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2006年8月

2006年8月31日 (木)

いよいよ!カラオケ大会の巻き

今週末に迫ってきました。明日の夜中に出発するので、気分はもう前日です(笑)。

参加者リストの最終ができ、名札を用意したりと準備に追われています。アレコレ、弱小脳みそでシュミレーションをしておりますが、絶対に何か落としていそうで怖いです・・・。当日参加の方とかは名札が用意出来ないので、現場で作るってことになるわけですが、受付現場がてんやわんやなのでなるべく避けて欲しいのですが、去年も結構いらっしゃいました。それに懇親会は人数限定予約制なので、当日いれてくれと言われても困ります(泣)。ワタシはA型なので、無意味に細かい調整を時間をかけて(かけ過ぎて:ココが問題)やってしまう方です。本屋さんはO型ですのでダイナミックに大枠を作って下さり助かっています。因みに、シュガイザー先生もA型です。誰が見てもそうだろうって感じですか?  例えば、文章構成の細かさといったら・・・・。ご本人も「木を見て森を見ずタイプ。句読点や誤字脱字といった部分が気になって、最終的に文章をないがしろにするタイプ」と自笑していました。そんなこと無いんですけどね。

 さて、タイトルにございますように、今年の懇親会はカラオケをご用意しました。シュガイザー先生、ビビアン東○先生の十八番の曲目が多賀大社のレーザディスク式カラオケに入っているかどうか、現在問い合わせ中です。ワタシとしては長年温めている秘蔵企画、《長野仁・オンステージ》の実現か!? という気持ちなのですが・・・。……説明しよう! 鍼灸業界において未だ嘗て無い、鍼灸に全く無関係な企画。《長野仁・オンステージ》2時間単独ライブを、和方鍼灸友の会皆様限定で開催しようと、ず~っと機会を狙っているのであった!! 実は東京だったらココ、という場所ももうチェック済み。鍼灸の話は一切なしという、非常にバカバカしいこの企画の意図に賛同してくださる方は東京よりも関西圏の方に多いに違いないので、どうすっかなぁ~とペンディング状態が続いていました。まぁ、今回は「カラオケ大会になったらまずいから」とシュガイザー先生も悪乗りしそうもありませんし、せめて続けて3曲ぐらいでしょうかねぇ。場が盛り上がれば、マイクの奪い合いに発展するのも面白そうだなぁと妄想していますが。お約束の演武も今年は無しで・・・・という、意見も事務所内で昨日繰り広げられていました。

全5回の予定の多賀大社フォーラムの第3回目が今年に当たる、ちょうど折り返し地点ですね。昨年は受付に華を添える(自分で言うな:笑)ぐらいしかお手伝いできなかったのですが、今年は申し込み窓口をやらせて頂いていたので、内実がよ~く見えました。はっきり言って大赤字。3年トータルで3桁を軽~く越す赤字を、ニコイチが被っているのでありますが、後2年やれるのだろうか??とワタシ的には不安にさいなまれております。記念品が豪華すぎるんですけどね。それが無ければ、採算に合うんですけど、「それじゃぁつまらないでしょ、僕らが楽しんでるんだからいいんだよ」ってニコイチは言っています。歌って、稼げる鍼灸師・長野仁と、パチプロ師(時給○万円)の本屋さんの私財としては軽い額なのかも知れませんが、「3桁あったら、出会い系サイト(注:古本との)につぎ込めるのにぃ」と頭に本の山が浮かんできたりして・・・・。う~ん、このように急にニコイチの気が変われば最終回だったという事になってしまいかねない、お財布事情です。まぁ、最悪を想定しつつも、そうならないことを祈っています。そういえば、和方って年会費ないし、多賀フォーだって参加費を値上げすれば対処できるんですけど、それはしたくないみたいだし。オトコってのは、変な所にこだわりますなぁ(笑)。

ワタシとしましては、今回で最後という気持ちも含めて楽しんじゃおうかなぁと思っています。弥曽以知、持っていくの忘れないようにしようっと!

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8・20 身体作り 感想

経絡経穴の後に開かれる、身体作りの勉強会も回を重ねるにつれ、バージョンアップがなされてきました。

基本の正坐をしての動き以外に、新たに追加されたのは・・・。四つん這いになって、内臓が垂れ下がる重みを感じつつ、クビを左右に振りながら尻尾を覗くという動物の動きを真似ます。やっている本人は単に後ろを覗き見るだけになっているのですが、本屋さんが見回りながら「胸椎の○番までが全く動いていません。」「この部分が棒のようです。」「ココにトラブルがあるね」などと、コメントが響きます。30人弱が黙々と隙間狭しと、前を向いて四つん這いになっているのを後ろから眺める図・・・はなんだか異様でありました(笑)。

この本屋さんチェック時に、ワタシとお隣のお姉さんの仙腸関節が同じようにズレている、というのが判明しました。寝た状態よりも、四つん這いの方が明らかに分かりやすいのですね(仙腸関節の高さが異なるので一目瞭然)。にゃるほど、にゃるほど。その後、急遽ズレを治すデモが始まりました。講座に行ったらアナタ、これ習うのに8万円と言われるAKAと呼ばれる代物だそうです。実はワタシの身近にも習っていた人がいまして、「一回の講座が8~10万だよ」と聞いていたのですが、まさか、この時間のこんな時に、お目に掛かれるとは!! しかも、本屋オリジナル工夫伝までご披露頂きました。

 自宅での骨盤調整運動も教えてもらいました。これは、京都で開催された本屋さんの講座の前座でも、○っちゃんがご披露されていましたね。進む方向で骨盤の動きが変わって、生理が早まったり、遅くなったりと調節できるんだよ~と言った事もさら~りと言っておられました。

 もう一つ余興で「へぇ~」な実演。プライド等でお馴染みのヒクソンが、仰向けの相手の上に乗った際に何故相手が動けなくなってしまうのか? ってお話でした。 あれだけがっちり決めることが出来るのはですね、骨盤底を巧く使い相手を制御出来るからだそうですよ。 ただ、単純に有利なポジションを取る、ということとは大分違うらしいです。「男の上に乗るのは嫌なんですけど(笑)」とか言いながら、武術をやられているような体形をされたお兄様をモデルに「こういうことです」と、がっちり決める技をご披露されました。始めは上に乗っただけ(下の人は逃げられました)、次に技術を使って(殆ど動けず…)、ということをされてましたが、一見同じように上に乗ってる(マウントポジションというそうです)ようにみえましたが、何かが起きているのは感じられました。類希なる選手の中には、このように身体の捉え方という面での技術が抜きん出ていることがあるそうです。なので、本屋さんのスポーツ観戦の視点は一般と違った角度からご覧になっているみたいです。

