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2007年4月

2007年4月20日 (金)

アンジェラの独断!

 徳島から帰ってまいりました。徳島鍼灸師会はとても盛り上がっていましたよ。鍼灸師会の活動に熱心に皆さん取り組んでらっしゃって、その楽しさが溢れ出ていました。会長からしてキャラが濃いい(笑)。どうりで本屋さんを呼ぶわけです。会長が率先して取り組んでいる鍼灸の普及活動などは非常に勉強になりました。この話は別にまた載せますね。

 昨日は鍼灸祭の打ち合わせでした。5月20日(日)、今年も湯島で行います。これも追って載せますのでお待ち下さい。日頃お世話になっている鍼と艾の供養をするという、心洗われる行事の次には鍼灸の奥深い世界を勉強できる講演会か2つ、そして最後にお酒で身を清める(笑)懇親会。このお酒が格別です。奮ってご参加下さい。

 そして!もう今週末22日が第一回伝統医学史セミナーですね。どんどん参加者が増えております。ありがとうございます。当日受付も行っておりますので、ドタ参ありですよ(詳細は2月21日のブログをご参照下さい)。我々は亜東カーに乗って前日入りしております。前日もシュガイザー先生は講演をされるのです。http://www.congre.co.jp/jps110/をご覧下さい。小児鍼のお話ですね。夕方から京都でありますのでぜひどうぞ。

 22日は亜東さんのブースもありますから、たっぷりお金を持って望んでください(笑)。「お金が足りない・・・」と涙を飲む方を毎回見かけます(笑:お願いすれば振込みも可のはず)。和方割引はもちろんございます。和方会員の方々の買いっぷりは代表小間使いを真似てか、本好きが自然に集まっているのか、とにかくみなさんよく買います。重い場合は発送もありのはず。全日本鍼灸師会の10分の1以下の参加者で売り上げは倍近いという多賀フォーに次ぐ売上かな??

 で、その翌週4月29日の詳細が決まりました。前回ブログをご覧になっていない方のために紹介文はそのまま載せておきます。

 「6月の刺絡学会の前に井穴刺絡を覚えよう」。

 本屋さんの井穴刺絡講座は以前にもやっていただきましたが、もう一度、バージョンアップです。本屋さんは「井穴刺絡は早さが勝負所」と主張。そしてシュガイザー先生の「唯掌論」は「散鍼習得」の為だけの物ではなく、「唯掌論のこの動きはこういう風に井穴刺絡に応用できる」と展開しています。武術をやっているからなのか、井穴刺絡の「型」を作ったといいますか、よく聞いてみると「工藤流(ちなみに『刺絡鍼法マニュアル』&『工藤流刺絡指南』の編集をしたのも本屋さんです)の刺絡を上手にしている先生方には、手使いに共通項があって、それはかくかくしかじかだから、唯掌論でいうところのこういう部分をこのように使えば同じ動きがスムーズに身に付くはず」と考えついたそうです。シュガイザー先生の資産をよりいっそう発展させて使いこなそうという発想があるわけですね。さすが、シュガイザー先生の良き理解者(?)。何かを理解する(学ぶ?)というのは、こういう事なのか、というモデルを見せられたような気分でした。「この動きは艾の捻り、この動きは挿管片手取りへの応用、この動きはこういう風に捉え直せば巨鍼の刺入に応用できる」と幾つか教えてくれました。

 さてさて、刺絡を語る以上、臨床で多分最も使うであろう井穴刺絡は身に付けていただかないと意味がないのです。本屋さんも子供の熱には解熱剤は使わずに井穴刺絡で対応しているようですし。脳血管障害の急患の人にも使った事があるとか。ですから、単発講座ではなく2回講座にします。本屋さんのやり方を想像するに、1回目は殆ど型作りに専念されるような気がしますが(ということは「唯掌論的手作り」も学べるってこと?)、一ヶ月間せっせと練習をやり続けていただいた上で、5月の2回目に望んで下さい。やった人には疑問点が出てくるはずです。習ったことを一旦自分の中に落として、それをアウトプットする時間が一ヶ月ありますね。その段階で、本屋さんによる修正と指導を受けることで、華麗な絞り技が身につくというわけです。因に本屋さんは故森秀太朗先生の署名がある刺絡学会の「認定委員(学会認定鍼灸師を認める委員?)の免状を持ってまぴた。もっとも事務所の書類の渦に埋もれてるんですけど……。免状の類をやたら壁に貼付けたり、有名人との写真を貼付けたりするのや、それに名刺にやたら肩書きやら所属学会が書いてある人とか、本屋さんは嫌いなんですね。「年に数回専門学校に教えに行くだけで自慢気に非常勤講師とか名刺にいれる先生の気が知れない」とも言ってました。そういう本人は「非常識講師」って名刺はギャグで作って遊んでましたっけ。もっとも「非常識講師」って書いても気がついてくれない人が多くてつまらなかったらしいですけど(笑)。

