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2007年5月

2007年5月30日 (水)

戦国時代のハラノムシ

 「ここのところ、ブログを書いていないじゃないか。多忙な時間を割いてチェックしてやっているのに」と本屋さん経由でお叱りの声がシュガイザー先生改め鴻仁先生から届きました(笑)。下書きは沢山あるのですが、なかなか仕上げに至らなかった・・・という情況でして、とブログ上で言い訳してみたりして。

 そんな所に、タイムリーな話題が。5月27日(日)付けの、読売新聞の文化面、《本よみうり堂》のページに鴻仁先生の新著が取り上げられておりました。その日の本屋さんの勉強会にいらしていた、鴻仁先生の治療院でお手伝いをされている学生さんが持ってきてくれていたので、早速講義のサワリに紹介してくださいました。ワタシの家も読売新聞ですので帰ってから見てみると、載ってる載ってる(当たり前か)。

 見覚えのある赤い表紙がキレイに映っておりまして、母に「この本はいつもお世話になっている神戸の先生が出した本なんだぁ。稼いだお金を全部本につぎ込んじゃうくらい本ばかり買っている先生でね、神保町に来たときには『またやってしまった・・・』と言いながら、両手にたっぷり本を買って帰ってくるんだよ。大体一度に段ボール1杯分、いつもそれを事務所から送ってるんだ」と自慢気に紹介してみました。凡人の母は「そんなに買い続けてどこに本を置いておくの?」と心配そうに聞いていました(笑)。

 http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20070528bk0b.htmこちらのHPで紹介されています。飛ぶのが面倒な方に下記に添付しておきますね。

『戦国時代のハラノムシ』

長野仁 東昇
出版社:国書刊行会
発行:2007年4月
ISBN:9784336048462
価格:¥1050 (本体¥1000+税)

 可愛くて笑える病魔
 副題は「『針聞書(はりききがき)』のゆかいな病魔たち」。「ゆかい」な「病魔」ってどうよ? と思いつつ手に取ったのだが、たくさんの変な生き物が踊っているように見える表紙からして、たしかに愉快至極ではある。ページを繰ると、もっと楽しい。人体に巣くう(と考えられていた)「虫」がカラーで描かれているのだが、その「虫」の容貌(ようぼう)といい生態といい、「うふっ」と笑いたくなってしまうものばかり。もっとも、原書は現在の大阪府茨木市あたりで活躍していた鍼(はり)の先生が一五六八年にまとめた病気の解説書だというから、れっきとした医学書なのであった。

 当時の人々の病気のイメージがよく伝わってくる。彼らにとっては、病気は「虫」の形をしていて、どこからともなく飛来し体に取りつくもの、あくまでも外から来るものだったのだ。

 本書に描かれた六十三種の「虫」はどれもユーモラスで憎めない。「小姓」という「虫」などは、「子供のような肌色の顔に、白くて長いヒゲをはやし」「ペチャクチャしゃべり、甘酒が大好物」。可愛(かわい)いなーと思いきや、病状の説明には「この虫にとりつかれた人は、不治の病におかされ」「いかなる名医でも治せない」とあり、外見に似合わぬ凶悪さである。ほかにもギックリ腰を引き起こす「腰抜の虫」や鬱(うつ)状態を招く「陰気」、昼寝ばかりさせる「昼寝の虫」、宿主を酒飲みにさせる「大酒の虫」など、想像力の豊かさを感じさせる「虫」が登場する。(「本の虫」がいないのはちょっと残念。)

 中国の医学古典では腹部にできる病的な結塊に過ぎない「積聚(しゃくじゅ)」(=五臓六腑(ぷ)に生じた異変)が、日本では「感情を持って動き回る自立した生命体と捉(とら)え」られた、という解説者の指摘が印象に残った。虫の音を愛(め)づる日本人ならではの身体観、なのかもしれない。薄いけれどムシできない、興味深い一冊である。

 ◇ながの・ひとし=鍼灸師(しんきゅうし)◇ひがし・のぼる=九州国立博物館研究員。

(2007年5月28日  読売新聞)

ワタシの記憶が確かならば、鍼灸師の書いた本が読売新聞の書評に紹介されたのって初めてじゃないかしら? 鴻仁先生スゴ〜い!(笑)

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祭りの後 

 鍼灸祭も無事終わりました。今年は例年以上に多くの方にいらっしゃっていただきました。実技が加わったからなのか、参加費を頂くことにしたからなのか、本屋さん曰く「タダだと人は来ないってことだね」という不思議な人間真理が現れた形となりました(笑)。