 さて、本来の正坐の動き。ここでも肋骨の可動域が広がるために注目する「ポイント」の伝授がありました。前回までは仰っていなかったのですが、次第にレベルを上げていくという感じを受けます。もちろん、個人差が出てきておりますので、進みの早い人には「お土産」という名のヒントを個人的に教えて回っています。

本屋さんの教え方の特徴は、「何かを出来るようにさせる」という目標が非常に明確です。だからと言って、「今日はこれを教えますからね。みなさん、達成目標はこれ!」などというような、素人的明朗さはありません。最終目標までを何段階かに分けて、夫々の通過点でどいういう事が出来ていれば良いというのが設定されている気がします。この設定には幅があり、筋骨の形や柔軟性といった個人の差を吸収する余地があるようです。ですから、お隣の方と全く同じアドバイスではないことが多いのです。その人、その人にあった修正をかけていくという、非常に細やかな指導がなされているのに気づいている方はどれくらいいるであろうか、ムムム・・・。まぁ、こういった教え方が出来る教師ってそんなにいないと思われます。鍼灸学校に限らず、ワタシが今まで様々な分野で教えを受けた事を振り返っても、こういう先生はいなかった・・・よなぁ。 だから、本屋さんが大勢を相手の講座(セミナー)はやりたくない、「伝統的な事は本来個人的に伝わるものだ」って言ってる意味も何となく分かってきました。でも、ある有名な先生に何年もついている学生に、ほんの数分で「お宅の先生のいってることはこういう事」と、当の学生が驚くようなアドバイスを出来ちゃう能力や、後から迷いながら学ぶ人達へ、近道を教えてくれる事が出来るんだったら、そういうのは無駄にしてほしくないとワタシは思っています。昨日も本屋さん自身は「これは墓場迄持ってくんだ」と言っているスペシャルな鍼灸技法を耳にしました。まだまだいろいろ引き出しがあるみたいです。

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2006年8月26日 (土)

多賀フォー上陸情報

いよいよ、一週間後に迫ってまいりました。非常に交通の便が悪い中、大勢の方に参加いただきありがとうございます。みなさん、各自でお調べが付いているかと思いますが、本屋さんが調べてくれた情報を念のため載せておきます。関西方面からは、来やすいかと思いますので、東京からを基本に掲載しておきます。お気をつけていらしてください!

当日10:30分からのプレステージを聞く為には、下記の電車が便利かと思います。
 これ以上早い新幹線(のぞみ)もあり、名古屋乗り換え若干早くつきますが、こだま乗り換えとか多少手間です。

東京発 ひかり361号(岡山行)06:36~08:50米原着
近江鉄道本線(彦根行)09:09~09:19 [10分]
近江鉄道本線(貴生川行)09:20~09:28 [8分]
近江鉄道多賀線(多賀大社前行)09:46~09:51 [5分]

プレステージ無しで午後からの参加であれば、東京発8:36分のひかりでも米原着が10:57分ですので、12時半開会、45分からの基調講演には十分間に合うで しょう。

では当日を楽しみに。

※当日宿泊を考えている方は、必ずお宿のご用意をお勧めします。駅前に出ても、24時間営業のインターネットカフェなどは一切ございません。

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2006年8月25日 (金)

8・20 本屋に学ぶ経絡経穴 第4回感想

毎月のお楽しみ、経絡経穴学・第4回が20日に行われました。他の勉強会と掛け持ちでいらしている方もいて、そっちの情報を頂いたりと、いつもと違った夏休みの第3日曜日でした。

今回は肺経の説明を詳しく、大腸経を途中までという説明が軸になりました。といっても、いつもの如く、半分以上が直接経絡経穴ではない話。ですが、ちゃんと頭を使うと実は全ての話が鍼灸の世界にリンクする《自分の幅を広げるきっかけ作り》が満載の内容でした。

前回は漫画でしたので、今回はエッセーの紹介(なのかな?)。『海馬が耳から駆けてゆく4』菅野彰 新書館 1400円の中に紹介されている、筆者(小説家)の酷使された肉体疲労を取り除いてゆく浅草開業の鍼灸師Aが登場するくだりを配布。この先生は、治療時間内に痛みが消えなかったら御代はタダ、というなんだか本屋さんと相通ずる勝負師的要素の強い鍼灸師でありました。本屋さんも「出来高払いでいいから」と、他の針灸治療院や病院で治らなかった人々が来るとそう言ってニヤリとしています。しかし、前回の漫画に引き続き、なんでこうしたものが次から次に出てくるのか不思議。参加者の何人がこういうアンテナを持っているのか分かりませんが、ワタシ的には結構面白く、この本を読ませて頂きました。

このエッセーのタイトル、「海馬」から漢方薬の話に広がり、「生薬の海馬も真っ白いものは漂白されているケースも多いですからね」と釘を刺しつつ、補腎の話へ。難経が出てきたり・・・、そうそう。難経で思い出しましたが、六然社から年内ぐらいに発行予定がありますです。著者は池田政一先生。ついこの間まで編集し終わったのがまだ23難とか本屋さんは言っていたのに、何故かもう80難。恐るべし、ハイスピードであります。ワタシが出勤している間は、歩いてすぐの所へ納品に行ったまま神保町の本屋巡りをしてたっぷり本を買い込んで戻りが2時間後とか、お客様とお話が弾んで「あれ?もうこんな時間」とか、本業(パチプロ?;笑)へ行って閉店まで帰ってこないパターンもあり、どうも、夜中が一番活動的な脳みその状態であるようで、大抵朝まで仕事をやっているようです。一体いつ寝ているのかなぁと不思議に思います。もしかして、本業から戻った後にゴロンと寝ている1時間以内が全てではないのか?!という疑いも捨て切れません。夜中の何時にメール出しても即レスだったりするし。

今回の講義では「千島学説」も出ましたねぇ。現在の生理学から見ると、甚だナンセンスな学説なのですが、愛好家はかなりいるそうです。特に鍼灸師の中に。簡単に言ってしまいますと「腸造血説」なのですが、その論拠に、戦争で手足を失くした方々を観察しても、総じて皆元気であるのは腸で造血しているからだ、というものがあったりしますです。つまり、人体を構成する部分の大きな骨を失くしているのですから、骨髓での造血説を否定できる要素であると言いたいのでしょうが・・・。どっこい、本屋さん曰く、「手足を失っても、世間の目に付く所で生きている人は元々丈夫なだけ、死んじゃった人は表に出てきませんからっていうことを忘れちゃダメですよ」。騙されやすい鍼灸師が物事の見方を学べる画期的な講座です(笑)。そういえば、講義後も井穴刺絡について質問されている方がいらして、「井穴刺絡をしたら熱が下がったんですが、小指からの出血が多かったのはやはり経絡的な病証から考えて……」という質問に「それはもちろんあるかもしれないけど、小指の皮は薄いから!」って答えているのを聞いてしまいまぴた。なんでも経絡に持ち込んで結論を出しがちな鍼灸師の世界観を「世界観が大事」と言いつつ、ちゃあーんと一歩下がって冷たく見据える視点……これが本屋さんが嫌われる理由でもあるんですね(笑)

