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2006年10月 5日 (木)

押手が甘い 続編

以前(2006年5月 7日 (日)をみてくださいね)、「押手が甘い」というタイトルで書いたことがある。その後押手に関して新たな発見があったので、そのご報告をしたいと思う。

それは、衝撃的な体験であった。今回もネタソースは例の如く本屋さんである。あまりに衝撃的で笑ってしまった。数回やってもらったが、その度に笑いが込み上げてくる。人は「未知との遭遇」において、笑ってしまうものなのであろうか。な~んて。本屋さんには「あんた、学校で何を習ってきたの?」と聞かれる始末であるが、母校以外の学校でもこんな押手に出会うことはないと思われる。是非、皆さんにもご体験頂きたいと思ってしまう。

その日は本屋さんが珍しく筋肉痛であった。あんなに忙しいのに、毎日武術の稽古は欠かさないようである。「時間の作り方が上手」、「能力が桁外れに違う」と安易に思っていたが、そもそも「根性」が違うのだと気付いた次第である。普通ならやる気にならないもん。「巨鍼の練習を兼ねて足に刺してみてちょうだい」と要請され、下腿にトライしてみた。承山から腓腹筋ヒラメ筋の筋膜を縫って膝関節を越えてへ大腿部へむけて打つと、膝関節痛などにテキメンに効果があるそうである。針先を皮膚に当てて、「えいぃっっ」と気合を込めても空回りして切皮できない。「太い鍼を刺す時こそ、前揉捻をしっかりやった方がいいよ」とアドバイスを頂き、自信を持って「1、2、3・・・」と数を数えながら右にグルグル10回。これが母校の前揉捻テスト方式である。

「ちょっと。そんなに皮膚表面をツルツル回してなんの意味があるわけ?」と、突如後ろを振り返る本屋さん。そうか、そうか。皮膚表面ではなくもうチョイ重めに筋肉までね、と再度挑戦。「1、2、3・・・」と数を数えながら右にグルグル10回。「本気でやってるの?」ともう起き上がっている本屋さんは、ワタシの三里付近にやってみせてくれた。

そのやり方は、ココに鍼をするというスジや硬結だけを捉えた前揉捻。周囲に1mmもブレることなく、確実にそこだけをきっちり押さえ、深部に加重が加わる。これだけで気持ちよい。強圧が嫌いなワタシであるが、所謂強圧とも違ったこの重厚な前揉捻は、昭和の鍼灸を感じさせるものである(なんだそりゃ、と思われる方もいらっしゃるだろうが、ワタシの個人的な感じ方と表現であるので気にしないで頂きたい:笑)。グルグルと深部へ進んだ力が次の瞬間、スジ&硬結を砕くかのようにゅぅっと一点に集中して押し込まれる。ここで笑いが出てしまうのだ。しかも、発汗作用もプラスされ三焦が動くぅ~のである。強烈過ぎるこの刺激に「こんなに強くやったら鍼しないでいいじゃないですか!!」と思わず声に出してしまった。「そうだよ。指鍼(ゆびばり)。刺さずに済むならそれでいいじゃん」との真っ当なお答え。そうかぁ。指鍼ってこういうのかぁと、今まで按摩の授業等で「ゆびばり、ゆびばり」ときゃっきゃ言ってグイグイ押していたのが青っちょろく思えた。

本屋さん曰く、この押手は滅多にやらないそうである。配穴を限定し、本当に少ないツボしか使えないような難病の人や、急性症状の時だけのお出ましだそうだ(陽経の経穴が主らしい…血海も取られたけど…)。だから今までお目にかかる機会がなかったのだ。それから、この押手は人差し指と親指で出来る満月がぴたっと皮膚に寄り添って隙間が全くないシュガイザー先生のマジックハンドだからこそ出来る例のスペシャル押手が捉えている世界観が自分には体現できないから、取りあえずこっち側でやってみてる、みたいなことも言っていた。それにしても、次から次に出てくる知識と技術の引き出しの多いこと、多いこと。しかも、鍼灸の分野に限らず殆どの領域を網羅されている。来年は本屋さんに「本屋に学ぶ本読み講座!(仮)」というタイトルで毎月テーマを決めずに鍼灸関係周辺領域のお話をしてもらうのもいいなぁと思っていたりするのである。経絡経穴の講義中でも脱線して面白い話に進んでいて、無理矢理経絡経穴の話に戻していたりするのだが、そのまま脱線して走ってくれることを望んでいる参加者も結構いて(アンケートを取ったのだ)、結局本屋さんは大まかなテーマを決めておくだけで、あまり限定しないで話してもらった方がいろいろ出てくるような気がするのである。その中には覗き込むのもちょっと憚られるような闇もあるけれど、ものすごく澄み渡った空もあったりして、人生経験の少ないワタシとしては、なかなか得をした気分なのである。それぞれの道のプロのお知り合いも沢山おられるし、特別ゲスト登場~みたいなのも是非やってほしいことの一つである。が、予告通りの「来年はやりません」を覆せない気もする(笑)。とにかく、第3日曜日の本屋さんの勉強会へ出席されている方の意欲と、講義の内容を自分なりに消化して取り組んだ行動次第で、本屋さんのお気持ちも動かせるのではないかと思われまする。本屋さんの講義内容はプロ受けと言うかマニア受けと言うか、すでに自分で開業していたり、肉体訓練をやられている方達から「え、始めからここから教えちゃうの? 勿体なくない?」とか「数年分得した」とか、「あんなこと教えちゃうのあり得ない!」とか「ずっと悩んでいた部分が解決した」とかの興奮しながら伝えにきてくれた反応を聞いている。正直言ってワタシのレベルではなにやら凄そうということは分かっても、具体的に何がどうだったのかは把握できないレベルで、一部の参加者には感動を与えているようです(でも本人は飽きてきてる?)。お金で動かない人を動かすのは難しいようであるが、今まで見ている限り、案外突破口もちゃんとあったりするのである。いつも言っておられるように、「自分の足で立て!」を実践している人間には結構優しい本屋さんなのであった。それを知っている人は少ないけど着実に増えていると思える今日この頃である。

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