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2006年10月29日 (日)

10.15 経絡経穴感想

現在、神保町は古本祭りの真っ只中である。初日は午前中にもらった治療費を持って、フラフラ~と郵便局の帰りに何件か梯子して来た。靖国通りではテレビ局が撮影をちょうどしているところで、日も暮れて寒くなった時間帯でも、立ち止まって本棚を覗き込む人々で賑わっていた。結局いざわ書林で購入したが、店舗の中でも古本祭りだからと1割引にしてくれた。本屋さんだと顔パスでいつでも割引らしい。週末にお暇な方はいらしてはいかがでしょう。11月1日まで。神保町コネタ情報でした(笑)。

さて、本題の感想文。今回の配布資料:①六然社内の流行曲、バカボンのパパの曲に乗せてお馴染みの「バンバン覚鑁、カクバンバン。天才僧侶だぁ、か~くバンバン♪」の、『興教大師覚鑁研究』(春秋社)収載の北篠賢三先生の論文が配られました。こんな替え歌を作って良いのか? と言うほど、覚鑁の生涯は以前ブログにも書いた様にすさまじい。真言密教教理においても特異的な身体的五蔵観については別の機会にやりましょうと言ってくださっている。いつごろやろうかなぁ~。 ②平凡社『中国の青い鳥』中野美代子著の抜粋。プリントを読む限り、まだまだ馴染みがない単語が沢山出てきて難しい内容なのかと思っていたが、事務所の机に置いてあったこの本をパラパラとお昼のお供に読んでみると、「本草綱目」の辺りなんて随分読みやすくって面白い。こうやって本屋さんの術中に簡単にはまって、本を読んでしまうのだ(笑)。

さてさて。先日、電車で移動中に本屋さんが吐いた非常に印象的だった言葉を皆さんにもご紹介。

「鍼だけ刺してて治るわけないじゃんねぇ~」

公共の場であったが、思わず爆笑してしまった。本屋さんの治療を見ている分、とっても理解できるのである。本屋さんの治療スタイルはこんな感じ。まず望診。玄関から治療部屋までの歩く動作だけで痛み関係の主訴だったら、どこが原因かもう判明している事が多い。続いて問診。主訴を軽く聞いて、現在飲んでいる薬や今までどんな治療を受けていたかを聞き出す。ココに来る方は紹介のみで、かなり症状がひどいケースが多い上、「怪しい治療(笑)をやってみよう」と思うくらいなので、割と漢方薬とか西洋薬も飲んでいる方が多い。だが、患者さんは往々にして自分が飲んでいる薬を知らないこともあるので、「こういう漢字が入ってますか?」「白色のこういうのが入っていますか?」「ツムラの○番ですね」とか「赤いパッケージに入っている○○という薬じゃありませんか?」「青い細長い錠剤ですね」とか、本屋さんから問いかけながらどういう処方をされているのかを見当をつけている(何故か医者が出す錠剤系にも妙に詳しい→ドクターの患者さんも少なくないから?)。その後は、もううつ伏せにして全体を触って、というより修正しながら治療が始まっている。鍼を受けるのが初めての方には先ず殆ど刺さない。やっても数箇所で終わらせる。散鍼はやるけど。とにかく、患者の心の動きを一番に考えているのは、<節穴>と称されて久しいワタシでも分かるのだ。

「鍼だけ刺しても治るわけないじゃん」の裏には多くの言葉が潜んでいる、とワタシは思う。鍼灸治療院で行われるあらゆる要素を含めて言っているのかもしれない。ただ、ワタシ的には「小さい世界観でまとまるな。ダイナミックに身体を見ろ!治療家自身の変なプライド&主義手法にこだわらず、要は治せば良いのだぁ!!」という意味であると受け取っている。こういったある種の真理を突いた言葉を発する時の本屋さんの言い方は、ユーモアに溢れていて面白いが、何故だが傷つく人間もいるようなので、本当はこうやって誰でも読める場に書くべきではない。とは思いつつ、書いているワタシが一番イケナイ。あはは。でも本屋さんはこうも言っていた「本当に純粋な人間は傷つかない、傷つくって言う奴は自我が強いだけだ」って。ああでも、この言葉でもきっと傷つく人がいるんだろうなぁ(笑)。