 前振りが長くなりました。日程は下記の通りです。事前予約制、人数限定で行いますのでお早めにお申し込み下さい。

4月29日(日)

①《身体作り講座》 

●時間  9:45:~11:45
●場所  神保町 
●参加費 3000円

②本屋さんの気まぐれ講座シリーズ第一弾
《井穴刺絡実技講座1》

●時間  13:30~15:30(若干延長の可能性あり)
●場所  神保町
●定員  20名
●参加費 1回 和方会員6000円 会員以外7000円
●持ち物 三稜鍼(塩野をおススメされています)

5月27日(日)

①《身体作り講座》 

●時間  9:45:~11:45
●場所  神保町 
●参加費 3000円

②本屋さんの気まぐれ講座シリーズ第一弾
《井穴刺絡実技講座2》

●時間  13:30~15:30(若干延長の可能性あり)
●場所  神保町
●定員  20名
●参加費 1回 和方会員6000円 会員以外7000円
●持ち物 三稜鍼(塩野をおススメされています)

※参加費は当日受付にてお支払い下さい。

【お申し込み方法】

       こちら  までメールにてお申し込み下さい。

   予約確認のメールを返送させて頂きます。

   FAXでもお受けします。03-6279-5102 六然社 担当山本

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトや こちらのウェブサイトから購入出来ます★★★

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2007年4月14日 (土)

アンジェラの心づもり・・・

 いよいよ今週末、徳島です。ワタシは初めての四国。楽しみだなぁ~。しかも、6月の刺絡学会に六然社は出店予定ですので、今年は2回も四国に上陸する予定。そちらも飛行機の手配は済んでま~す。

 さて、徳島県鍼灸師会にお呼ばれした本屋さんですが、テーマである「鍼灸師の身体の作り方」を受けての資料作成を現在されています。ワタシは行けなかった京都大学での「身体技法」にも関連しています、このテーマでの講演は、過去数度に渡ってございました。何故か今回も全国から駆けつけた(笑)リピーター方にも配慮して、新たな資料で望む予定。手を抜かないところがすごいなぁ~と思うのですが、本屋さんの場合、資料を配布しても大抵それとは全然違う話が中心ですから、それもすごいと思うのです(笑)。「どうせ使わないんだから資料要らないじゃん」と突っ込んでみると、「わざわざ来てくれているんだから、お土産がないとね」と、ああ見えて(失礼!)気配りの人なのであります。

 徳島から帰ってきたら、翌週4月21,22日は京都です。22日の伝統医学史セミナーは当日受付も行っておりますので、ドタ参ありですよ(詳細は2月21日のブログをご参照下さい)。都合が付いた方は是非いらしてくださいね。こんなビックな集まりはナカナカ実現しませんから、お見逃し無く!

 で、その翌週4月29日は東京で身体作り講座。毎週働きづめの本屋さんです(笑:「オマエのせいだ~」by本屋)。そんな叫びも無視して、更なるテーマが降りてきました。

 「6月の刺絡学会の前に井穴刺絡を覚えよう」。

 本屋さんの井穴刺絡講座は以前にもやっていただきましたが、もう一度、バージョンアップです。本屋さんは「井穴刺絡は早さが勝負所」と主張。そしてシュガイザー先生の「唯掌論」は「散鍼習得」の為だけの物ではなく、「唯掌論のこの動きはこういう風に井穴刺絡に応用できる」と展開しています。武術をやっているからなのか、井穴刺絡の「型」を作ったといいますか、よく聞いてみると「工藤流(ちなみに『工藤流刺絡指南』の編集をしたのも本屋さんです)の刺絡を上手にしている先生方には、手使いに共通項があって、それはかくかくしかじかだから、唯掌論でいうところのこういう部分をこのように使えば同じ動きがスムーズに身に付くはず」と考えついたそうです。シュガイザー先生の資産をよりいっそう発展させて使いこなそうという発想があるわけですね。さすが、シュガイザー先生の良き理解者(?)。何かを理解する(学ぶ?)というのは、こういう事なのか、というモデルを見せられたような気分でした。「この動きは艾の捻り、この動きは挿管片手取りへの応用、この動きはこういう風に捉え直せば巨鍼の刺入に応用できる」と幾つか教えてくれました。