千島学説は置いておいて、本屋さん自身が「脾臓=統血」を生理学的に理解した出来事についてお話されていました。この内容は、ワタシが学生だった時にも伺っていまして、その後、病理学の教科書にそれを裏付ける文章を見つけたときは思わずアンダーラインを引いてしまったことを覚えています。

脈診の話も出ました。人迎気口診の内傷と外感の見分け方でしたね。本屋さんは、治療中脈を診ないことも多いのですが、見る方に限って「やっぱり内傷だ」とか呟いてます。脉を診なくても判別できる要素をいくつも持っていて、確認のためにちょっと診るか、って感じを受けます。  実はワタシの母校は経絡治療の六部定位比較脈診を、割とどの先生も義務付けていたので、脈を診れば「○虚かなぁ」と悩む羽目になります。本屋さんの「経絡治療の六部比較脈差診はそもそも破綻している」説をしょっちゅう聞いていると、原理原則が先生方のご都合主義で本当にいい加減なのが分かるにつれ「肝虚でまず取ればいいだろう」となんだか診る気も起きなくなってくるのです(人のせい:笑)。しかし、一旦診始めると、「いや、これは○虚じゃなくて△虚だね」と先生方に否定され続けたトラウマ(笑)が顔を出し、「う~ん」と悩み続けて、「どこか悪いですか」と患者さんを心配させる事になります。この、比較脈診の恐ろしい所は、自分の中で勝手に断定し始める所であると思います。4つの虚しか選択肢はないわけですから、思い込みによるアテハメ率が圧倒的であろうと自分の中では行き着きました。ある時期、ワタシは脈が分かった気になりましたですよ。先生との整合率も高くなりましたし。でもそれって、各先生方の《読むくせ》が分かっただけなんだと今では思います。  因みにシュガイザー先生はしっかり脈診をします。先生の説明を聞くと、もっと広がりをもって解釈してもいいのかぁと、脈を診る気になります。本屋さんも言ってます「長野先生は本治法ができる」「ああいうのをやられると脈診って本気で取り組んでいかないとって思うよなあ」って。本屋さんはどうなんですか? って聞いてみたところ「僕は出来ません、究極の標治は本治を必要としないんじゃないかって方向でやってますから(笑)」と自嘲気味に言ってましたけど、どうだか……。シュガイザー先生は、上焦、中焦、下焦として診るとか、比較脈診に於いても、検脈毎にどう体内のバランスが変化しているのかの解説が面白い(やっぱりね)。先日、シュガイザー先生が本屋さんの治療をしているのを見学させてもらいましたが、何度かの検脈の最後で「肝が浮いてきたので目で治そう」と言って(先週16日の真っ赤な目の本屋さんの姿を思い出せる方も多いかと思いますが)、目の周りを軽やかに散鍼、散鍼、散鍼!。 現在アメリカで大流行(しつつあるらしい?)の「アキュフェイシャル」ってこういう技術が有る人がやれるんだろうなぁと、美しい動きにため息が出ました。とりあえず祖脈から診るようにして、シュガイザーチックに自由な置き換えもこなせるようになれたらなぁと思っている今日この頃です。

さて、講義にお話を戻します。「お土産」と言って、毎回本屋さんは臨床にすぐに使えるツボの運用を幾つか教えてくれます。今回は中府近辺の圧痛を肘より先のツボの切皮だけで取る方法。「こうした患部を弄らずに患部の症状を変化させる事が出来れば、患者さんを騙せるでしょう(笑)」と本屋さんは言います。今回の方法は、関西にいらした合田幸平という先生の言われていたことだそうです。そういえば小児鍼の大家である谷岡先生も学生時代この先生に習っていたそうで、谷岡先生の子供との付き合い方のルーツも合田先生の本に散見出来るとの、超レア情報も頂きました。

鼠径部の痛みにはこの2穴とか、ペインクリニックの概念が出て来たことがいかに画期的な医療の思想的進歩(つまり今迄「単なる一症状」でしかなかった「痛み」それそのものを「病態、つまり治療の対象とした」ということ)であったかと言う事や「シャドウワーク」を唱えた「イリイチ」という思想家の話とか、どんどん大腸経から離れていきます。是動病と所生病の説明(次回に持ち越し)、お勧め図書『勘の研究』、『医学禅』、『蔵珍要篇』まで出てきて、残り時間がわずかになっても大腸経は終わりません。国民性の違いは数字に表れるといった話では、インドは3つ、韓国は4つ、中国は太極から九宮までの9つ、日本は1つが大好きなんだとか。だから「万病一毒説」「万病一如」「一気留滞」といった概念が生まれるそうです。へぇ~と皆さん猛ダッシュでメモを進めていましたね。

「知識は人を救う」という、24時間テレビの標語のような発言が。自分が楽になるために勉強はするんであって、世界観を狭くしてどうすんの?と。なるほどなぁと思います。人生全般に通用しそうな標語ですが、これは鍼灸師にとっての基本中の基本、八綱弁証の説明で仰っていた事です。何故八綱から分類するかと言うと、その後の選択肢を楽にする為……、難しい事を沢山憶えるのが弁証論治じゃなかったんですね。目から鱗です。

あ、それから、今年も多賀フォーで講演される、シュガイザー先生が《最も恐れる読者》と言われている、森ノ宮図書室の横山先生に本屋さんが「勝てないな」と思った瞬間の話とかもマニアック過ぎでした(高校生時代に本屋さんがちらほら読んでいた『エピステーメー』という学術雑誌を横山先生も全巻持っていたらしい)。横山先生のお話は、これまた理路整然とされて、無駄な感情移入がない「完璧な講義」という感じです。しっかり整理された濃密な情報が満載ですよ。去年のお話は圧巻でした。講義録が早く本にならないかなぁと思っています。以下に今回の多賀フォーご案内の横山先生が担当される箇所を転記しておきますね。

明治大正期における近代化の文脈を、「催眠術」というフィルターを通して俯瞰した後は、医史学的な指定発言が3題続きます。第1は、昨年の「霊術に関わった鍼灸家」の列伝が好評を博した、横山浩之先生による「近代化の中の鍼灸界」について。前回よりも広角レンズで明治維新以降の鍼灸界を一望してもらいます。催眠術と鍼灸の意外な関わりも顏を覗かせます。注意しておきたいのは、「近代化」イコール「科学化」ではなく、今に繋がる「古典主義」も「近代化」の産物だということです。

とまあ、今回はこの辺りで書くのを止めようと思います。際限なく書いてしまうので、仕事が終わらない~。

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2006年8月22日 (火)

8・16 唯掌論 感想

6.7.8月と月に2回~3回のペースで開催された長野仁先生の講演の締めくくり、《唯掌論》が終わりました。

今回は4時間の中で、前半を長野先生、後半を寄金氏で担当していただきました。実際は3時間を長野先生、それを引き継ぐ総括も含めて1時間を寄金氏という時間配分でありました。お盆真っ只中なのに、多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました!