今回、参加者の前でこのフレーズを「うちの従業員に笑われた」と話されていたが、臨床経験を長く積まれている先生方はお~きく頷いていた。鍼の限界を痛感しているからというよりは、鍼の得意な疾患とそうでないものの区別が付いていらっしゃるのだろう。鍼でも治るんだけど時間と労力が掛かり過ぎるが、手技療法などでは意外とすぐに治るとか、そういう住み分け的な見極めができる先生が頷かれているように思えた。

以前本屋さんに、「なんで鍼灸の免許を取ったんですか? 手技で治しているように見えるので、必要ないように思えるんですけど・・・」と聞いてみた事があった。師答えて曰く、「刺せた方がかっこいいから」という至って男性らしいものであった(笑)。この文面だけで本屋さんを想像される方には誤解を与えるだろうなぁと思うのだが、本屋さんを実際にご存知の方は、この言葉とはウラハラの本屋さんの鍼灸療法に対する一般鍼灸師には真似のできない、すごいコダワリを思い浮かべる事だろう。現に先週の水曜日に実技公開があったシュガイザー先生の腹部打鍼を、木・金とシュガイザー先生と一緒に仕事をしていた大阪出張から帰ってきた時には既に相当マスターしていた。かなり、はまった模様である。気がつけば、打鍼の槌の動きをしている。(「努力が嫌い」って言ってる割には「稽古が足りないからです」って発言もするし。…つまりは「努力してるって思われるのが嫌い」ってこと?)

この経絡経穴講座は現在お寺を会場に開催中で、時折鐘が鳴り響く荘厳なる環境で寺子屋形式で進めている。博識極まりない本屋さんは、「この鐘の意味はご存知ですか?」と禅宗の葬儀の最後のお別れ=「引導」を渡すお話なども教えて下さる。高野山にも関係者がいるという、本屋さんは一体ナニモノなのじゃろう・・・・。

そうそう。経絡経穴らしく、今回は取穴の話もあった(笑)。三里と豊隆と解溪。昔の人の前脛骨筋の膨らみと現代人(特に女性)とでは比較にならない、という事を改めて考えてみる必要があるというお話だった。確かに、本屋さんの治療を受けにたまに来る某有名K-1ファイターの男性の前脛骨筋を思い浮かべると全く別物である。「こういう身体が多分昔の日本人の身体だと思えるから見ておいた方が良いよ」と言っていたが、これぐらい膨隆がはっきりしている豊隆の状態だと、豊隆が豊隆としての穴性を発揮するのかもしれないなぁと思った。また、本屋さんが三里から解谿までのツボを取る際に目安にしている秘訣の話は、簡単な事であったけど初めて聞いたコツ。「今度試してみよう!」と思っている。

また、8冊ぐらいしか手に入らなかった『暦』の本を会場へ持って行った。本屋さんの知り合いの関係で手に入った本である。前回の9月に紹介された『木に学べ』を、このひと月の間に読んだ人が優先的に購入する権利を得る、という特典があった。本を読む人を本屋さんは優遇するのである。なんてったって、本屋だから(笑)。でも、六然社も本屋家業なんだから、仕入価格と販売価格が有って良いはずなのに、仕入価格がそのまま売値というのが従業員としては腑に落ちない(笑)。重い思いをして持って行く意味があるのだろうかと、荷物を運びながらふと考えてしまうのだが、皆さんの購買意欲と手にしての満足感の漂うお顔を拝見すると、「どうでもいいや」と毎回思うのも事実である。きっと、本屋さんもそう思っているのに違いない。それに、「僕を待っているから」という男のロマンを携えて今日も出会い系サイト(古書ネットオークション)をやってらっしゃるに違いないシュガイザー先生の名言「本は重くない」というのもあるしね(笑)。

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトや こちらのウェブサイトから購入出来ます★★★

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