の本屋に学ぶ経絡経穴の講座の中でも、「日本で鍼灸をする以上刺絡は切り離せない」、「刺絡が出来ない奴は鍼灸の本当の価値を知らない」とか仰ってました。またも教員イジメ(教員は金沢の学会だったので、教員のタマゴ達)ではないですが、「あなたたち、教員になろうって奴が刺絡学会に行かないでどうすんですか。刺絡問題に真剣に取り組む姿勢がなくて、鍼灸を教えるつもりですか!!」と、お説教タイムでした。

というわけで、当日受付もございますので、皆様お誘い合わせの上、お出で下さいませ。

日時:平成18年6月25日(日) 9:35~16:45

場所:タワーホール船堀(江戸川区総合区民ホール)大ホール

当日受付/会員 6000円 一般 9000円 学生 4000円

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2006年6月17日 (土)

伝統鍼灸1

常々、本屋さんは《伝統鍼灸》なんてものは「とっくに失伝している」と仰います。でも、ワタシの母校は《伝統鍼灸の継承》を校是にウリを出していました。創立者(戦後)から発祥する流れを、伝統鍼灸と呼んでいたのだと気付いたのは3年も終わりに近づいてからです。後輩で口の悪い奴がうんざりしながら「教祖様」と言っていたのを思い出します。和方だって、はたから見れば「ニコイチ教」なんでしょう、きっと。……事実、本屋さんが呼ばれていた某学生グループの講義には「参加しちゃいかん!学会に喧嘩を売るような奴のところに行っちゃいかん。君らを洗脳しようとしているんだ」と、結構有名な某出版社から書籍を出している先生が学生に参加するなと圧力をかけていたそうです。ちっちゃいなぁ。 「あの先生は、それなりに認めていたのに、その程度なのかあ、ざんねーん! 保身に走りやがって!」と本屋さん。 事実ワタシはその先生の本を、学生さんに買うように本屋さんが勧めていたのを見た事がありましたが、今後はきっと本屋さんの毒舌の攻撃の対象になるのでは(笑)

在学中に本屋さんに『帝国鍼灸医報』という、大正~戦前、戦後(戦後物はGHQの校閲印がついてるそうな)の骨太な鍼灸雑誌があることを教えてもらいました。幸い、母校の図書室には入っていました。結構レアモノだそうです。これを読んでゆくと、若いT鍼校創設者が各地の鍼灸師の講習会に出席しては、技やネタの吸収を一生懸命していたというのが分かります。当時は、夫々のお家芸的な鍼灸技術を持った先生方が随分といたんですねぇ。おかしかったのは、「鍼灸師は食えない。だが療術家が食えるのは不公平だ!もっと地位向上を叫ぼう!!」という文面があるんです。今と変わらないですね。鍼灸師は資格はあれども、無資格者の方が稼いでいる。80年も前から変わらないんだから、鍼灸業界の地位向上って言っても無理だな、とそれを読んだ時に見切りを付けました(笑)。

この雑誌の中には片手挿管を披露するという、歴史的瞬間も載っています。披露するのは杉山眞傳流の先生です。「へぇ~」と参加者が食らい付いている様子が目の前に浮かびます。相当珍しかったようですねぇと、本屋さんに言ったところ「当たり前だ!当時は秘伝だったのだ。だから、それを盗み見して出来た教科書が今にも伝わるから、変な片手挿管になっているんだ!」と仰っていました。ほぉ~と、その時はそんなもんかとあまり気に留めなかったのですが、先日のブログにも書いた通り、シュガイザー先生に「その片手挿管は何?」と突っ込まれた際に、本屋さんの言葉を思い出しました。そういえば、本屋さんは、数年前、杉山真伝流の後継者だった姥山先生(当時96歳)という東京の芝で開業されていた先生に会った時の話をしてくれた事があります。盲人のその先生はインタビューの間中ずーっと、独特な指の動かし方を続けていたのが非常に印象に残っているそうです。

