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2006年7月 9日 (日)

7・1 長野先生 『腹診の源流』講座

7月1日の夜に、長野先生による『腹診の源流』の講座が開かれました。関西からも追っかけの如くいらした方々を含め満員御礼でございました。六然社から出版されている『腹診の源流』ですが、この本をテキストにして内容が濃すぎる3時間でした。

まず、始めに森家の家系のお話です。なんで《意仲玄奥》と付けられているのかを説明されました。聞いているうちに、漠然と眺めていた家系図にドラマが見えてきました。御園意斎(松岡意斎)から森家へ伝えられた秘伝を、著者の森中虚はお祖父さんである仲和と意斎をとへの敬愛と誇りを込めて、《意仲玄奥》と二人の名前をタイトルへ入れたというわけです。この中虚は、しっかりと文献学の手法を取り入れている事が、『意仲玄奥』の脚註などから伺え、単なる著者の思い込みではなく、書誌学的にも客観性に富む価値の高い本であると言えるそうです。

P115からの解題以降を読みながら、本には載っていない概要補足をされて一旦休憩。この間に、当日の直前まで長野先生が聴講されていた遠藤次郎先生の『癒やす力をさぐる』の1割引販売をしました。用意してきた14冊が一気に売れ、手に入らなかった方は次回までお待ち頂くことになってしまいました。失礼しました。それにしてもすごい勢いでした(笑)。この本のP138から、長野先生の研究されている《腹診》、《腹の虫(三尸虫等と実際の寄生虫)》が載っています。因みに、このブログの《7月3日の「唯掌論」講座のお知らせ》にこの本をお勧めしするコメントを頂いています。なんてタイムリーなのだ(笑)。

休憩後、いよいよ本文突入。本書には打鍼の図が載っているのですが、この本は原本の93%縮小と断りが最初にされていて、それによってこの図から原寸大を復刻することが可能になるとのことです。随分親切に気配りされてこの本は作られているなぁと思いましたです。そうそう、『医古文の基礎』を翻訳出版する際に尽力された先生も当講座には参加されていましたが、長野先生は、その本についても参加者に勧めてましたです。ついでに、ケチなやつは勉強なんか出来ない! 鍼灸師としても成功しっこない、とも。確かに、この講座一つとったって、この難しそうな本の話をあれだけ、分かりやすく内容豊に、さらには臨床的にも役に立つように説明出来る人はそうそういるもんじゃありません。

《分位診候》の太極・道気・剛火・腎間動気について細かく説明。古典研究の某先生が仰るには、長野先生の腎間動気の解釈は群を抜いているようです(ワタシにはそのレベルすらも分かりませんが)。図を沢山書かれて、これまた「陰陽五行説講座」の続きか?!というような、非常に面白い解説でした。火と水、陰陽、任督脈の昼夜の流るルートの違い、君火と相火、打鍼理論を実際の臨床でどう応用するか、当然ですが、長野先生の全ての講座がちょっとづつリンクして重なっていくので、毎回理解が深まります。例えば8月3日のツボエクササイズに続く話で、《永流》という和製のツボが大腿内側にあるそうですが、とにかく女性疾患に効果があるそうです。改善しずらい慢性疾患には毎日身体を変化させる刺激を継続させるというのもとても有効であると、さらっと言っていました。本屋さんの講義でもそうですが、さらっと言うことに意外と真意があるとワタシは最近気付いたのであります(笑)。

時間を少し過ぎるも、結局全部の解説は終わるわけもなく・・・。「来年はそうそう東京に来ませんから」と言いつつ、「本気でやろうとしたら1年は出来る内容ですから。そのうちまた機会を作りたいです(やったー!byワタシ心の声)」と言い残して、先生は国立九州博物館の腹の虫関連の絵本(腹の虫がモデル)のの出版打ち合わせの為に、参加者を残してフェードアウト。と、アイドル並みに忙しいのであります。

しかし、残された参加者には素敵な続きが! 予告通り、大浦慈観先生の登場です。15日に開かれる『皆伝・入江流鍼術』とも関係するお話でした。「どうも、杉山和一は打鍼術の影響をかなり受けている」と。杉山流の管鍼術である細指術や内調術は打鍼の技術を転用しているし、杉山三部書に出てくる単語からもそれが窺えるのにここ数年で気付き始めたそうです。打鍼の研究が、杉山流の解明に続きそうであるというようなことを仰っていました。

若干名でしたら、まだ参加可能です。「これは見逃せない!」と思った方、ご都合つけて是非どうぞ。特に学校教育関係者のご参加お待ちしています。優待割引はありませんが (これからそれで食っていこうっていうんだから教員は割り増しでもいいくらいだ! by本屋)。因みに『腹診~』には参加者の1/4が先生&予備軍でした。随分高い参加率だと思われます。 これで安直な学校鍼灸から救われる学生が増えるといいなぁと願っています。

『皆伝・入江流鍼術』 入江流を読まずして、伝統鍼灸は語れない!

 杉山眞傳流の奥義書にも名前が登場する流儀の治法の考え方と手法とを臨床に応用できるように解説します。その入江流の手技・手法を歴史の深淵からカラー図版をそのまま再現!歴史と内容解説により、杉山和一のルーツを辿ります。

・日時:平成18年7月15日(土曜)   18:00~21:00

・定員:60名

・会場:富士見区民館 2階洋室A    千代田区富士見1-6-7 http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/sisetu/yakusho.htm

・参加費:7200円(和方鍼灸友の会会員 6200円)

※書籍をお持ちの方:4000円(会員3000円)   

《お申し込み方法》

こちら までメールにてお申し込み下さい。予約完了の返信をこちらからさせて頂きます。※FAXでもお受けします。03-6279-5102 六然社 

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