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2006年12月27日 (水)

12月経絡経穴講座 感想

 今年最後の本屋さんの講座でした。年の瀬も押し迫る中、残り2回となってしまった寺子屋(文字通り本屋さんと縁のあるお寺でやっております)の熱気は高まり続けております。

 さて、本の紹介からスタートしました。前回ブログでも紹介した日野先生の本やホルモン関係の書籍の後、郡山七二先生の『鍼灸臨床実例集』、『鍼灸治療とその実態』の2冊が今回のメインでした。関西の先生で、内臓刺等をバンバンやり、眼窩内刺針を世に出した人といえばお分かりの方も多いのではないでしょうか。経絡否定論者である郡山先生は脊髄断区という考え方で臨床を行っていました。昭和50年代以前の鍼灸の医案集(カルテ集)は日中を問わず珍しいものだそうです。「疾病を器質性と機能性に分けることすらナンセンス。器質に何等かの変化無しに、単なる機能だけの異常は生じない筈であって・・・」と言っていたり、「一切の治療は刺激効果である」とか、気管支炎の治癒について「以上いずれの取穴を見ても皆脊髄断区だけで、その他のツボを使わなかったことをよく見、よく考えてほしい」と言っている。本屋さんは「経絡を捨てるのならそれでいいが、郡山先生の経絡否定論を踏まえてから考えてもらいたいですね、経絡を語るなら、この郡山先生の主張を乗り越えていかなくてはならないはず!」と締めくくっていた。鍼灸を臨床を通して実績をあげつつ、ずっと研究されてきた先生の貴重な本でございました。鍼灸科学派の先生方はこの本を読んでいるんでしょうか??  経絡経穴の講義で敢えて「経絡否定派」の先生を絶賛する、この辺が、本屋さんが頭の固い人には理解されず、また一部に熱狂的なファンも出来る理由の一つではないかちら。

 また、「目的意識がしっかりしている治療は人を騙せる」と(「騙せるって言うのは本屋さん独特の言い回しですけどね:笑)。目的を持って治療していない、自分が今何を狙って治療しているのかが明確じゃないから治療時間が異様に長いとか、意外とこういうことする人が多くてびっくりしていると。つまり無駄な要素が多分にあるわけですね。(郡山先生の治療を読んでいると、実に目的がしっかりしています→だから治る!)  一生懸命さで(それが伝わって)治ることもあるけど、自分が治療で疲れてちゃもったいなでしょとも。前にも書きましたが、長ければいいってもんじゃない、慰安の部分もあっていいけど、決める所は決めないとぼやけた治療になるよと注意を受けました。(「反応を見るために触っているんだか、身体を変えるために触っているんだか、なんとなくどうしたらいいのか分かんなくて触っているのか、よくわからない接触が多すぎの人がすくなくない!」と言われてしまいまぴた……。)足の指を持って、どこに(講義中に口伝)作用させるのか、かかとを使ってどこに(口伝:笑)刺激を送るのかという手技の事も言っていましたね。首の凝りやストレッチ痛みたいなものを瞬時に取る秘伝も公開! (あんなの見せちゃって良いのか?!って某先生の感想でした)。 体の方向性というか、つながりというのが本屋さんには手に取るように明確なようです。パチンコ台も同じだと言っていました。釘の向きでどう玉が流れるかを読むのは、人体を読むのと一緒なんだそうです(笑)。

 例えば、痛みを訴える患者さんを治療するとします。こうした場合、3つのポイントと順序があると本屋さんはいいます。①痛みの原因を取り除く、②体を緩めることによって痛みをなくす(痛みによる緊張をとる)、③痛みを麻痺させる。そして、この順番でやるべきなんだそうです。①ができればOK、出来なければ、②、それでもダメなら③という風に本屋さんは治療するのだと。 例えば、膝に水が溜まるのは炎症を冷やすための身体の仕組みであって、それに対して安易に関節から水を抜く対症療法は良くないという理由はよく聞くのですが、本屋さんはさらに納得できる解釈を話してくれます。関節胞内が膨らむ理由として、関節の離解と見るとアラ不思議。なるほどぉと思えます(ここからAKAの話へちょっと脱線)。ツボの話以前に、体の診方を沢山話してくださるのはとてもありがたいことです。参加者からのアンケートの結果、「わき道にそれた話を途中でやめないで!」という声が殆どだったので、本屋さんも大手を振って話がドンドン違う方向へ進んでいきます(笑)。

 他にも脊椎の動かし方や、霊術の話。霊術は多賀フォーの再来のようで楽しかった。治療においてはどうしたって「気持ちの問題」は切り離せない、というのが本屋さんがよく仰るところです。皆さんがご存知の現在の治療家の中にも、もちろん霊術治療家の正当な後継者がいるよ、という具体例を挙げられて、みんなが納得していました。井村宏次先生のことも紹介されていました。この事務所にも「おや、こんな所に井村先生!(の御著書)」という出会いがあります。野口整体の師匠でもあった松本道別先生のお名前の読み方で通かどうかが分かると教えてもらっちゃいました。この辺り、「口伝」ですねえ(笑)。

 脈を診て整えばオッケー、というのは「アナタの頭が整っただけ」とばっさり切っていました(笑)。でも、誤解しないでいただきたいのですが、本屋さんも見るべきときは見ますよ。シュガイザー先生も脈診治療をされますし。脈だけ診て、患者さんが治っていなくても「また来週」と帰すような商売をやめてほしいとの事のようです。