★★★なお、六然社の本は、 こちらこちらの書店ウェブサイトから購入出来ます★★★

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2006年6月16日 (金)

謎解きは《易》

随分前にも書きましたが、まだ、多賀フォーの04年度の校正をしています。最近はDVDを見ながらやっているので臨場感を味わいつつ、逆に見入っちゃってモタモタやっています。

新城先生の講演にやっとなりました。2ヶ月に一度、新大阪の治療院で開かれる《実践塾》にできるだけ参加していますので、今までに聞いてきたことの原点を復習している感じです。DVD学習の巻。

七星論=新城理論の原点は《易》。う~ん。高いハードル・・・。シュガイザー先生も《易》で色々と謎解きをしています。押手と刺し手の陰陽論とか。楽しそうです。自在に操って「易は全てを知っていた!」と拳にチカラを込めてガッツポーズをしている姿を目撃したことがあります。

ここに凡人と、そうでない秀でた人との境界線があるように思えます。ひがみ??《易》に選ばれるかどうか。もちろん、本屋さんだってフワっと軽々飛び越えていかれます。よく本屋さんは、武術の話をする時に「門派が人を選ぶ」と言います。単純作業の繰り返しであったり、逆に超人的な練習法だったりをやり続けることが出来る人が最終的には残るそうです。この淘汰をかいくぐって来た人間だけが、秘伝を教わることが出来るシステムだそうです。なので自ずと、高いレベルの人間だけに受け継いでいかれるのが伝統というものだそうです。「肉体なくして伝統なし」。これは本屋さんの決まり台詞として定着してまいりましたね。

公演中の新城先生曰く:僕がこういった発想をするのはどこから持って来るか。ベースはやっぱり易から持って来るのですが、易のこの印を出すとね、皆眠たくなるんですよ、大概。それか、用事ができて家に帰るか眠たくなるかどっちかなんですよ。これは一遍はやっておいた方が良いと思います、鍼灸師はね。これをやらないと、何と言うか解けませんよ、色んな謎がね。絶対解けない。僕は絶対やって欲しいと思うんですよ。それで簡単なんです。・・・

そうですか・・・。先生、気が遠くなりそうです。因みに先生は『無双原理・易』日本CⅠ協会、『周易与中医学』北京科学技術出版 といったラインを基本的にお勧めされています。『周易与中医学』はもちろん中国語であります。厚さ10cmぴったり。ひょえぇ~。

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2006年6月13日 (火)

伊賀焼き

伊賀の黒忍者ではなく、今回は伊賀焼き 《ご飯炊き名人 かまどさん》のお話。

コノ事務所は以前は居住用だったこともあり、生活できるようになっています。お客様が立ち寄るお部屋には普通のお宅のように流し台があり、レンジの上には土鍋、壁には年季の入った中華鍋&お玉がかかる図をご覧になって、不審に思われた方も多いはずです(笑)。

この年季の入った中華鍋(中華鍋にも上海鍋と北京鍋があるそうでこの辺の蘊蓄も一通りききまぴたです)は黒忍者の持ち物で、その昔は料理人を目指しただけあり、料理の腕前は相当なものです。昨日も、奥様とお子様連れで科学技術館の帰りに事務所に寄られた黒忍者が、ささっと手早く炒め物を作って下さいました。ワタシは頂くのが専門なんですが、ワタシの所有物《かまどさん》は大活躍です。特殊構造になっているらしく、本気で美味しいご飯が炊けます。しかも強火で10分強なので電気を使うより経済的。これで炊いたご飯はそれだけで十分過ぎるほど完璧です。そこらへんのこだわりの無い無洗米だって、電気で炊いた産地お取り寄せ米よりも格段に美味しいのだ。

