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2006年11月 2日 (木)

お勧め本 『病家須知』

先週末から11月1日にかけて、神田の古本祭りに行かれた方も多かったのではないでしょうか。日曜日にまた出かけてみました。本屋さんは「金曜からやってるんでしょ、もうイイ本なくなっちゃたよ」と言いうので、見ないし買わないのかと思いきや、1ブース見る度に数冊購入し、最後の店ではなんと20冊の大人買い。「沢山買えば安くなるの?」と、店番のお兄さんに聞きながら相手の反応を見て、「コレはいけそうだ・・・」と思ったか知らないが(笑)、お兄さんの要領をあんまり得ない風が露呈した瞬間から、「コレもコレも、あ、コレもね」とドンドン付け足して、計算不能に陥らせ、「そんな馬鹿な」という値段で買い物が成立してしまった(笑)。裏通りも覗いてみると、屋台も出ていて、さすが休日の賑わいでした。所謂屋台じゃなく、普段は結構な値段がする中華料理屋やエスニックレストランがお店の前で屋台しているので美味しい……で、そちらも満足。

さて、先月の勉強会でご存知の方も多いかと思いますが、参加できなかった方のために、農文協さんから出版された厚さ7.7cmの分厚い本(笑)、『病家須知』(原著・平野重誠、監修・小曽戸洋、監訳・中村篤彦、編著・看護史研究会・定価29000円)のご紹介です。

この本は翻刻訳注篇上下2巻と研究資料篇の計3巻セット。江戸時代である、1832年(天宝3年)に発行されたわが国初の、「薬に頼りすぎず、医療を良く選び、日々の養生を大切に」と説く、看護の心と技を伝える書であります。そもそもタイトルの意味ですが、「病家(病人のいる家)」+「須知(すべからく知るべし)」=家庭看護必携、家庭医学の百科を指しています。本屋さん曰く、「医家、じゃないところがミソなんだよ」との事でした。因に「江戸時代の赤本!」というのが本屋さんが『病家須知』を話す時のキャッチフレーズです。 ああ、でも「赤本から説明しなきゃならないんだよなあ」って嘆いてまぴたです(笑)。

先日「助産婦さんの技術が廃れる一方だ・・・」、というような話を事務所でしていた際に、本屋さんは「とりあげばばぁ、とりあげばばぁ」と、助産婦さんの事をわざと悪く言っているのかと(笑)思っていたのですが、「とりあげばばぁ」って江戸時代の助産婦さんの名称だったんですねぇ。家庭の医学書だけあって、お母さんと子供に関する項目が満載です。お灸の辺りではシュガイザー先生も協力したそうです。この本の為に調べなきゃならない事どもも出てきて結構苦労なさったけど新たな発見もあったとか……。

シュガイザー先生の講座と本屋さんの勉強会で、こちらの本をご紹介し、まとめて注文を取ったんですが、この値段にしてなんと31人もの方が即買いでした。やっぱり、トップのお二人の猛烈な読書量に影響されているのか、参加者の方々は意識が高い。ニコイチがよく言っていますが「本は高くない。その著者が何年もかかって築き上げたものが手に入る、その労力の短縮に焦点を当てれば高そうに思える本だって決して高くはない」ということです。この本は作るのに随分掛かったらしいですよ(笑)。本屋さんは「編集は突き詰めれば金と納期!」って言い切ってますが(だから編集者だけでなく、ライターも本屋もパチスロもやってるのでしょうか? :笑)、この『病家須知』については、編集者として「採算取れるのかなあ」と心配しています。なんでも限定千部らしいです(って書いちゃいけなかったかしら??)  図説も豊富で、包帯を巻く図だったり、とりあげばばぁ(笑)が取り上げている出産時の図だったり。図面見てるだけでも結構参考になります。  原文のすぐ下に現代語訳が付いているのも読みやすくて良いです。実を言えば、最初は原文から読んでいたのですが、気付くと下の現代語訳を読んでいる自分がいます。どお~りで内容がよく分かると思った! (笑)

さて、農文協&本屋さんの濃密なご関係(笑)により、六然社経由でご注文を頂いた際には特別お値引き価格でご提供できる段取りが整っております。

『病家須知』29000円 → 26000円 & 送料無料

お申し込みはこちらまでメールにてお知らせ下さい。当初11月一杯のサービスとさせて頂きましたが、まだ間に合います(間に合うことにしてよいとの本屋さんよりお許しが:笑)。お申し込みの際は、郵便番号、住所、お電話番号を明記願います。詳細はお申し込み後にご連絡いたします。(既に勉強会で御注文下さった先生方にはもうじき手元に届くものと思われます)

本の詳しく内容をお知りになりたい方は、こちらをご覧下さいませ。http://www.ruralnet.or.jp/zensyu/byokasuchi/index.html

因みに、このブログで農文協さんといえば、『だし』の本がありましたですねぇ。あの時ワタシと共にご購入頂いた30名ほどの方々、その後やってますかぃ??  ワタシはかつお節の削り器で、ざっくり薬指を削った「刺絡深すぎ」事件以降、なんだか腕を上げた気がします。単に削り方が悪かっただけのような気もしますが・・・。 やっぱり「アミノ酸」じゃない「天然だし」は美味しいですねえ。(そういえば前回の本屋さんの市民向け講座では、何故ある時期から食品の原材料成分表に「化学調味料」ではなく「アミノ酸」と表記するようになったのか、ってお話もしてましたっけ…そうそうあの講座の報告も本当は書かなくっちゃいけないのよねえ…毎日目を通してくれてる読者さんの為には、仕事してる暇なんかないんだわあ:笑)

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