 祭礼は、今年は《和方鍼灸友の会》代表として玉串奉奠をさせて頂きました。あいうえお順なのでなんと一番最後。ワタシの前には《六然社》の本屋さん、《臨床実践塾》の○っちゃん。あいうえお順とは言え、妙に馴染むなぁこの順番と思いながら、一歩づつ進み、祭壇の前に立つと、天井が高いからなのか、神聖な場だからなのか、なんだかおでこの辺りが非常に涼しく(おでこが広いからではありません;笑)、緊張を乗り越えてスッキリとした清涼感に満たされました。「あぁ、身も心も洗われるぅ~」という浄化作用を一身に浴びた気分。普段汚れまくっているせいかもしれません(笑)。ああいう感覚って普段はありませんから、《和方》協賛のお陰で特別な一瞬を味わうことができラッキーでした。この気分を味わいたい方は、①個人でもいいから協賛する、②協賛団体で出席してない団体と個人的に繋がりをもって委託される人間関係を結んでくる、の2通りがございます。

 斯文会常任理事の田部井先生のお話は懇親会のスピーチも舌好調でございまして、大いに盛り上がりましたね(笑)。とても気さくにお話をして下さって、漢字検定のことや、湯島聖堂を良い状態で後世に残していくために、資金集めに手弁当で企業を回っていた時のお話などを含め日本文化を支える人間の熱意を感じましたです。鴻仁先生もそうですが、たまたまその分野のことが好きで好きでたまらなかっただけで、いつの間にか第一人者になっていたという風にお見受けしました。ですから、損得無しでモノを語ってしまうので、権威側からは良い印象を持たれにくい・・・、みたいなことも言ってしました。これも共通項??(笑)。でも、こういう方の意見のほうが信頼できるとワタシは思いますです。この域まで来ると、世の宝ですね。

 積聚治療を実際に見させてもらうのはワタシは初めての経験でした。1時間というとても短い時間でしたので、積聚治療の理論体系までご披露いただけませんでしたが、治療の流れが見れただけでも有意義な時間でした。懇親会の時には、配布されたプリントに書かれていた五行の配当の部分をもう少し聞きたかったので、某学校の積聚に詳しい先生を捕まえて質問してみたり、小林先生のご著書にサインをもらったりと自分なりに盛り上がっておりました(笑)。治療を受けたお姉さんにその後いろいろ感想を聞いてしまった。まあでもその話はオフレコにしておきまぷ(笑)。 

 ちなみに、田部井先生のご著書は売り切れてしまい、サインを頂けず・・・。しかし、先生は笑顔で「湯島聖堂に遊びにいらっしゃい。その時に」とのことでしたよ、皆さん。

 とにかく今年の懇親会の大盛況振りといったら!!例年の1・5倍近くの人数に何故だかなってしまった・・・。食事が足りないっ、でも美味しいお酒はたっぷり、という情況でお酒だけが進んでしまった方もいたかもしれません(笑)。今年は梅酒色々コーナーもあって、「うわぁ、これもこれも」と試飲感覚でドンドン試してしまいました。飲まないわけにはいかないでしょう~、という佐渡の銘酒《真稜》も出ていたりして、舌は大満足・肝臓は疲れ気味な懇親会でした(笑)。

 宴もドンドン盛り上がってきた頃、出席されている協賛団体の代表の方から一言もらうのが通例です。今年の本屋さんの毒舌ぶりは一聞の価値あり(笑)。いらしていない方のためにも書いて差し上げましょう。鍼灸団体と自分の勉強との関わり方を提示する発言でした。某団体の代表の先生が仰った「難経は69難だけではありません。今まで、脈診といえば脈差であったが、脈状についても難経には書かれていた」というような趣旨の発言を受け、本屋さんは非常に憤慨されておりました。最初は何に本屋さんが憤りを感じていらっしゃるのかピンと来なかったワタシであります。というのも、某団体様がやっていらっしゃる勉強会の趣旨が頭に入っておらず、その先生が言われた「69難だけじゃなかった」という言葉をそのまま受け取り、「そりゃそうだよね、だって81難もあるもんね。自分の理論に合う一難をことさらクローズアップしていらっしゃるのが、本屋さん的にはご都合主義に見えるのかな」ぐらいにしか思っておりませんでした。