そういえば、鍼灸師の先生方ってオーガニックとか、自然食とかにこだわる方って多いですよね。例に漏れず、ワタシもそっちの気があります。近辺には結構その手の店があり、ウキウキと茶色い卵を買ってきたワタシを横目に「アンタ、茶色ければいいと思ってない?そんなの簡単に出来る方法があるんや!騙されるな!!」と一喝。

お米といえば、鍼灸だけじゃなくって米も作ってる、農業しなくちゃ(土と戯れなきゃ)鍼灸師と言えない、みたいな価値観の先生に私の少ない鍼灸業界歴でも出会う機会が結構あります。それが古代人を理解し、古典の理論を理解する第一歩と聞きました。が、本屋さん曰く「農業はその道のプロに任せりゃいいんだ、鍼灸師は鍼灸を先ず一生懸命やるべきじゃないの?」とばっさり。仰る通り、本屋さんには無農薬で米を作っている知り合いがいて、毎年「その米をオカズに米が食える」(本屋談;笑)極上のお米を送ってもらってるみたいです。やっぱり日本人は米ですねえ。

事務所で、この土鍋で炊くお米の味わいを何回か堪能された黒忍者の奥様もすっかり気に入って下さったようで、「買う!」と昨日決心しておられました(笑)。やっぱり違うもんねぇ。。

因みに、奥様は近頃アロマにはまりつつあり、おこちゃま用虫除けスプレーを作ったり、今度はマッサージオイルを作ると挑戦されたりと、ワタシのアロマ仲間となってくださっています。個人的な話ですが、ってブログだからいいのか(笑)、ワタシは鍼灸をやる前はアロマのお店で働いていました。にゃので、アロマは生活の一部であり、特別なものではないのです。お部屋で香りを焚いてリラックス・・・なんて気取ったことよりも、ガンガン生活のシーンに取り入れるモノなのですよ、アロマって。さっきも、古くなったラベンダーの精油をバケツに落として事務所の雑巾掛けをしておりました。幸い、黒忍者も合成保存料やら合成香料を苦手とする種族なので、変な消臭剤を置いたりしないので助かっています。そんなものがあったとしたら一応上司ですから、勝手に捨てるわけにもいかないし(笑)。

アロマ業者にちょっとコネがあるので、商品をお分けしてたりもしてます。ご興味のある方はどうぞぉ。ワタシが買うときに一緒に注文しまっせ!

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2006年6月11日 (日)

いつのまにか新刊

 何故か従業員のワタシもまったく知らない間に六然社に新刊が出来ているではありませんか? 
一体何時仕事をしているんだか……、確かに何時も何かしらやってるし、患者さんは来るし、寝ないし、っていう生活をしているんですが、果たして、何をやっているのだかはっきりとは従業員のワタシもよくわかんないんです正直な所。事務所は妙にさわやかで厳つい、だけど過剰に親切で怪しげな人達が出入りしますし。(本人の本職はスロッターらしいです。実際「お金がなくなったから…」って言って歩いて数十秒のP屋さんに行き、時給1万〜3万円位の仕事をこなして来ているのを数回見ています……、「忙しくって金稼ぐ暇がない」というのが本屋さんの口癖ですが、いつの間にか本も作ってるんですね。ちゃんと。どうやら自社出版物以外の本も(いわゆる編集プロダクションって言うのでしょうか?)手がけている節があり、全然知らない出版社の本を実は、黒忍者が作っている、ということもあるみたいです。ゴーストライターもしてるみたいですし。自社出版物を作るお金をそうして稼いでいるのかしら?
 で、六然社の新刊は『神道の呼吸法』というタイトルです。
 中身は、神武天皇の時代から国家の祭儀として宮中で行われ続けているという伝承のある石上神宮由来の鎮魂法と、各個人が修練出来るように、大正時代に神人といわれた川面凡児(1862〜1929)が纏め上げた禊祓行の実際を余す所なく伝えたもの……だそうです。
 著者の中川正光という方は、昨年5月97歳で亡くなりましたが、その年の2月迄、毎年欠かさず、オホーツクの流氷を割って海に入り禊行をしていたという神道界の大御所でありました。東京都内に禊行が出来る神社(地下深くから水をくみ出す設備を作ってあったそうです)が唯一ありまして、そちらの宮司だった、この中川正光先生の著作を出す事を本屋さんは生前企画していたとの事ですが、没後の一年祭に合わせて上梓、となったようです。値段は3000円、まだ一般書店には並んでいないようですし、何故か本屋さんも並べる気もないみたいです(「分かる人だけが買ってくれればいいんだ」って、いつものように言っています)。だいたい営業らしい営業をしているのを見た事がありません。それを心配してシュガイザー先生の方が一生懸命本を売っている図式を見ていると、やっぱりニコイチなのかなあと思ってしまいます。