 操体法についても本屋さんらしい切り口で「こういうものだ」という要点を突いてらっしゃいました。橋本敬三先生のお人柄があってこそ、あの治療法が功を奏したのだといいます。非常ににこやかな穏やかキャラだった先生は、患者さんをリラックスさせることに長けていたそうです。だから、威圧感のある患者さんを緊張させてしまう人では絶対に真似できないのが操体法だそう。治療法と治療家のキャラは不可分なことが多いんだ、というお話には大納得です。だから、その治療法が素晴らしいと思ったら、どういう人がやっているかという点を見ないと本質は見えてこないと本屋さんは力説します。キャラにあったものしか所詮は出来ないのだ、と知りつつも、ワタシのように治療法が確立していない者はとにかく色んなものを真似してみるところから自分の治療法を見つけていくしかないな、と思いますです。時間が掛かるかもしれないけど、それも楽しい作業です。

 本屋さんの治療を一言で言えば「下着を見ない治療法」です。まず、脱がせませんね。世の中にはパンツすらも脱がせる治療院もあるそうで、そうした話を聞いていてふと、「そういえば、本屋さんの助手をさせてもらっている時は下着をみないなぁ」と気付いた次第です。巨鍼は別ですが、巨鍼を使わない時はまず見ないです。「面倒くさいから」と言っていますが、これって大変です。背中は大きく開けてもらったほうが治療しやすいし、臀部を使うとか、環跳を使うとかって時は下着を大きく下げるか、上げなくてはやれません(腰痛を訴える患者さんの腰部に鍼を打ったことは私の知る限り一度もありません!)。「さっさと患部を出せ」という治療家の都合を好まない本屋さん。「脱がせないと出来ない」、これは局所治療的鍼灸の考えを抜けきれないからであって、発想を変えてみると他でどうにかできることって結構あるようです。「要は治せばいいのだ(理屈を捏ねたって症状変わらなきゃ負けじゃん!)」これが自論の本屋さんですが、そういいつつ、じゃあ何でもいいのかっていうとそうではなく、患者さんの「精神の侵害刺激」(本屋さん談)というものにも相当気を使って治療しているようです。神業に近い気がするけど(笑)、「そうじゃない」、「神業なんかじゃなく、誰でも出来ることでしょ」としきりに言っているので、経験値に成り立つ方法論なのだと思います。下着を見る事がまずい、というのではなくて、治療家が当然と思っているけど一般的には「えぇ~、いやだぁ」という部分はしっかり理解しておくようにと釘を刺されているのだと思いまぷ。そうそう、この話になったのは膻中の代わりに手の経絡のあるツボを使う(口伝:笑)というのを教えてもらったからでした。「だって、野郎に胸部を曝すのが嫌な女性って少なくないでしょ」と、考える人はいても、「でも膻中使わなきゃ!」と思って使っちゃうのが普通の治療家だろうと思いますが、そこで敢えて、別なルートを考えてみる。こういう相関関係の引き出しの多い所が、本屋さんの特徴ですね。特殊な活法を幾つか持ってる強みもあると思いますけど……。

 「人間は自分の経験に救われる」、一方で「人間は自分の経験に一番騙されやすい」という二面性に注意してねと。う~ん、その通り。常に冷静に第三者的に自分を見る目がないといけませんねぇ。関係ないですが、年末は美味しいお酒を飲む機会も多く、結構しくじってるんじゃないかとヒヤヒヤしています(笑)。だって、ココには全国より美味しいお酒が集まり、その恩恵に与る機会がとても多い(笑)。しかも、本屋さんの周りの人々って意外と飲まない方が多いんです。本屋さんもバイクでの移動が多いので飲まないことが多い(だから頂いた酒もちょっと味見るだけで殆どお客さんに振る舞っちゃう)。シュガイザー先生も飲まない。だから、三人でご飯を食べている時は、先生方を差し置いて大体ワタシだけが飲んでいる。マ、マズい・・・。

余談ですが、先日、ゴルゴ36夫妻に池袋でお知り合いがやってらっしゃる中華料理屋さんへ連れて行っていただきました。

……以下何故か本屋さんが知ってました情報:::『『 このお店の名前は「四川苑」。池袋西口マック裏、と言えば分かる人は分かる店。とはいえ所謂日本人が考える「四川料理屋」ではなく、四川火鍋(sìchuān huŏguō)が有名なんですね。それもどちらかと言うと日本人よりも本場の中国人によく知られていることからもこのお店のディープ度、妥協を許さない美味しさの追求が分かるわけですね。お店の老板の奥様、成燕娟(美人!)さんは、中国楽器"揚琴"の世界的演奏家で何度もコンサートを開いているので知ってる人もいるでしょう。娘さんの汪成さん(当然美人!…会ったことないけど写真は見た!)さんも、二胡教室で指導もしている演奏家です。お嬢さんはブログもやってます。<<http://erhu11.exblog.jp/>>辛い麻辣湯と鳥の白湯が基本のペア鍋で羊肉しゃぶしゃぶが食べられるの日本では数少ないお店の一つです。』』

 どれも本場の味を生かしているもので、中国人のお客率が圧倒的に多いこのお店では豚の脊髄料理が出てきます。ぶっつり棘突起で真っ二つに分断された脊髄の周りにこびりついたお肉を食べるのです。「おぉ、これが横突起ね。髄は色が違うねぇ」などと思いながら、ほろほろと箸で取れるお肉を頬張る図はちょっとエグイ(笑)? その日はゴルゴ夫妻の酒豪伝説も聞けて本当に楽しかったです。紹興酒は中国では老人の飲むお酒だそうですが、チビチビ熱燗にしたのを飲むのっていいですねぇ。「とりあえず生!」とオーダーすることは滅多にできない、冷え性の味方であります。

 あぁ、随分話がそれてしまいましたが、この辺で終わりにします。「アンタいつまで仕事サボってんの?」という天の声が聞こえてきそうなので(笑)。

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