 しかし、本屋さんの想いは全然違いましたです。「難経が69難だけではなかったというのは、自分がそういう間違った勉強してきた<個人史においての発見>に過ぎず、それを世紀の発見のように他人(学生達)に押し付けてはいけないんだ! 何がまずいかって言うと、個人史からスタートした勉強の仕方を会のテーマにしていること。それは鍼灸の勉強ではなく、その先生個人の生い立ちを探るようなものだから、結果的には学んでいる人に混乱を与えるだけで、悪害が非常に強いという事を自覚してもらいたい。しかも、最初から難経は69難だけじゃないんだし、脈診は脈状を見るのは当然のことだ。てゆうかまずそこからやるのが当たり前だろ! だいたい難経のどこにも脈差診て書いてないんだし」と言う意味を述べられておりました。説明してくださるうちに興奮してきた本屋さん、「(今更言われたくないし、偉そうに人前で言う事ではないんだから)恥を知れ!!」とばかりにもっと広く勉強しなきゃだめなんだと仰っているのを受け、ワタクシ自身も「あぁまずい、もっと勉強せねば・・・」と思った次第でございます。

 それにしても、この規模の実務運営を本屋さんが一人で殆どやられています。ポスター、レジメ作成、演者との打ち合わせ、お金の管理、先達慰霊牌へのお参り等々、出来てしまうことが多いと負担も多いなぁという仕事量です。故島田隆司先生が「手伝ってくれ」とおっしゃったから、事務局を引き受けていらっしゃるそうですが、大盛況の影には表に出ない相当な時間と労力がつぎ込まれているなぁと、簡単な手伝いをしながら思いました。もし、本屋さんが下りちゃったらきっと運営は難しいのではないか、と思わせるには充分なほど肩にのしかかっている訳であります(笑)。でもご本人、「10年やればいいだろ」と言ってます。来年も実技あるといいなあ。

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2007年5月18日 (金)

ご報告。第一回伝統医学史セミナー

伝統医学史セミナー感想

 このところ、講演会続きで全然感想が追いついておりませんでした。鍼灸祭まで一段落しましたので、順を追ってお知らせしたいと思います。

 4月22日(日)、京都で開かれた第一回伝統医学史セミナーは120名弱の方々がお集まりくださいました。前々から鴻仁先生(別名シュガイザー;笑。今回は真面目な会なので屋号を取ってこの呼び名です)が温めてきた医学史セミナーの記念すべき第一回。医学史でこれだけ人が集まるのもさすがは和方。今後も定例化されそうですね!

 会場に着いてみると、亜東さんと搬入を手伝う学生達がもうお仕事中。和方の会員の学生は本屋さんを見習ってか積極的にお手伝いしてくださいます。参加者なんだからやらないのが普通なのですが、この辺りから人間関係が出来ていく模様です。そういえば、本屋さんが鴻仁先生と付き合おうと思ったきっかけは、「オリエントの人なのに他の出版社の後片付けを手伝っていたから」だって以前聞いた事がありまぴた。そういう本屋さんも◎書房時代に○○書店の後片付けとか手伝っていたらしいですけど。つまり同病?(笑)

 午前9時を回った辺りから、小雨がぱらつく中、続々と受付に参加者の皆様が到着。トップバッターの演者である小曽戸先生からなんとプレゼントが!「数に限りがあるんだけど、皆さんに差し上げて」と、《武田科学振興財団 第46回 杏雨書屋特別展示会 「曲直瀬道三 一五百年の歴史」》カラー版小冊子を頂戴しました。早い者順で申し訳ありませんでしたが、手に取った方々にとっては今回の講演とかぶる内容でしたらからラッキーでしたね。

 2007年は曲直瀬道三生誕500年御薗意斎生誕450年にあたる、伝統医学史上記念すべき1年との事で今回のセミナーが開催されたわけですが、鴻仁先生講義中には意斎の鍼術=打鍼を見せてくれたりもしました。この打鍼は鴻仁先生がオーダーして独自に作ったものです。18金をたっぷり使ったこの打鍼を手にした時、鴻仁先生は「御薗意斎だって絶対欲しいに違いない!!」と絶叫したとか(多少誇大表現;笑)。でも、新幹線に飛び乗って東京の本屋さんの所まで見せに(自慢に)行こうかと思ったくらいの打鍼です。今回のセミナーは和方会員の方限定ではなかった関係で、会員以外の方も多くいらっしゃってましたが、この打鍼と30年モノの黒檀一刀彫の小槌を手に入れたいという理由も加味されて(だって和方会員限定発売の予定)、その場で会員申し込みが相次ぎました。