 あ、そういえば、シュガイザー先生の著作は「石坂新伝流・五輪の書」として、世に出すんだと本屋さんは申しておりました。とりあえずは「四部書」として地水火風を出し、空之巻は「空」ゆえ出さない(シュガイザー先生の死後に誰かが纏めて出して)っていう予定だそうです。
……ほんとにこの人達って。

地之巻(おだやかに 誰をも癒すは 地の如し) 困った時の六王鍼 『迷導経(めいどうきょう)』ー万病一如の鍼ー
水之巻(やわらかに 論ずる思考は 水の如し) マンガ五臓の色体ちゃん『軟 経(なんぎょう)』ー色体経象学ー 
火之巻(かろやかに 鍛える血潮は 火の如し)これで鍼が上手くなる 『身 経(しんぎょう) 』ー唯掌論 ー 

風之巻(あざやかに 技にて治すは 風の如し) 巧みな鍼の使い方 『蘇 捫(そもん)』ー九鍼発揮ー

空之巻(秘するが花の口伝集) 

 いやあ、楽しみですねえ。

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2006年6月 7日 (水)

6月3日 寄金講義 in京都 感想

お知らせ致しましたとおり、先週末に京都で行われました。参加者は関西を中心とした学生さん達でありましたが、東京からも数名参加していましたね。

1年生が多かったようでして、自分の置かれている境遇の寒さに《気付き》が訪れたようです。鍼灸学校は優・良・可で分けた場合、優はなくて、良もなくて(えぇ~)、不可のみであると、本屋さんもシュガイザー先生もよく仰います。ワタシはその意味が最初は分からずにおりまひたが、鍼灸学校っていうのはカルチャースクールに毛の生えたもの的なものなんだと最近は思うようになりました。500万も払ってねぇ。……某新設校なんて、ホームページに《ベンチャー企業》と自らを謳っています。医療がベンチャー企業でいいのでしょうかねぇ。 そういうのとの比較で、伝統校は「うちは違う」と胸を張りますが、やはりせいぜい「可」なんですね。優には行かないんです。だって、伝統って言っても、所詮昭和からです。伝統って言うなら、日本鍼灸1500年をしっかり継承しているのかっていう突っ込みを自分達で課さなきゃねぇ。それを課しているオタクをワタシは知っているだけに、知らない方(特に学生)を不憫に思います。このオタクが学校カリキュラムを作ったら素晴らしい3年間になるでしょうね。でも、厚生省が決めたカリキュラムが悪すぎてどうにもならんと先生方は言い訳されます。そんなの先生の力量次第で実際の授業時間はなんだってやれるだろうと思うのですけど・・・。