そもそも《唯掌論》を考え出した経緯から説明がありました。今までも掻い摘んで聞いていた部分はあったのですが、古典鍼灸研究会、日本鍼灸研究会、経絡治療学会を経て辿り着いた境地が、「痛くなく、熱くない鍼灸」と、「散鍼」と、「気」ではなく「手指という肉体」の鍛錬だったそうです。長野先生は「気」という言葉を使って片付けるのが嫌いだそうです。「気」と言う概念は非常に便利な活用ができるのを多くの鍼灸師は既にご存知だと思われます。「気が分からないお前が悪い」といった高圧的態度で臨む先生も随分お見かけしますが、個人の感覚であって他人には推し量ることでしか認識できないものですから、「学生が先生に気を使う」方式で、「気」の存在は治効の誤魔化しの常套手段に使われています。それと違って、手指の鍛錬は「目に見える」、具体的極まりない筋トレなのであります。誤魔化しが効かない部分ですから、取り組んだ人が得られるものは一目瞭然です。

当初、散鍼が上手くなるための手指の開発だったそうですが、これがどんな技にも応用が利くことが分かったそうです。《唯掌論》の前は《マンダラスパイラルトレーニング》と名づけていたそうです。9つの型があるので、マンダラ。スパイラルの由来は押手と刺し手の練習法を組み合わせると、大日如来の印を組む形が出来上がります。そこから生まれる螺旋運動(スパイラル)のエネルギーで患者さんを挟み込むようにするという「気持ち」を含めるといいでしょ、ということのようです。先生は軽く仰いましたが、これってすごい理由付けだとワタシは思うのです。今まで「スパイラルをイメージして鍼先にエネルギーを送る」という類の説明をされた先生は数人いました。が、それのルーツがどうしてもアメリカ西海岸系のヒッピーライフのを祖としている感じでして。鍼灸とスピリチュアルの融合って事なのかもしれませんが、なんだかとってつけた現代の解釈という気がしてました。今回の「大日如来」の方がワタシ的には納得いきましたですね。2000年続いてきた鍼灸が仏教と密接に絡み合ったある時期に取り込んだ概念を、平成の医学考証人シュガイザーを通して表に出たって感じでした(笑)。因みに、「先生は鍼を刺しながら、スパイラルをイメージして念を送るぞ、う~んっ。ってなことしてるんですか?」と伺ってみた所、「しません」とのお答えでした。

さてさて。《唯掌論》は1~9の動きで構成されています。良く出来たもので、夫々の動きの中に1~9の数字が形作られるのであります。「これって、偶然ですか?」とのワタシの問いに、「後付けです」とあっさり答えられましたが、練習する方にとっては非常にありがたい。現在はテキストなるものはありませんから、自分の記憶とメモが便りです。なので、順番を思い出しながらやっていけばいいので助かります。あ、ただですね、裏DVDがあるんですよ。別に裏じゃないですけど(笑)。去年の多賀大社フォーラムでは販売していましたね。2000年度に撮られたものです。和方鍼灸友の会会員のみ購入可能な受注生産、1枚5000円也。欲しい方は六然社までお問い合わせ下さい。

1~9の動きには独創的な名前がついています。誰も引用したがらないようにという、素晴らしいコピーガードが付いているわけです。「貴様は誰だ運動」、「ちょっとモジモジ運動」、「キツツキついばみ運動」・・・ナドナド。もっと過激な名前もありますが、一応控えましょう(笑)。

1から順を追っての説明ですが、この《唯掌論》は散鍼が出来るために作られたものなので、散鍼を見た事がない方の為に散鍼実技披露が急遽加わりました。いやぁ~、長野先生の実技の説明も非常に分かりやすい。「こんな感じ」というのを極力排除し、最大限の言語化をしてくださいます。学生が技を習得する心掛けとして、丁寧な説明が良いのか悪いのかという論争も有りますが、それはさておき、とにかくこれ以上整理された説明には出会わないだろうなぁという気がします。鍼灸の教え方は、とかく、個人の感覚の世界で語られることが多いので、その先生の使う言葉の癖から理解しなくてはなので、やっている事の理解に結びつくまでに結構時間が必要だったりします。

散鍼の補と瀉の動きの違いを見せてもらいました。動き一つ一つを細分化して解説されるので、一回参加しただけでも随分とエッセンスがもらえます。ただし、本屋さんがココで注意を呼びかけたのが、「なまじ器用な人程中途半端に動きを真似し始める事が多いですが、基本をきっちりしてからでないと、単に爽快なだけの散鍼バッタモンになりますよ」とあせらず、地道ぃにやっていく意義を言われました。早く指を動かしたい衝動に駆られるのは分かるのですが、半年手指の練習をすればある程度の域から動きを体得できるので、その方が近道だとのこと。モノへの取り組み方全般に通じる気がしました。実際に本屋さんが半年教えた学生さんがちょっと披露してくれましたが、殆ど動きは出来ており、2年生でコレだけ指が動くのか!と驚愕している参加者もチラホラ.

流れの中で、弾爪のやり方(これが非常に美しい!音もね)と、井穴を見つける指の作り方と実際に井穴の場所の取り方のポイントを教わりました。「こうやって」的な説明を受け続ける100回と、今回の1回の比較でしたら、ワタシは長野先生の一回を取るなぁと感激しながら3時間を過ごしていました。

ラスト1時間は、本屋さんの出番でした。長野先生の講義を受けて、大日如来の真言に「五大(五行)」が含まれている事と、五体身分との解説をちょっとされた後、短時間ではありますが、東洋的視点の体の使い方を中国語四文字熟語に乗せて、要点を確実に抑えた説明をされました。アレキサンダーテクニック、フェルデンクライス、フォーカシング、センタリングといった海外から持ち込まれたボディーワークの考えやテクニックを観ていくと、元々東洋の武術の中には当たり前のように基本中の基本としてあるものが殆どだそうです。身体作りの時も再三に渡って「二目平視」などと注意をされるわけですが、たった四文字のくせに真意を突きまくってんなぁと、中国人のキャッチコピー作製能力に感心します。

本屋さんのお話は、話題がどんどん変わって行きます。上記の説明をされた以外に、トピックだけをメモしていたら20項目以上有りました。本屋さん自身、お話するためにメモを用意するわけでもないのに、最初から最後まで全然違う話題がいつの間にか一貫した流れに纏まるのはどうしてだろう??といつも思います。圧縮された時間とでも言いましょうか、さすが七味唐辛子を路面で叩き売りしていただけあって、口上がお上手で人を惹きつけます。