 さてさて、刺絡を語る以上、臨床で多分最も使うであろう井穴刺絡は身に付けていただかないと意味がないのです。本屋さんも子供の熱には解熱剤は使わずに井穴刺絡で対応しているようですし。脳血管障害の急患の人にも使った事があるとか。ですから、単発講座ではなく2回講座にします。本屋さんのやり方を想像するに、1回目は殆ど型作りに専念されるような気がしますが、一ヶ月間せっせと井穴刺絡をやり続けていただいた上で、5月の2回目に望んで下さい。やった人には疑問点が出てくるはずです。習ったことを一旦自分の中に落として、それをアウトプットする時間が一ヶ月ありますね。その段階で、本屋さんによる修正と指導を受けることで、華麗な絞り技が身につくというわけです。因に本屋さんは故森秀太朗先生の署名がある刺絡学会の「認定委員(学会認定鍼灸師を認める委員?)の免状を持ってまぴた。もっとも事務所の書類の渦に埋もれてるんですけど……。免状の類をやたら壁に貼付けたり、有名人との写真を貼付けたりするのや、それに名刺にやたら肩書きやら所属学会が書いてある人とか、本屋さんは嫌いなんですね。「年に数回専門学校に教えに行くだけで自慢気に非常勤講師とか名刺にいれる先生の気が知れない」とも言ってました。そういう本人は「非常識講師」って名刺はギャグで作って遊んでましたっけ。もっとも「非常識講師」って書いても気がついてくれない人が多くてつまらないらしいですけど(笑)。

 前振りが長くなりましたが、1回目は身体作りの後、4月29日の午後ですね。2回目ですが、5月は鍼灸祭が20日にありますので、それが終わった後の日曜、つまり27日に設定します。加えて、身体作りのもこの日の午前中にして頂こう。

 ・・・というのが、現在のワタシの頭の中です。詳細は徳島から帰ってきたら載せますのでしばしお待ち下さい。興味のある方はとりあえずスケジュールを空けておいてちょ。 

 

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2007年4月 8日 (日)

新刊発売!! 『難経真義』

 できたてのホヤホヤ、六然社新刊発売のお知らせです。1月発売の『鍼灸開業繁栄の秘訣』に引き続き、今年は出版ラッシュの予定ですからねっ。

 『難経真義』池田政一先生著(12600円)

 「六十才になって、残りの人生で何をするべきかを考えた。いつまで生きられるか分からないが、その間に、古典を勉強する人のために『素問』、『霊枢』、『難経』、『傷寒論』、『金匱要略』などを解説し、遺言の代わりにしようと考えた」と、《序にかえて》で述べられています。そうです、先生の集大成の本なのです。

 内容ですが、単なる81難の解説だけではありまへん。「古典はいろいろな読み方をする人がいるし、それが出来るけれども、この本は、池田政一先生という臨床家が経絡治療の観点から難経を読み解いた本」だと本屋さんは言ってます。底本は最善本といわれる『難経集註』(内経医学会本?)です。「古典書物を勉強したくても、読むことからつまずいて、結局は放棄してしまうのではないか」とご心配くださった先生は、難しい字句の読みや解説も註として入れてくださいました(涙)。本文は各難ごとに【原文】、【訓読】、【通釈】、【註】、【解説】と言った具合にかかれていますが、それぞれ重要古典部分は『霊枢』『素問』『傷寒論』などの原文も欄外に記載されておりまして読者の便宜を図っています。そしてこれがなんとも本屋さんらしいアイデアなのですが、池田先生に各難における【臨症例】を書いてくださることお願いしたのだそうです。例えば三難の《尺寸陰陽の病的な脈》では、坐骨神経痛の治療例を、病証、望証、脈証、腹証、背証、考察、治療、経過、治療のポイント…と挙げています。

 重厚感溢れるこちらの本は箱入り、布張りの表紙ですもの、治療室に置いて見せびらかしたい一冊です。パラリとめくって見ると、蓬のようなグリーンが目に入ります。この色を決める瞬間に立ち会っておりましたが、本屋さんはインスピレーションで「この色!」と決めたのであります。出来上がってみるとすごくキレイな色合いに仕上がりました。桜や桃が咲き誇る春の京都で初売りでしたから、なんだか春色と妙にマッチしたイメージがワタシの中で出来上がりました。経絡治療学会会場で仕上がった本を手にされた著者、池田先生からはこぼれる笑顔、笑顔、笑顔。「立派にしてもらって」とご満悦でした。本屋さん曰く、「内容に見合うものにしたかっただけ」とのことですが、ムムムこれが素晴らしいのだ。できたての著書を数冊、大事そうに抱えて会場に向かう池田先生の後姿がなんとも嬉しそうだったなぁ。