 因みに和方鍼灸友の会は年会費は頂いておりません。入会金1万円のみ。鴻仁先生と本屋さんが連名で書かれた趣意書に同意された方のみお入り頂いております。キャッチフレーズは《良い手・良い鍼・良い文献》。皆様から頂戴いたしました入会金は通信費やら、古書購入費の補填やら、講演者への謝礼やらとして消えてなくなります(笑)。皆様の1万円が古典ハンターを通して文化財保管運動へと実は繋がっているという事に誇りを感じて頂ければ幸いです(笑)。実際去年の多賀フォーの準備から後片付けまで裏方として手伝った立場からこっそり暴露してしまいますが、あれなりの場所でイベントをするのに、毎年ニコイチは数十万の補填をポケットマネーからされています。年会費もとればいいのに…。それから、多分冗談でしょうが、今後は入会&更新に関してテストをしようかなぁとか言っているのを小耳にしました。ニコイチのマニアックテストって一体…。300名近い会員の9割が落ちる気がする…、もちろんワタシも(笑)。ここは身を張って、制度導入を阻止します!

 最後に大浦先生による、馬場美静師旧蔵の『杉山真伝流』に収録される32症例についての講義となりました。この内容は、現在本屋さんが夜な夜な編集中の『杉山真伝流臨床指南』として刊行の予定です。著者が挿絵も描いている本というのは珍しいんじゃないかと思いますが、これがまた簡潔明瞭な絵で、漫画を上手く使って理解力の助けをいただけるのは有り難いかぎりです。ワタシも全容をまだ見ていない謎の本です(笑)。

 今回の会場手配を含め、京都の裏の裏まで知り尽くした木馬さんのサポートのお陰で滞りなく無事に第一回目を終わることができました。来年も開催を望む声が続々と届いております。

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2007年5月15日 (火)

読書感想文

 3月18日に東京で行った『鍼灸開業繁栄の秘訣』講座が終わって2ヶ月が経とうとしておりますが、今回は読者感想文なんて載せてみようかなぁ~。

 ワタシは数回読み返しておりますが、なんか毎回発見を得るのは何故だろう?? 

 著者である塚谷信夫先生の鋭い洞察力による普遍性が底辺に隈なく流れているからなのでしょう。と言いつつ、ワタシの場合は読んだはずなのに記憶が無いな…と脳細胞に貯蓄できていないことを悲しむも、いや、もしかしたら貯蓄しているはずなのに引き出せないだけなのかも知れない、何かそこを繋ぐケーブルがあればすんなりズラズラ出てくるに違いない…と、アウトプット能力が発達していないのを棚に上げ、どうでもいい言い訳を繰り返しながら、「やっぱり面白いなぁ」とだけ結局は思って読むのでした。さすが「自分が読みたい本しか出版しない」と豪語する本屋さんが出すだけの事はあると思います(笑)。

 脳細胞とケーブルとアウトプットで浮かんでくるのはやはり鴻仁先生。書籍のタイトル&著者までならいざ知らず、なんで年号まで出てくるのか!! と、ワタシはいつも思ってしまいます。その年号を言いいながら西暦でもスッと言い換える独り言。自他共に認める鍼灸オタクだけあるなぁと感心しきり。

 そう言えば、こんなことも。以前、本屋さん宅で深夜の打ち合わせ中、少し横になったまま寝入ってしまった鴻仁先生を起こしてお布団で寝て頂こうとしていた我々でしたが、「先生、お布団でどうぞ」という本屋さんの奥様の美声も一行に届かず、全然起きません…。それを見ていた本屋さんがすかさず「『○○』の出版は永禄12年」とわざと間違った年号を言ってみると、「違う!『○○』は寛永2年、1625年!」とだけ言ってまだ寝ている…。即座の反応の素晴らしさといったら(爆笑)。さすがニコイチ、お互いの刺激ポイントが分かっているなぁと妙に感心した一件でした。

 脱線してしまいましたが、『鍼灸開業繁栄の秘訣』の感想文をご紹介。この方はワタシの後輩でもある現在3年生の学生さんです。まさかブログで公開されるとは夢にも思ってないと思いますが(笑)。以下↓。

さて、鍼灸開業繁栄の秘訣を4月中に読み終えました。
前書きにもあったように現代の開業にも必要な知恵がたくさん紹介されていました。
著者はもういらっしゃらない方なのでしょうが、とても身近に感じられ、本を通じてタイムトラベルをしたような気持ちになりました。
また、山崎良斎先生の綱領の第三項には、ズキューンと射抜かれたような気持ちになり、熱い情熱に胸打たれました。
読めない漢字もありましたが、読後は興奮して友人に貸しました。それが戻ってきたのでまた誰かに貸そうと思います。良さが分かって買ってくれる人が増えるよう運動していきます。

いい本をありがとうございました。また読もうと思っています。遅くなりましたが、お礼まで。ではまた!