因みに、この日配られた本屋さんの資料は「五胴の体作り」のお話が載っているあの「一遍斎のツボに聞け!」第15話と鍼灸関係の古文書資料。この資料については長野先生も「知らなかった」貴重なものだそうです。この発言に、本屋さんはガッツポーズ。「長野先生がマークしていないものを自分が持っていた、っていうのは異様に嬉しい」だそうです。

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2006年8月15日 (火)

ニコイチの由来

よく、皆さんから《ニコイチ》ってなぁに??とお問い合わせがあります。薄々お気付きかもしれませんが、長野先生と寄金氏のセットを指しております。

今年の色体ちゃんの講座だったと思いますが、「僕と寄金さんはニコイチですから」との発言からスタートしました。ワタシも《ニコイチ》という単語を知らなかったので、どういう意味かを聞いて見ました。それはアウトレット商品などにある、「今なら2個セットで○○円!」という在庫処分形式を指すそうです。某先生の御指摘では、問題のある車やバイクの二台から部品や骨組みを合わせて一台を作り上げ売っちゃう時に使うあんまりいいイメージじゃない言葉だったりするらしく、こうしたあたりも自虐的でいいなぁと思いますが、《ニコイチ》の意味合いとして「我々二人は鍼灸業界にとっての大して必要ないもの」という定義を含まれているようです(笑)本屋さんは常々言ってますね、「僕も長野先生も面白がっていろいろやったり言ったりしてるけど、誰にもついてきて欲しいなんて言ってない、自分たちの足で立て! って言ってるだけなんだ」って。

この夏開かれる色々な学会・研究会の内容を見回すと、和方鍼灸友の会の《多賀フォー》は異色を放っていますねぇ。まず、会場が神社ですから。既に参加された方はどういう場所かご存知だと思いますが、この多賀大社は伊勢神宮に祭られている太陽神、皇祖神でもある天照大神のご両親にあたる、人間万物の祖である伊邪那岐神・伊邪那美神を祭っているのであります。はぁ~言えた(笑)。世の常識を持ち合わせていないワタシはですね、今回の多賀フォーで「興教の祖・覚鑁の身体論と身体技法」をお話される正木晃先生《宗教学講義》シリーズを通しまして、ようやくこの手の部分がなんとなく分かってきました。以前本屋さんが「三千世界の俗物が水洗便所の音とともに下界に云々・・・」と話をされた時に、「サンゼン?ってなんですか??」とうかつに聞いてしまった所、「えーっ? 、こんな所から説明を始めなきゃいけないの?? だからつまんないんだよなぁ 話が通じない人に教えるのは……」とため息と共に、本屋さんお得意の《勉強会やめますボタン》をあわや企画者自ら押してしまうといった、あるまじき自爆行為を犯しかけたこともございます。話がそれました。

昨年は早朝に到着して、荷物を下ろすまでに境内をお散歩しましたが、お天気だったこともあり、とってもすがすがしい空気でした。周りに高い建物なんて一切ない場所柄ですから、青い空と神社と周りの木々の緑が織り成す風景の中でずっとボーとしているのもいいなぁと思える心地良さです。深夜バスでいらした方が早くからお茶屋でせせらぎを見ながらボーっとされていましたが、早く着くのもいいなぁと思える場所であります。こういう所での勉強会は都内のビルの中に篭って行われる会と根本的に感じるものが違います。浄化されてゆく気分ですよ。「藤村滋権宮司」を偲びつつ、「多賀法印」の慰霊、そして弥曽以知の入魂式、とこんな静謐なイベントがある鍼灸の勉強会って他にありえませんです。

2日間の中で、一流の先生方の技と理論に触れ、鍼灸の歴史にまつわる周辺知識を、業界にこだわらずその道の第一線の研究者に聞く……、日本に入ってきて約1500年という《鍼灸》を学ぶにあたっては、時代時代の鍼灸に関わった人々の物の考えといった背景を知っておくと、なんだかより身近なものに感じられて楽しいなぁと思います。

さてさて、今年の多賀フォーラムのお申し込みは8月25日が締め切りです。毎年、締め切りを過ぎたり、当日参加などもあって、てんてこ舞いです(笑)。お席の確保という基本的なこともありますが、なにより懇親会、お昼のお料理のご用意が当日では無理なのでございます。例年2、3の予備とスタッフの分を減らして対応していますが……。お給料日が締切日となる方もいらっしゃるようですが、万が一期限に間に合わないようでしたらご一報下されば対応させていただきますデスヨ。

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2006年8月12日 (土)

一生の仕事量

先日、シュガイザー先生と本屋さんは昆健一郎先生のお宅を訪問したそうです。多賀大社フォーラムの打ち合わせと、六然社より発行準備中の本の打ち合わせを兼ねてのことです。

今回の訪問後の感想をお聞きした所、本屋さんはいたく感激されていました。今まで地道に手に入れていた昆先生の本だけ見ても、「すごい仕事を70年代にやっていた先生」と説明されていましたが、実はもっともっと仕事をしていた!!ということが分かったそうです。

本屋さん曰く、「思わず長野先生に言っちゃった。もっと仕事しなきゃダメですよって」。あれだけ論文を出しつつ、患者さんを20人以上殆ど毎日一人で診て、森ノ宮での1日の授業は8コマとか・・・、そんでもってずっと休みなし、そういう常人離れした長野先生に向かって「もっと仕事しないとね」と言える本屋さんもすごいですけど、この言葉から想像するに、これはとてつもない気がするのであります!!長野先生だってひれ伏した(話の筋から勝手にワタシが妄想するに・・・)ぐらいの驚異的蔵書量。平屋一軒分が書庫だった、という話ですよ。そして、古典の翻訳をしているだけじゃなく、自分でまとめて表にしている辺りのきっちりした仕事とときたら、今まで見たことがない部類の、有り得ない仕事人だそうです。

特に『古今方彙』を見せながら、ちょっと興奮して「ただ訳したり解説したりしてるだけじゃなくって、ちゃんと表をつくって、整理してるんだ、これは中身を咀嚼する程相当理解してないと出来ない仕事! って絶賛してまぴた。 『古今方彙』って知らなかったワタシがきいてみると、本屋さんは、「乱暴な説明だけど…」、と前置きした上で、『万病回春』を日本的にアレンジした江戸時代の代表的な処方集で甲賀通元(健斎)によるもの、後漢から唐、宋、金元時代や清朝初期までの多くの医書から多くの処方を集大成したもので、基本的には温補派の考えなんだけど、日本人や風土や習慣に合わせ、寒涼・滋陰・瀉下の薬や、オリジナル処方へ加減方法に著者独自の工夫が見られる、との事です。仁和寺秘蔵の『太素経』を模写したことで有名な尾張の浅井家では、『方彙口訣』という、『古今方彙』の解説口訣集を出しているけど、昆先生の和訳解説は鍼灸の視点からの解説も入っていてそれを凌ぐ仕事だそうです。(ちなみに本屋さんは浅井家のファン。だから六然社には『金匱口訣』があるのです)。