 池田先生に「君は僕と似た所がある」と本屋さんは言われた事があるそうです。考え方において結構共通点があるみたいで、36にも及ぶコラムを拝読しているうちに、本屋さんと非常に近いニオイを感じましたね。このコラムがまた面白い、というか読み応えが有るのです。池田先生の人物像をかなり垣間見れます。全日本鍼灸学会のことも「劣等感のはけ口」とか「あるいはマスターベーションか」なあんて書いてしまっています。他の出版社でしたら実現しなかったでしょう。この辺り、常日頃「その人の治療法を理解する為には、その人そのものを学ばなくてならない」と主張する本屋さんならではのしかけでしょう。池田先生は伝統としての鍼灸を残すことに情熱を注がれ、鍼灸業界の様々な場を使ってそのメッセージを発信されていますね。この本の序についても、本屋さんが、誰か適任の人がいるだろうか? と打診した所(なんとか会やヤンチャラ会の会長とかは始めから本屋さん的に却下!)何と、池田先生御本人が長野仁先生を指名した辺りにも《遺言》がちらついている気がします。さすが我等がシュガイザー先生。古典ハンター冥利に尽きたご指名だったに違いありません。一部では、過去の経絡治療学会の学会誌でのやり取りを知ってか知らずか、「池田先生と長野先生とは仲直りしたんですね」なんて本屋さんに言ってきた先生もいましたが、本屋さん曰く「初めから喧嘩なんてしてませんから(笑)」

 …ということで、ご紹介したこの一冊。5月4,5日の『難経真義』講座にてテキストとして使用します。池田先生の生の講義をお聞きになりたい方は是非ともお申し込み下さい。お急ぎになって下さいね。あと少ししか余裕がありません。

5月4日(金) 10:00~12:00  

         『診極図説』第3回  講師 長野仁先生

         13:00~17:00  

         『難経真義』出版記念講演 

         1部:「歴代の医家が難経をどう臨床に生かしたか」 

            講師 長野仁先生

         2部:「難経の解説」 

            講師 池田政一先生

         18:00~20:30  懇親会

5月5日(土) 9:30~12:00  

         「難経解説」 & 質疑応答

         講師 池田政一先生 

参加費:

①『診極図説』第3回:前二回の参加者は無料ご招待&書籍のお渡し。新規参加御希望者については、書籍代含め1万円。前回までの出席者は出席の有無、並びに午後よりの出欠の是非を早めに御知らせ下さい)

②『難経真義』2日間で21000円(和方鍼灸友の会会員&『経絡治療』購読読者は1000円引き)。定員:100名 ※『難経真義』の書籍代(定価12600円)を含みます。書籍を既にお持ちの方は参加費のみで1万円になります。

③懇親会:5,000円 定員40名

場所 :  国立オリンヒック記念センター 

      4日 センター棟401

      5日 センター棟402      

http://nyc.niye.go.jp/

《申し込み方法》

       こちら  までメールにてお申し込み下さい。

   予約確認のメールを返送させて頂きます。

   FAXでもお受けします。03-6279-5102 六然社 担当山本

        予約完了後、下記口座への振込みをお願いします。 

 ※お振込み期限 4月20日(金

   郵便振替 :口座番号  

有限会社 六然社  00150-4-44092

《  

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2007年4月 4日 (水)

白忍者からの追伸

 白忍者さんから前回の「タレント」に続く投稿です。この調子で連載をして頂けたらなぁ・・・(笑)。先生、治療の合間を縫っての投稿待ってま~す。それでは以下↓。

追伸

 また、タレントは「他連人」「多連人」でなければならい。
他人(他人行儀ではなく)と連なる人、多方面(多分野)と連なる人、 それらが「幅」というものであるが、 個の確立なくして「連」はありえない。ただの埋没である。

 現代医学と「連」なるためには、お説拝聴では駄目で、 鍼灸固有の論理と技法を身についているのが最低条件であろう。 母校はそんなことすら分からない凡暗ばかりである。
そういえば、そのうち改名するそうな。 同窓会紙によれば、「明治国際医療大学」だそうな。 日本初の鍼灸大学の威厳にかけて、 後発の関西医療大学・森ノ宮医療大学と一緒はヤダってことで、 「国際」をかませたのだろうが、 この二文字を挿入することによって、立場が後退している、 逆に後発のイメージを植えつけるってことに気づかないのだろうか? どうせなら、「宇宙」とか「世界」とか、もっと大きく出たら、 新興宗教っぽくっていいと思うのだが…… 。書名もそう、難経が八十一難経になり、黄帝八十一難経になり、 王翰林集註黄帝八十一難経になり、名前が長くなれば長くなるほど 後代のものなのだが……
 人付き合いもそう、自己の確立が前提条件である。 確固とは確個であり、格好がつくというものだ。 鍼灸師という立場から、何が言え、何が出来るか。 とはいえ、「自分って、○○○○って人だから」という 思考停止と勘違いしてはならない。 「変わる気がない」のと「変える必要のない」のは全く違う。 追伸が長すぎた。そのうち別の切り口で続きを述べる。