実はワタシはこういうことを卒業するときに言ってみました(めでたく来年からは検閲がかかるカモ)。会場は一瞬凍りましたようです。司会の方も滞り(まさに気滞に満ちた空間)の手助けをする素敵な間を作ってくださいました。式場を後にする時には「苦言をどうも」と苦々しく言っておられた校長も、新入生の入学式後の職員会議では「素晴らしい教育論」と意見が変わったそうです。因みに校長の卒業お祝いの辞では、「職にキセンの別はない」というものでした。この詞を聞くたびにワタシは「職業に貴賎はない、韓国だけにキーセンあり」という本屋さんのブラックなギャグを思い出してしまいます。ちなみに「苦言」が「教育論」にすげ替えられた、その職員会議ではワタシの悪口も展開されたそうですが、ちょっと、濡れ衣を着せられた感があったので、この場をお借りして弁解しておきます(笑)。そんな事書いてると「校長先生に『セクハラ上手・生き方上手』って本書いてもらえ」って前から言ってる本屋さんがまたなんか言い出しそうですけど、さすがにそれが不可能な事くらいはワタシは分かります。ワタシが分からないのは「部落問題」と「ハタヨーガ」です。※数名爆笑しているでしょう・・・・。

とにかく鍼灸学校というのは、非常にぬるい企業です。ユーザーは学生。95%以上は3年まで居るんだから、入学しちゃえばそれでよし。1年目は何にも分からないから、どんな内容だって全然文句は出ない。2年目から色々と外を見るようになり、だんだんと目が肥えてきて、学校って?? と思い始める。しかし、3年目で《国試》という迫り来る2月問題にすり返られて、本来の職業訓練校という側面をぼやかす作戦は成功する。なので、ところてん式に出て行く学生の言い分は汲み上げられることも無く、ぬる~く改革してます風を漂わせて毎年度をやり過ごしていく。

もちろん、一生懸命やっておられる先生もいらっしゃいます。そうした先生方はそれなりに実力もあって、尊敬出来る部分もありますし、自分が行き着いた所を学生に伝えようと自分の言葉で喋って下さいます。鍼灸というのは《俺流》でこその面があり、それは到達点として本人的には良いのですが、素人を育てることにおいては間違っているのでは?と思えてなりません。自分の経験から「これをすれば良い。俺の言うことをやるだけでよい」と言った押し付けを教育と履き違え、神さまというか、イヌのリーダー的存在である自分をアピールします。そういう先輩も結構居ますねぇ。ワンワン。

シュガイザー先生や本屋さんがこうした方達と一線を介するのは、「自分でやれ」と現実を見させることです。「変わりに練習してあげられないからねぇ、こればっかりは」ともよく仰います。「いい先生もいるけど、その個人個人の俺派の用語翻訳から始めなくちゃイケナイのはとても大変!」と本屋さんはよく言ってます。だからこそ、方法論を公開するわけです。やれる人はやればいい。手にしたい人は手に出来るというシンプルだけど、甘くない世界です。だから、山のようにある本も貸してくれない(くれることはあるけど)。「自分の手元になくてどうすんの?」と問いかけられます。そうですね・・・。シュガイザー先生達に入れ込んでいる某鍼灸学校2年生は昨年の本代が40万だったそうです。これは、この生徒の通っている学校図書室の予算額(30万)を超えています(笑)。さっきも本屋さんは数十冊の本を抱えて帰ってきました。

思うんですけど、和方鍼灸友の会ほどお金が無い会ってあるのかなぁ。年会費もとってないし、入会金1万円のみだし、それは通信費とかコピー代、葉書代やらに消えていくので、多賀フォーも講師謝礼とか神社に払うお金とかで毎年足が出てます。「僕らの趣味だからいいんだ」と言っています。援助を申し入れてくれた先生もいたようなんですが、断っちゃったみたいです。まあ、古書を買い漁るのは、シュガイザー先生、本屋さんの自腹ですが、これを支える収入ははっきり言ってありません。シュガイザー先生の講演会の参加費だって、一回分の請求書にもなりません。次々にくる請求書に「ながのく~ん」と頭を抱える本屋さん。今も机の上に某古書店の41万円の請求書が……