そういえば、今週兵頭明先生と飲んだ時にも本屋さんは昆先生の本を数冊持参していました。さすが、兵頭先生です。昆先生のペンネーム〈昆豊仲〉をご存知で、「衛生学園の図書にもあるねぇ、茶色の・・・」と即答が返ってきました。昆先生の仕事がもっと一般化していたらと思うと、兵頭先生ももっと進んだ所から仕事ができたのにっていう話題が続きました。鍼灸業界は本当に無駄骨ばかりで、先人の仕事を引き継がないで進歩が全然ないそうです。いつもゼロからのスタートで、だれもが発見者みたいな態度っていうのも気に食わないと本屋さんは言っております。ただ単に勉強不足、リサーチ不足なだけなのにって一緒に嘆いていました。昆先生について兵頭先生も「70年代に鍼灸処方集を作っていたなんて、世界初だと思うよ」とかおっしゃってましたし(本屋さんは以前、石川家明先生が中心になってつくった『臨床鍼灸処方の実際』という本を作っています。「日本初の処方集」だと思って結構誇りに思ってたけどこんなに前にやってたんですねえって嬉しそうにいってまぴた)。その他「昭和鍼灸っていうのは、関東なんかどうでもよくって、関西エリアに抜きん出た人物が相当集まっていたのにねぇ。結局、柳谷素霊はある程度きっちりしたことをやりたかった節が見えるけど、竹山さんが悪いんだね。関西の情況を全然リサーチせずにメディア戦略を推し進めたからねぇ」なんていう、「へぇ~」話がどんどん出てまいりました。余談ですが、小野文恵先生が接触鍼をする前に使っていた鍼も中国鍼同様に太かったとかも聞いちゃいました。鍼を変えていく毎に患者さんのタイプが変わっていたそうですよ。

現在ワタシは昆先生の『金鍼梅花詩鈔』のテキストチェックをやらせて貰っています。例えば、今開いているページの註解には『霊樞・五禁篇、順逆篇』『素問・長刺節篇』『標幽賦』『保命集』・・・・といった文献からの引用として、「コレコレにはこう書いてあって・・・」と説明が続くのです。今の感覚では、パソコンに向かって検索をかけちゃえばキーワードで引っ張れますが、昆先生がこの仕事をされていた時代って言うのは、こんな文明の利器は存在しないのですからねぇ。頭一つ、本を引き引きやってこられたんだろうなぁと想像するに、「人間が一生にできる仕事量のマックス?」と思わずにはいられません。一層、多賀大社の講演が楽しみになりましたです。「イメージとしては老中医そのままの風貌」だそうです……。

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2006年8月 9日 (水)

8月3日 ツボエクササイズ講座 感想

ツボエクササイズDVD発売を記念し、8月3日に実用講座が開かれました。NHK 教育テレビで放送されていたものがDVDに収まり、これでいつでも見ることができるようになりましたです。再放送も結構やっているようですが、長野先生には事前連絡がないようで「先生、見ましたよ!」って患者さんから教えてもらうケースが圧倒的に多いそうです(笑)。

この日の先生は、テレビ放送と同じユニホームを着用されていたのをお気付きになりましたか??会場へ出かける前に「ちゃんと持ってきました」と事務所で教えてくださいました(笑)。ここら辺、サービス精神の旺盛さが垣間見られます。因みに、多賀大社フォーラムの前座ではシュガイザーヘルメットを着用して、『新日本鍼灸学会草紙』の表紙のポーズを決めてくださる予定だそうです。これは是非とも見たいデス。なので、東京からの出発チームは①深夜バス、②始発新幹線、③前泊と覚悟を決めてお出かけ下さいませ。

さてさて、既にツボエクササイズは2冊の本が出ておりますが、実はナカナカ手に入らない代物(特にvol. 1)と化しております。どうにかかき集めて25冊ずつ販売しておりましたが、あっという間に完売でした。あの場で手に入れた人はとてもラッキーだったのでございます。

ツボエクササイズを考えられた経緯などもご説明頂いて、いよいよ実地訓練へ。《朝ツボ体操》、《昼ツボ体操》、《夜ツボ体操》の中から、《朝ツボ体操》を中心にご紹介くださいました。それにしても、良く考えられています。「気血水を整える」というテーマの裏にある東洋医学の世界観がこれまた面白かった。陰陽五行説、色体ちゃんを受講されている方には復習にもなりましたが、天地の気が人体に対してどういう方向性で作用するのか、経絡と臓腑の関係から一日の血の流れを抽象的な図で表現、色体ちゃんの中からは《肝ちゃん》の作用を説明されました。「肝臓の血は出不精」という一言なんて、なるほどぉと思っちゃいます。

それから、《美しい 腹の割合 八対五 向上身の 傘差し行かん》の解説。猫背は背中が丸まってしまった印象ばかりが強いですが、お腹の傘が閉じてしまっているものと考えると臨床の幅も広がります。普段の姿勢でも、ついつい季肋部が折れがちになってしまいますが、八対五のバランスを維持する心がけで随分と変わると実感しています。まぁ、この時に背中をそらさず、脊中起立筋をフリーにするとか、骨盤の位置だとか、鎖骨と胸骨の位置関係、胸鎖乳突筋をどうするなどなど、注意点は沢山あるのではないかなぁと、日頃、本屋さんの身体作りを習っている者としては連想ゲームのように繋がっていく楽しさがございます。講義の度に、長野先生や本屋さんに教えていただいている《世界観》がリンクし広がっていきます。今回の「お腹に傘を差しましょう」を切り口に考えると、上焦、中焦の容器が狭まることで出る多くの症状を、患者さんが自分で治していくきっかけになるんだなぁと理解できまぴた。容器が圧縮される方向性を考えると自然とどういった症状が出るのかといった部分が出てきますね。素人さん向けに考えられた内容ではありますが、考えた人がシュガイザー先生ですから、DVD、テキストを読み込んでいくと鋭い視点が随所にちりばめられている事に気付いてまいります。ただ、今まではざ~っと見ていただけでしたが、解説を聞いてみて「そうか!」というすごい発見がありました。って、私が存在をど忘れていた内蔵の配置でした。恥ずかしいので書きませんけど。。。

サブタイトル 維踵論ゆいしょうろん(長野奇経理論)の説明もございましたね。足から起こる奇経、維脈&蹻脈の走行について非常に重要なヒントを頂きまして、ただ今手近にあった『肉単』、『骨単』をシゲシゲと眺めて確認中です。ただ、動的な視点であるのでこの本じゃ、ちぃとも用が足りません。今まで奇経の走行図を見ても、「何で奇経って作られたんだろう?」と、サッパリ分からないことを理由に存在を無視してまいりましたが(笑)、体表に線をいくら引いてみてもナンセンスだなって事が分かって大収穫でした。キーワードは出してもらったので、後は自分で勉強しなさいという事でせう。

