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2006年11月 9日 (木)

ニコイチレポート 京大篇

先月の木曜日、二週続けて<ニコイチ>が京大で講義を行いましたです。ワタシは治療院修行の日であったので、残念ながら参加できず・・・。かわいそうに思ってくれた(?)、行動派のSさんより、恐ろしく詳細なレポートを頂きましたので(笑)、同様に参加できず仕舞いだった方々へもご報告とさせて頂きましょう。

なんとなくイメージするに、シュガイザー先生はきっちり真面目に日本における鍼灸医学の講義に徹せられた感があります。マルチですからね。今回は学者面(八面体質論ならず:笑)を前面に、日本の鍼灸を追い続ける熱い姿が出ていた事でせう。で、本屋さんは巨鍼のデモあり、武器の使い方のデモもあったそうです。デモの間にお話といった感じかなぁ~。アングラな世界でやった人にしか「味わえない領域」を自慢してきたらしい(笑)。初めて本屋さんを目にした方は「この人何なんだぁ??」と思ったかもしれませんね。肩書きも無いし(笑)。六然社代表とはあるけどねぇ。敢えて言うなら<非常識講師>でしょうか。某学校で教えていた時は、この肩書きの名刺を製作し、配ってましたからね。

①シュガイザー先生の巻き

「日本に現存する朝鮮半島の資料」というタイトルのスライドを用いて打鍼のルーツを解説。肩に打鍼(うちばり)をしている風景の図(1600年頃 森ノ宮のはりきゅうミュージアム所蔵)、『鍼科便蒙』(1700年刊)打鍼をしている場面と腹診をしている場面の図、『打鍼当流別巻上』(1718年写)藤井秀山の打鍼具の図を紹介。馬場白光旧蔵の細川三斎の打鍼具(1800年代の製作品を1900年に偽造)、現在朝鮮半島で使用されている高麗鍼、韓国鍼の紹介と続いた模様。

江戸時代の経鍼。背中のお灸を「五臓の根焼き」と言った経緯。御園意斎の伝説のうち、天皇家の牡丹が枯れそうになっていたので幹に鍼をして治し「御園」姓を賜ったという話。中国の古代九鍼の6番目の円利鍼が朝鮮半島、日本でどのように変遷を遂げて行ったか。流儀として実用された「百穴主義」。
渡辺東伯、「五臓五鬼之図」(1682年、狩野永納画、武田薬品所蔵)等の説明があり、だんだんと伝説化された夢分の話から、「別々の資料を続けて見ると今まで見えなかったものが見えてきて面白く、研究はやめられない!」と熱く語る、シュガイザーの姿がそこにはあったそうです。また、先生蔵の明治時代の三稜鍼、豪鍼を披露されたそう。以前、治療院にお邪魔したときに、手動按摩器のような年代物オモシログッツも見せてもらったことを思い出しました。ギャクかと思ったら、本当に気持ち良くてびっくり。

②本屋さんの巻き

巨鍼のデモからスタート。以下、本屋さんの語り口調を拾ってくれたレポートのスクロールがワタシの身長ぐらい続くので(笑)、箇条書きで端折らせてもらいます。速記のプロも顔負けです。レポートしてくれるのに、すっごい労力だったと思われます。お忙しいのにも関わらず・・・・多謝多謝。

・空海が大事にしていた理趣経について云々。人は行きている限り欲から離れることはできない。

・多くの人は「今を生きて」はいない。事に応じて、善悪良否好き嫌いなどの判断をするのは過去の知識や記憶と照らし合わせてその都度生きているわけであって、それは結局過去を生きているに過ぎない。

・刹那の過去を生きることなく今の現実としっかり向き合っていれば人には悩みも問題もない筈。

・鍼灸師はサービス業。日銭稼ぎは水商売。
・ある坊さんに「一回見ただけで覚えられなければどうするのか?」と聞いたら「お前が恥かくだけだと言われた」話。要は一度で覚える覚悟で物事習えってこと。
・体の使い方についても日本では五体身分という形で展開した。
・阿字観瞑想法というのが密教にあって云々。
・日本は言葉で調子良くうまい説明をする。中国は漢字一字に託す。
・人の為と書いて「偽り」と読む。
・信じる者と書いて「儲かる」と読む。
・口伝口訣。巻物や伝書があって、なんとかの奥義と書いてあっても技の名前だけ。内容は口伝えに教わるシステム。巻物一個もらっても話を聞かないと分からない。
・日本人は免状や段位とか外側の権威が大好き。だから実力なくても名誉段とかを作っちゃう。が、中国には元々そんなものない。例えば、太極拳何段なんていうのは有り得ない。中国人が儲けるために始めた制度だと分かった上で、太極拳何段を持ってる人は恥ずかしいと思って下さい(笑)。
・世の中には「話せば分かる人、話しても分からない人」がいるけれども、「話さなくても分かる人」だけが「分かる世界」がある。
・「信即応」信じればなる
・性命双修。体の中と外を鍛えていく。入れ物も中身も鍛える。
・「学んで至れる」システムを口伝によって伝えてきた。
・中国の伝統的な世界では学生と弟子というものは違う。習える人が全員学べるかというと違う。弟子にならないと学べないこともある。だから、よく、なんとか先生に学んだというが、「学生レベル」なのか、「弟子」になったのかの違いは大きい。
・伝統的な鍼灸は戦前で廃れて今それを長野先生が鍼灸バカ、と言われながらが再興しようとしている…等等。

・体をどうやって作るか、と言ったことに着いても文章化して残さないことの方が多い。
・伝統的な世界が敢えて効率の悪いシステムをとっているのは、そういう効率の悪さの中で生き残った人の方が伝統的なものを大切にするだろうと考えるからだろうきっと。
・形不正法不存。力は形から出る。
・人は見たいものを見るので、学ぶ側に自分の作為が入ってしまうと難しい。

・様々な理由から伝統は伝わりにくく、伝わらない事も多い。
・文献的なものは少しずつ残っている。だからそれを大事にしていく必要性がある。
・丹田を作るというのは仙腸関節に動きがない人には無理。仙骨が動かないと丹田はできない。
・丹田に気をためるというが丹田ができているかは体を触ればわかる。
・日本でしている気功の90%以上はインチキ。
・気や丹田は具体的なもの。
・『西遊記』等にも仙道的読み方がある。そういうものは師匠から習う。例えば、孫悟空(空を悟る)、八戒(戒律)、悟淨(何が正しいか)……。
・言葉の意味が重層的多義的例えば「赤龍」という言葉があるが段階によって解釈が違う。舌であったり月経であったり、また他の意味だったりする。そうした口伝を経て門派の秘儀を継承している人達がいる。
・体を作っていかないとたどり着けない世界がある。肉体なければ伝統無し。

等等。

両者とも濃いぃ~内容です。本屋さんのに関しては、もう一人、静岡から行かれた人物からも感想を頂きました。文章力のある方なので全部入れたいところですが・・・。↓

で、仕事休んで何万円も払って、京都まで行って、なにがワカッタかというと、チチコツコツ、だってこと。「結局さぁ、毎日、カラダの練習やんなきゃダメってことじゃん!」

この人物とは同期なのですが、偶然にも同じ時期に、同じ諦めの境地に至っていたのかぁと思うとなんだか面白いなぁと思うのでありました。

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