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2006年10月10日 (火)

千葉市美術館

先日、「浮世絵に見る薬と病い」という催しをやっている千葉市美術館へ行って来た。期間は10月29日(日)までで、なんと200円である。是非、時間を作って足を運んで頂きたい。そんなに大きな催しではないので、1時間も掛からない。病い、治療、懐妊・育児、薬、信仰、社会不安、医学書というカテゴリーに展示されている。本屋さんはチェック済みだったようだが、行って見てびっくりしたのは「医学書」の所に、『蔵志』『解体新書』『解体発蒙』等があった。千葉大学の医学資料も展示されていたのだ。東洋医学に西洋医学の概念が組み込まれた時代に遭遇。そのうちに飲み込まれて、捨てられていった悲運・・・。主役から脇役へ、その後は落ちぶれて滅多に人目につかなくなるのであった。うぅっ。
現在、鍼灸治療を受ける人は全人口の3%。因みにアロマは7%。これは4年前、『○道の日本』がアロマ雑誌に出していたコメントにあった。アロマ市場に多いに期待している、というその主旨であった。鍼灸学校に入って「あの会社は鍼灸関係がメインだったんだぁ」と思ったくらいである(笑)。この会社はなんでも「刺絡」は社是として扱わないそうである。お世話になっている先生が呆れて言っていたが、原稿依頼を受けてせっせと書き上げた中で、「刺絡」に触れていたのを理由に書き直しを命じられたそうである。この姿勢に対しては多くの心ある鍼灸師の先生方は怒っているというより、同様に呆れているという気がする。
 そう言えば、ついこの間の『○道の日本』9月号で「覆面座談会」という企画が巻頭を飾っていた。「おやぁ、このタイトルは……」と、ピンと来た方は『TAO鍼灸療法』の愛読者であろう。一部の熱狂ファンからは、復活を望まれている本屋さんがやっていた雑誌(本人はミニコミ紙という)である(ヤフオクに出品されているのを発見!11日現在あと3日)。読者が1500人集まったら定期出版が出来るそうである(笑)。和方鍼灸友の会の会員が現在約250名、その他合わせてもこの人数までは行かないみたいだ。そもそも、『TAO』の出版中止になった理由は経済的理由というよりは、いかにも本屋さんらしい私利私欲と全く関係のない所での、ある出来事をきっかけにした決断であったそうだ。おっと、話を戻そう。「覆面座談会」というタイトルを見るなり、シュガイザー先生は本屋さんの電話番号を押したようである。ちょうど、多賀フォーからの帰りの高速での事だ。運転中の本屋さんの代わりに、お電話を受けると、相当怒っていらっしゃる。そりゃぁそうだろう。後日、事務所で目を通して見ると、企画自体に何の「おりじなるちぃ」も無い。受け売り、パクリ、そんな言葉が妥当かもしれない。で、座談会をされている学生さん達の言い分は、普通にいつも話されている会話であり、敢えて覆面にして取り上げるものでもなんでもない。「如何に学校がひどいか」を言っているのだが、覆面の割にはパンチが効いていない。ご本家『TAO』の様に覆面にせざるを得ない(笑)、会話の危なさは微塵も無い。鍼灸業界の代表雑誌、マックスがこのレベルならば、ワタシが書いた答辞を、卒業式で読み上げる時こそ覆面ですべきだったかもしれないと反省した(笑)。うっかり、袴姿で着飾って臨んでしまった。
さて、本屋さんにこの企画の感想を聞いてみた。「つまんないねぇ。大体、『TAO』が出てから本の体裁を真似て横書きにしたりとかね。某雑誌も湯液中心だったのに鍼灸関連の記事を増やしたり、色々あんだよ」「ま、あの雑誌もそれなりに役割は果たしたって事かな」と、ちっとも気にしていない。パイオニアとはこうなのだろうか。自分の頭の中から出るモノの方が、世間に存在するモノよりもずっと面白いそうだ。そう思って見回してみると、ゴルゴ三六先生、シュガイザー先生も「おりじなるちぃ」に溢れる行動を結果として残している先駆者である。範囲をもっと広げて本屋さんの人間関係を見てみると、本屋さんが積極的に付き合っているご友人の方々は皆さん、突出した何かを持っている。ほとんどの場合、その分野のマニア的要素がたっぷり含まれており、やはり「おりじなるちぃ」に溢れる個性的な行動を取っている方々である。類は類を呼ぶのである。よって、本屋さんの友人関係は、この日本国においても相当に面白レベルが高いわけだ(笑)。例えば、先日も事務所に某有名(一部で…?笑)鍼灸師が、某有名(一部で…?笑)酒造の蔵元をお御連れになり、蔵元自ら持参して下さった秘蔵古酒&新酒を御馳走になった(そのときワタシは初めて「山廃」という言葉の意味を教えてもらったのだ)。 こんなふうに素敵な人達と付き合う時間を生み出す為に、日々覚醒作用のある物質を大量に摂取して、寝る時間を惜しんで人生を楽しんでいらっしゃるのかもしれない。

 あらあら、今日のタイトルは「千葉美術館」であった。脱線癖は本屋さんゆずり、とご了承頂きたい(笑)。『解体発蒙』の図をよ~く見てみると、動静脈のどちらを指しているのかはちょっと分からなかったが、経脈、絡脈とされていたり、リンパに関するらしき部分を取り出して描かれたものには、上焦・下焦(焦には月偏が付いている)といった単語で説明が加えられていた。当時の医師が持っていた東洋医学の基礎にあった固有名詞を、そのまま当てはめたのだろう。思い起こせば入学早々、経絡経穴の授業を担当されていた先生に「五蔵の名前と、西洋医学でいう所謂臓器の名前が一緒なのは何か関係があるのですか?」と、素人がするかわいらしい素朴な問いを投げかけた。「さぁ~、あるんでしょうねぇ~」と、俗に言う〈聞かないでくれオーラ〉を発散しながらはぐらかされた。じぇんじぇん、腑に落ちなかった。その後しばらくして、時代背景が分かった際に、「こんな簡単な答えか」とようやく合点したのだった。疑問がいつまでも脳ミソに巣食っている、という状況は却って勉強意欲を燃やす原動力になると、将来を見越して下さった先生の温かい親心だったに違いない。あ、あと艾の亀屋さんの浮世絵も展示されていたが、これは歌川広重の方だったので、もう終わっているかもしれない。
 会場の最後の辺りに、石坂宗哲の『栄図・衛図』の巻物が掛かっていた。図に書かれている石坂の「坂」の字が、「阪」になっているのが気になって、先に回り終わっていた本屋さんを呼びに行って聞いてみた。「そういえばさぁ、あれ見た? 家にもあるやつ」との唐突な発言に、一緒に行ったKさんも目が点。「あれ、ってなんですか? 家って、ご自宅ですか??」と矢継ぎ早に投げかけると、「あれ」が展示されている前に案内してくれた。何でも日本に数個しかないようである。他に所蔵しているのは、オランダの某美術館のような機関であり、個人で持っているのはありえないんじゃないでしょうか。なんで普通に持ってるんだろぉ~。

さあ、ご興味が沸いた方。「あれ」は何であるかを実際に見に行って、想像してみて下さいね(笑)。

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