そうそう、鍼灸師には欠かせない、上半身を決定的にほぐす体操を教えて下さった際に、本屋さんからダメだしが出ましたね。いつも考えさせられるのは、「適当にやるなら、やらない方がマシ」という視点です。体を中から開いてゆくのですから、結構大変な動きなのですが、角度が違えば全違うわけですねぇ。ワタシの体はその軌道に乗りきれない硬さを十分に持ち合わせておりますが、本屋さんの言わんとすることは身に沁みました。

今回の講座を終えて思うのは、やはり《正しい姿勢》っていうのは本当に大切なんですね。『「赤ちゃん」の進化学』西原克成著 日本教文社 1333円  にも書いてありましたが、「小さい頃のしつけとは、身体の正しい使い方を身に付けさせるためである」という内容を思い出しました。明治生まれぐらいまでの日本人の身体の使い方って、すごい理に適っているんだなぁと改めて実感。健康作りはサプリメントを飲むような受動的なものじゃなくって、能動的に体を動かしながら産み出すものなんでしょうねぇ。本屋さんは治療の際に患者さんから「これから何を注意していけば良いですか?」といった質問には、必ず「身体を動かす事を厭わないで下さい。なるべく歩いてください」と片付けています。余談ですが、この数日徹夜状態で目の下にたっぷり太ったクマちゃんをスクスクと育ていた本屋さんですが、武術の稽古を終えて帰ってきたお顔からは黒ずみは消えませんでしたが、クマちゃんはすっかり消えていました。こんな状態でよく稽古に行くよなぁ、寝た方がいいんじゃないのと思うわけでございますが、着ているものがビチャビチャになるくらいの相当量の汗をかくことも秘儀の一つのようです。

さてさて、参加された皆さん、お持ち帰りになったDVDはご覧になりましたか??待合室で掛けっぱなしにしておく、というアイデアを仰っていた先生もいましたです。一回5分ですからね。座ったままでできる運動ですから、待っている間にやってもらえますし。ここでですね、本屋さんが言う「患者さんが勝手に誤解をする関係者」を気取ると楽しいかもしれませんよ。流している映像の横にDVDをまとめて10枚ぐらい(厚みが必要)置いておくと、「先生、このツボエクササイズと関係があるんですか?」と聞かれること請け合いです。六然社には在庫がございますのでお早めにお声をお掛け下さいませ(笑)。

さて、恒例の感想文。

昨日はありがとうございました。

寄金さんのワンポイント注意などもあり内容の濃い勉強会でした。長野先生の予告通り翌日筋肉痛きました。16日も楽しみです!

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本日はすばらしい会に参加させていただきまして本当にありがとうございました。
長野先生の唯掌論に触れたのは今日がはじめてでしたが、4月に○○校に入学してから、前期を通じて、

自分の体作りについて気になっていた所でしたので、とっても良い経験になりました。

16日の講義には残念ながら参加できませんが、本日教えていただいた事を元に、継続して練習をつんで行きた

いと思います。良い機会をお与えくださり、本当にありがとうございました。また機会がございましたら、参加させていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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今日は黒忍者のダメ出しが効きました。

ではまた、よろしくお願いします。

 

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2006年8月 4日 (金)

7・29,30 本屋さん講義 in京都

学生交流会主催の勉強会が週末開かれました。前回に引き続き≪奇経≫のお話です。

といっても、やっぱりなかなか奇経の話が出てきません(笑)。今回は講義の後に巨鍼と散鍼の実技披露と体験の時間があったこともあり、最初に散鍼流派のお話を。『鍼灸の挑戦』の本の中に、本屋さんの散鍼は「井上式の」と紹介されていますが、この経緯を細かく説明されました。駿河流→大阪の藤井家へ。但し、臨床で使いこなしていたのはココで働いていらした中村さんという女性のだったそう。この中村さんから習った井上恵理先生の名前が有名になり、≪井上流散鍼≫と現在定着しているそうです。そして、シュガイザー先生が習った井上流散鍼を本屋さんが習ったので、井上流と肩書きが付けられている模様。本屋さんとしては、〇〇流というのは名乗った瞬間から一人歩きする怖さを孕むと言いたかった模様です。言ったモン勝ちってことでしょうか。

今回は学生交流会ですから、殆どが学生さんです。関西ですから、本屋さんのお話を聞くのも初めてという学生さんも多く、こうなるとやはり「鍼灸学校は可と不可しかない」というお話が始まるのでした。また、鍼灸師をすし職人に分かりやすく例え、接骨院で働く鍼灸師の多くは虚しいスイッチマンでしかなく、回転寿司同様、いかに患者を回すかがポイントになる現実を理解していますか?と。

サブタイトルが「学校で教えてくれない・・・」と付いていますから、ダメダメ教員の特徴を列挙。①鍼灸学校の教員は日本で唯一高卒でなれる教職。②その後2年間の専攻科へ進むだけで試験なしで教員資格が取れる。③就任時から臨床応用実技を教えている無謀なカリキュラムの学校も実際にあったそう。どうして、応用ができるの??

①、②については学歴が無いことを指しているのではありません。学問として取り組む姿勢が感じられない、つまり勉強、鍼灸が好きではない人間が多いのだそうです。安定収入を選んで教員をやっているタイプの教員から出てくるものは熱意がありませんし、自分が面白いと思っているわけじゃないので授業自体が面白くないに違いない、と。本当に鍼灸を面白いと思ってやってらっしゃる先生方とは全然違いますよね。六然社から出ている本の先生方は、夫々自分の鍼灸の世界観を確立してきた先生です。ですから、学校の教員の極々小さい鍼灸の世界が全てだと思わないで欲しいと思って、本屋をやってらっしゃるようですよ。

さて、皆さまの学校に「素晴らしい、出会えて良かった」と思える教員がいたとしたら、それこそが奇跡に近い現実なのです。全国の専門学校を通して見ると、確率的には素晴らしい先生に出会う方が断然低いそうです。新設校の悲惨さばかりを耳にしますが、自称伝統校だってしがらみから逃れられない自縛的限界があるんじゃないですかねぇ。

本屋さんが学生だった20年前は≪デストロイヤー≫と呼ぶ人もいたそうで、何年間にも渡って自分のノートを黒板に書き移すだけの授業を平気でやる教員、教科書を「皆さんで読んでみましょう」と読み上げるだけの手抜き授業をする教員等、オームの法則も知らずに電気について語る講師など、数人を糾弾、そのうち3.5人位はお辞め頂いたとか。シュガイザー先生もそうですが、普通の教員では考えもしないだろうサービス精神を発揮していらっしゃいます。講師の報酬を学生一人一人がどれくらい支払っているのかを計算した所、レンタルビデオ一本ぐらい。「だから、レンタルビデオ一本分の感動を与えないとイケナイ」と頑張ってるそうでございます。まぁ『コアラ課長』というようなマニアックなB級作品から超大作まで色々ありますから、どこに標準を合わせて「感動」を与えるのかは難しいかな??でも、終ったあとの参加者のお顔を見ていると、超大作をメイキングシーン込みで見せて貰って得しちゃった、みたいな満足感を出してましたねぇ。