毎週届くこれらの本を栄養に、新しい説がオタクの脳みそから生まれ出て、その恩恵に預かるわけですから、我々の支払ったお金は形を変えて戻ってくる方式だと思います。某学会(遮断法人?)のように、プール金を自宅の購入費に当てちゃったりできる素晴らしい個人的資産流用制度があるわけじゃないですし(笑)。そういえば六然社の新刊書に『茶番呆人 新日本鍼灸楽会草紙』の広告が載っていて、そこには「実態の隠匿と言論の弾圧を目論む㈳全日本鍼灸学会が関係諸団体に販売自粛願いの回状を何度も回した業界で話題の禁書(ビニール本)」としっかり書いてありまぴた。

そうそう、今回の講義は「奇経八脈」がタイトルでした。ですけど、いつもの通り奇経の話をしたのはほんの一瞬。図を書いただけ(笑)。でもその図は人体における奇経のあり方を一瞬で理解させるもので、なーんだっ奇経ってこう考えとけば使えるじゃんと臨床的にも応用の効く内容でした。実際に随分前にワタシは聞いていまして、試してみましたが本当に効くんですねぇ。明らかに。だけど、後から考えてみたら、気口九道の脉の話も小周天の話も易の話も馬丹陽の話も全真教の話も金庸の話も李世珍先生の鳳凰の眼龍の眼の話も竜虎の話もみんな李時珍の奇経八脈考の話と繋がりはあるんですねえ。「パチスロと北斗の拳と散針と」っていうのは本屋さんの三題噺で定着した感がありますが、ワタシも遅ればせながら『北斗の拳』を読み始めまぴたですよ。奈良の治療所で出会いました(笑)。結構面白いんで、近いうちに仕事をサボって近所のマン喫に行って読破してこようと思ってまぷ。

さっき、事務所にきた鍼灸学校の1年生は「時間がない人ほど、お金を掛けないと」と自分のポリシーを言っていました。「この人わかってるのねえ」と、また次回会うのが楽しみになった方でした。京都でもこういう種族に結構出会います。そういった出会いが楽しみでもあるのでした。まあ本屋さんは「みんな騙されてんだ」っておっしゃいますけどね。

講義の詳細記録は 《学生交流会のささやき》  というブログをご覧下さい。ワタシは省略(笑)。

★★★なお、六然社の本は、 こちらこちらの書店ウェブサイトから購入出来ます★★★

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2006年6月 2日 (金)

黒忍者 みのもんたと化す

毎月一回、平日のお昼間に本屋さんが一般の方々へ健康講座をされています。

学校を卒業してから、私も受講者として参加しています。参加者は上は70代のおじいさんから30代のお姉さんまでと幅広くいらっしゃっています。

「牛乳を飲むより、配る人の方が健康でしょ」と常々本屋さんは言っています。「10年後元気でいるかどうかは、今何をするかで決まるんです」。バスを使わないで駅まで歩く、エスカレーターを使わないで階段を昇る。日々、どうやって身体を使うかで決まるのです。今歩かない人が、10年後歩く訳がない!!足腰が弱って、いざ「まずい、何かしなきゃ」と思っても、もう筋力が弱ってて関節に痛みが出るようになるんですね。で、また動かない・・・の悪循環。

一般の方ではありますが、皆さんお灸を捻ったり、足を揉んだりと本屋さん仕込みの《技》をお持ちです。1年以上続いているので、主要なツボはご存知ですし。ワタシもまぎれて、足をモミモミしたり、簡単ツボ講座を聞きながらへぇ~と感心している状態です。この足もみだって《足心道》ですからねぇ。以前に配られたのだって、柴田和通の本からプリントを作っているようでしたし。門松の由来や、天人合一思想をさりげなく《夏の冷え》に絡ませて説明している辺り、さすがだなぁ。しかも・・・。どうやら思いつきでやっているらしい。下準備無く、完璧に纏まる講義って・・・・。続く。

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトから購入出来ます★★★

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