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2007年4月 3日 (火)

白忍者「タレント性」を語るの巻

 白忍者ことシュガイザー先生からの投稿です!真夜中の『診極図説』執筆活動中に浮かんだそうです。う~ん、噛めば噛むほど的な内容です。どうぞ数回お読み下さい。以下↓。

 私の地元に法要寺という日蓮宗の寺がある。夏休みになると、境内はラジオ体操の会場となるわけだが、参道に黒地にピンク字、黄色の縁取りで「多恋人」 と掲げるスナックがあった。大人の秘め事をひと目で子供に理解させる優れたネオンである。「タレント」を当て字で「多恋人」とするのは、こうした業界 の常套手段であろう。そういえば、九大医学図書館に伺ったおり、正門の通りにも「多恋人」を見た気がする。神戸市内で車を流していて「愛弗(アイドル)」という看板をみつけた。「多恋の人」には大人の駆け引き、気持ちのやり取りが介在して人間臭さがにじみ出ているが、「愛=弗」ではあまりに守銭奴的、資本の原理に則り過ぎてはいないだろうか。恋愛もカネが解決する世の中ってことなのだろう。
 
 それはさておき、鍼灸はどうか?
 私は「多練人」であるべきだと思う。
 
 鍼灸師には「タレント性」が要求される。さもなくば、わざわざ痛みや苦しみを我慢して、実費を捻出して治療室まで何度も足を運ぶまい。
 
 電話で声を聞いただけで痛みが軽くなる
 あした診てもらえる安心感でぐっすり眠れる
 治療してもらったから安心して何々できる

 タレント性とは、決してビジュアルではない。患者の生活の一部になることである。
いざというときの安心感を提供しつづけることである。だからといって、決して依存性を与えるような真似をしてはならない。

 タレント性とは、「多」「練」によって生ずるものである。
 「多」は、はじめ「量」からこなし、しだいに「質」を高めていく。
 「練」に終わりはない。糸目もない。
 自分が納得するまでというが、じつは納得したら終わりである。

 糸目で、ラジオの話を思い出した。躾という言葉がある。躾は型に嵌めることではなく、仕付け糸のようなもの、仮縫いだという。流派・流儀に依存する輩は多い。躾けて欲しい、型に嵌めてほしい、つまり他人に依存しないと自己規定できないのである。学校教育も、流儀修得も、古典講読も、科学実験も、所詮はすべて仮縫いである。EBMなんてものは、他人の事情であって、二度と来診しないかもしれない一回性の臨床の参考には、ほとんどならない。EBMを芸術だなんてもてはやす 風潮もあるが、料理そのものより、料理のテキストや評論が好きということで、養老孟司の言葉を借りれば、スルメを見てイカが分かるか!絵に描いた餅と はこのことである。

 古典に書いてある、書いてない、といって喧々諤々するのもどうかと思う。私は古典ハンターだが、書いてある、書いてない、ってどれほどの古典を目にしたのだろうか?お里が知れる。

 流儀なんてものこそ、ふつう三年もすれば教えることは無くなるはず。多賀大社フォーラムを5回で打ち切る所以である。それでも長すぎる。よい手・よい鍼・よい文献だけあれば、流儀なんて必要なくなるはずなのだが、よい手も、よい鍼も、よい文献も、最後は自分で見つけざるを得ない。現に私はそうしている。

 学校にも携わるが、私のは狂育であって教育ではない。この道を選んだ時点ですでに手遅れだということを、ひたすら訴え続けるだけである。

 仮縫いは、学校や流派や古典やデータが与えてくれるのかも知れないが、本縫いは自分でするしかない。本縫いができた段階で、仮縫いとはオサラバホイ。 糸を抜くのも自分自身である。私は、幾つもの仮縫いを試し、何回も糸を抜き、いまだ本縫いには至らない。不安定、いな非安定を愉しめるか、それが「多練人」のタレントたる故である。型に嵌ったら懐メロ歌手……、あの人は今……、もうお払い箱である。生涯現役とは、実は本縫いをしないことで、そんなジレンマに付き合えるかが臨床家の度量のように、いまは考えている。
   

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