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2006年7月28日 (金)

鍼先

今日は巨鍼日記です。初めて習ってから1年以上が過ぎました。まだまだ刺入技術がままならないので常用使いではありませんが、私にとっては《伝家の宝刀》であり、何をやっても変化がない時に出番がやってきます。

打っているこっちが血の気が引いてくる、という現象にも随分慣れました(笑)。元々、長野先生と同類でして≪熱いのダメ・痛いのダメ≫な人間ですから、巨鍼を横に入れていく感覚は恐怖感に近い物がありました。患者さんが「うぅ」等と呻いた瞬間に、「あぁごめんなさい、ごめんなさい」と、言ってしまいそうになります。言いませんけど。こっちが焦っている気配を察知されては治療も成立しませんので、まず「鍼は見せない」で勝手に打ちます。インフォームドコンセントもへったくれもありません。そうじゃないと、あの衝撃的な本の表紙のような図が患者さんの脳裏に浮かんでしまったら、その時点で湊理、肌肉や筋やらが締まってしまい、非常に不利になるのではないか?とコズルイ計算をしているのです。因みに、巨鍼の患者は関係者に限っていますので、万が一のクレーム処理もお手軽です。が、相手はうつ伏せで鍼を見ていないので、まさか0.8mm、30cmが入っているとは気付きようも無いわけです。抜鍼後も、確実に証拠隠滅。「うぉ~響いた」とか喜ぶ人もいますね。さすがに毎回不意打ちは出来ませんので、次第にバレますが、もう体験済みなので大丈夫です。

さてさて、使用済みのマイ巨鍼を「事務所のオートクレーブで消毒させてもらおうっ」と持ち込みまして、本屋さんの巨鍼と一緒に消毒にかけました。竜頭の出来が全然違うので混ざっても大丈夫。っていうか、長さが違うから一目瞭然なんですが。本屋さんは現在、≪右膈兪から大腸兪越え≫をするので主に50cmの巨鍼を使用しています。へっぴり腰の私は30cmがせいぜいです。本屋さんは一時期懲りすぎて、結果的に竜頭が重くなってしまい、50cmだと刺入時にブランブランしてしまって「やりずらい」と近頃はシンプルにされているようです。因みに製作時間は一本30分以内。喋りながら、手を動かしているうちに完成です。ワタシは数日。そうそう、初めて本屋さんから巨鍼作りを習った時に一緒に参加された島田力先生も、初めてのはずなのに早かったですねぇ。

今回は消毒の他にも目的がありまして、ずっと事務所に置いてあった50倍のルーペで鍼先をチェックしたいと常々思っていたのです。ワタシの母校では鍼先チェックが実技時間必須となっていました。特に戸ヶ崎正男先生は徹底されていました。アサヒの銀鍼ディスポを学校から供給されて使用していたのですが、先生がチェックされると1箱全て「鍼先が出ていない」と却下されるケースも多々ありました。巨鍼の鍼先は通常20倍程のルーペで付けていきますので50倍だと「どう見えるんだろう~っ」と密かに楽しみにしていました。消毒完了した巨鍼を取り出し、おもむろに50倍のルーペと鍼先を合わせながらうっかり「ワタシのこの鍼先達はねぇ、新城先生に作ってもらったんだよぉ~ん」と自慢してしまったのが仇となり、横から瞬時に黒忍者に奪い取られました。こういう時の素早さはさすが忍者です。

「なるほどね」と納得が行ってからようやくワタシの見る順番が回ってきました。実は2ヶ月に一度開かれている新城先生の《実践塾》で巨鍼の紹介があった時にマイ巨鍼を持参しまして、先生の隙を窺って見て頂いたのでありました。そしたらですね、お話をしながらなんと、持参分全部をちゃちゃちゃっと「お直し」してくださったのです。「ううぅ。これは貴重だから使わないでおこうっと」と心に決めたにも拘らず、なんせ今回の父親の腰痛はあまりにも手に負えず《伝家の宝刀》最高バージョンを使用してしまったわけです。※学生諸君。「新城先生、お直しお願いします」などと持っていかないようにくれぐれもお願い申し上げます。たまたま運良く、タイミング良く、ワタシはやって頂けただけでありますので。常時受付中と誤解なさいませぬよう・・・。

50倍で見ると新たな発見がありましたよ。あの太さですから、肉眼だってしっかり見えるんですけど。一通り眺めて納得したので、こっそり本屋さんのと二つ並べて見てみました。「ムム。どっちが新城先生だっけ?」とルーペをはずして再確認。反対に映るのを考慮して、再度チェック。「あれ。角度がばっちり揃ってるよ」と教えて差し上げたところ、とても満足げな表情を浮かべてました。50倍を使っての比較は本屋さんもこの日が初めてだったそうです。新城先生のを《目で見て、指先で確認して》ってだけで同じ角度を出していたことに、ワタシは脱帽でございます。職人ってそういうもんだなぁと。あぁ、申し遅れましたが本屋さんは鍼職人も舌を巻くぐらいの材料の知識、道具、腕をお持ちです。「一回で覚える」秘訣を講義の中でも再三仰いますが、そういう《見方・盗み方》の方法論をお持ちの方は対象が何であっても通用するんだなぁと思いました。

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コメント

うらやましい!!実際に巨針使って治療しているなんて!未だに使って患者に使った事がなし。使いたいけどどうしても、臆病で使ったらいい効果が期待できる場面でも使えない自分です。理由は、いろいろなんだけどね。患者ないときは練習がてら巨針使うけど・・・!
ちなみに、どんな患者に使ってますか?症状を聞きたいですが
?教えていただけますか?お願いします。

投稿: 田村ファンド社長 | 2006年7月31日 (月) 02時34分

患者といえるかどうか分かりませんねぇ、知り合いばかりですしねぇ。巨鍼の輪とでも言いましょうか、「あのすごいのやってみてよ」と言って下さる良き人々に支えられております。具体的には「ワタシの場合はですねぇ・・・」と得意げにうっかり書いてしまおうとしましたが、ぐっと堪えて我慢します(笑)。だって、ワタシのやっていることを参考にされるより、ここは是非とも本家本元の新城先生にお聞き頂きたい!好機が間近です。8月6日の実践塾GO~!!

投稿: ワタシ | 2006年8月 1日 (火) 00時07分

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