『新日本鍼灸楽会草紙』に出てくる、覆面座談会のイニシャルトークを実名報道(ディスポの鍼を使い回していたO先生とか、食も女も食い逃げのO先生とか、毎学年の女生徒を毒牙にかけてるT先生とか……)。皆さん学生さんだから、「えぇ、あの有名な先生が・・・」と一様に衝撃を受けておられた様子。「有名だから偉いんだ、すごいんだ」と思い描き易いのが我々日本人の欠点でありますが、その人物のいろんな面を知っておくのは大切な事です。それも含めて師事するのがいいじゃないかっていうのが本屋さんの意見です。よく誤解されますが、決して相手を馬鹿にしているわけじゃなく、正々堂々と面と向かっているって態度をお分かり頂けない模様。相手が視線を合わせずに逃げ腰になっているので、傍から見ると一方的に攻撃(口撃)している図になるみたいですね。伝統鍼灸学会や全日本鍼灸学会で販売禁止が通達された理由が正式に『全日本鍼灸学会雑誌』の紙面に掲載されていましたが、なんと「表紙が似ていて紛らわしく、間違って購入されると迷惑が掛かるから」という、参加者に対しての気の効いた配慮だったそうですよ(笑)。随分とまた親切ですねぇ。でも、先ず、誰に(どこに)迷惑がかかるというのでしょう?  買った人?  学会?  六然社? 論旨が曖昧すぎますねえ。 だいたい、『全日本鍼灸学会雑誌』って小売りしてないのに(笑)。 つい最近も「あの禁書はいったい何処で買えるのでしょうか? 」 という質問がありました。 『新日本鍼灸楽会草紙』は、     ここでも    ここでも    ここでも   ここでも 購入出来ます(笑)!

そういえば長野先生が返金した7万円が全日本鍼灸学会の会計報告に全く計上されていないのは一体何故?  もしかして闇から闇へ? それとも例によって誰かさんが着服?  そういえばシュガイザー先生が以前、素晴らしい替え歌を歌って下さいました。 デビルマンの替え歌でした。……♪誰も知らない知られちゃいけな〜い。 使い込んだの誰なの〜か〜、誰も触れない、知られちゃいけない〜、使い込んだの誰なのか〜、今日もどこかで◯●× 今日もどこかで ◯●×〜♪ってね(笑)。

こんなことを書いていたら、たった今『新日本鍼灸楽会草紙』の電話注文が来ましたよ(笑)。話が横道にそれてばっかりですが、もっとイイコトいっぱい言っていたんですよ。長くなりましたので、詳細は割愛させて頂きますが(笑)、前回より詳しく李時珍についてと道教について、『周易参同契』の紹介、気口九道の脈と奇経の関係、身体の三陰三陽のつなぎ目としての陰・陽蹻脉、陰・陽維脈、中心としての衝脈、一番大事な力の伝達経路としての陰蹻脈etc、etc、普通では絶対見れない某先生のマル秘ノートを回覧。それから、「姿勢を正しく力は入れずに」とか、散鍼を殆どの受講生へ実際にやってみせならがら、皮膚への触り方や鍼の出す長さと皮膚の状態の関係といった注意点。更に、希望者に巨鍼迄、ついでに具合悪い人や悪くなっちゃった人にはお灸でアフターケア。

翌日もパッと絵を書いて奇経の説明を終了。8月3日の長野先生のツボエクササイズでの奇経の話とリンクさせると、どう捉えれば良いのかって随分分かった気がします。ご両人とも説明時間は「短すぎるよぉ~」っていう一瞬でしたが、実はコアになる部分をしっかり言っていましたねぇ。あれで十分、あとは自分で勉強しなきゃってきにさせられた時間でございました。早速本を読み始めました。聞き逃せないわけでございます。

もっと沢山あるんですけど。詳しくは追々。《学生交流会のささやき》ブログにも載るでしょうから、そちらもご覧下さい。ってまるなげ〜

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2006年8月 2日 (水)

多賀フォーラム 予約制導入

お知らせしておりました通り、9月2、3日に開催されます多賀フォーラムへの受付を既に開始しております。(※詳細はこのブログの7月13日、14日をご覧下さい。)

ご入金完了の方以外でも、参加希望の声を多数伺っております。ありがとうございます。  ところで、代表小間使い・長野仁が多賀大社との打ち合わせをする8月10日に先方に懇親会の参加人数を知らせる必要があるのです。そこで事前に、ある程度正確な人数を把握できれば大変助かります。  現在、窓口3つ(長野&寄金&ワタシ)で、意思表明を伺っておりますが重複を避けるため、以下のようにご予約システムを設けましたのでお手数ですがご一報お願い致します。

尚、予約後したのにキャンセルをされる場合は是非お早めに連絡下さい。また、予約受付締切日を過ぎても余裕がある場合にはご参加可能ですので、お問い合わせ頂ければと思います。

既にお振込み完了の方、お振込みされたことをご報告してくださった方々は登録済みですので結構です。

①登録済以外の方で参加ご希望の方は8月9日(水)までに、こちらへご連絡下さい。

②8月25日(金)までに和方鍼灸友の会口座へお振込みをお願い致します。

~以下詳細~

  期:平成18年9月2~3日(土~日)

  場:多賀大社 参集殿 

522-0341  滋賀県犬上郡多賀町多賀参集殿直通

℡0749-48-1103  FAX0749-48-2029

http//www.tagataisya.or.jp

参加費:2~3日とも;会員限定)21,000円

受講料 ②2日:懇親会費 ③3日:昼食代 ④記念品代の総額です。 

※宿泊は各個人でご予約下さい。()彦根観光協会;宿泊のご案内 

 http://www.hikoneshi.com/syukuhaku_annai/index.html

3日のみ;会員)11,000円/(非会員)16,000円 

受講料 ②3日:昼食代 ③記念品代の総額です。

入会金:10,000円

締 切:8月25日  郵便振替にてご入金下さい 

記号番号:00130-5-351212  

名義:和方鍼灸友の会

連絡先:〒101-0051

東京都千代田区神田神保町2‐144 IKビル2F 

()六然社内 和方鍼灸友の会事務局 tel/fax 03-6279-5101 

記念品:

①『多賀法印流医書集成』第3集 A4コピー版  

※第1集・第2集の残部は実費(各5,000円)にて頒布いたします。 

②多賀法印流・多賀大社 絵はがき6枚セット

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