 このように、色んな所に六然社ファンが存在し、草の根運動を展開してくださっているお陰で、一切営業活動をしていないにも拘らず成り立っている特殊な経営の六然社であります(笑)。これも本屋さんの経営手腕の一つなのでしょう。うんうん。ここは皆様、六然社が末永く続くよう暖かく、ついでにお財布の紐も暖かく弛め、書籍の売上にご協力いただきますようお願い申し上げます!!なんちゃって。

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2007年5月 6日 (日)

鍼灸祭の見所

 ゴールデンウイークも後一日となりました。濃厚に終わった池田政一先生&長野仁先生のジョイントライブも報告はまた改めて書こうと思いますが、とりあえず、次のイベントの告知をしておきます。

早いものでこのブログを書き始めてから一年が経ちました。ご愛読頂いております皆様、お付き合い頂きましてありがとうございます。「去年も鍼灸祭のお知らせ書いたよなぁ」と思い出し、調べてみるとありました。文章が簡潔なこと(笑)。始めたばっかりでしたからねぇ。おととしはベルギービールが飲めなかった・・・との恨み言を書いておいたお陰で、昨年は友人が取っておいてくれました(笑)。今年のお酒は何だろうなぁ~、酒屋のプロ・明治屋さんだもの期待してますっ。

 さて、本題。今年は例年と違って新しいことが二つ。一つ目は今年から講演だけでなく実技供覧もしようという事になりました。 トップバッターは鍼灸祭世話人もしていらっしゃる積聚会会長の小林詔司先生です。腰痛治療に関しての実技をご披露いただきます。モデルは当日会場から選びますので、ご希望の方は脱ぎやすい格好でいらしてください。ただし、本当に腰痛がある方を優先します(笑)。

 次に、協賛団体からの寄付金だけで今まで運営しておりましたが、今後の運営維持を考慮し、今年から参加費をワンコイン500円だけ頂くことになりました。より良い発展のため、ご了承いただければ幸甚です。毎年毎年協賛いただいている関係者に加えて、今年は本屋さんの私的ファンの集い(ウソ:笑)関西の学生交流会のささやき様、謎の団体長春会様からも協賛表明が!   この業界って本当に人間関係というか、人のつながりで広がっていくんだなぁと改めて実感した次第です。和方鍼灸友の会も当然のように協賛いたします。

 参加費を頂くに当たって、例年とは違い、受付を必ずしていただくことになります。場所は2つ。4時半から予定されている懇親会(参加費3000円)に参加される方は、1時から始まる湯島聖堂大成殿入り口にて参加費と合わせて(3500円)をお納め下さい。名札兼領収書のバッチをお渡しいたしますので、胸に付けて特別講演会会場へお進み下さいませ。 因に、懇親会は当日参加OKですが、一応定員があります。つまり先着順。予めかじめ我こそは、という方は、事前予約も可能ですので、こっそり(笑)メールを下されば人数枠を確保しておきます。

 特別講演会のみのご参加であれば、講堂入り口の受付にお立ち寄り下さい。例年立ち見が出る講堂に入りきれない場合に備えて、映像でご覧いただける別室を今年も用意しておりますが、こちらへ入る前にも受付を済ませてからお席について下さいますようお願い致します。受付では胸に貼るシール兼領収書をご用意しております。うっかり受付をせずに中に入ってしまった方へは黒忍者からの必殺技がお見舞いするかも知れません。技をかけられたい格闘技フェチの方は素通りでお入りいただき、「今か今か」と来るべき戦慄をお待ち下さい(笑)。ただしどうなっても知りません。できましたら、お釣りの無いよう500円ちょうどでお支払いいただけると大変助かります。

 先日本屋さんが講義にお呼ばれした、徳島県鍼灸師会の会長もいらっしゃるかも知れないとのことで、こんなに早く実現するかも知れない再会も楽しみの一つです。この会長さんは本屋さんと同じ匂いがするのであります。既存の古びた機能停止状態の団体などとは大違い、とてもアクティブに鍼灸の普及を仕掛けてらっしゃいます。個人的にやっている方は多分日本中に草の根的にいらっしゃることと思いますが、社団法人でこういう活動をしているんだぁ~と、あまりこの業界に詳しくない(ダークな面はやけに詳しくなってしまったが:笑)ワタシは感激いたしました。

 会長さんを筆頭に数名の鍼灸師が月に2回、お寺でお灸治療会を開催して早10年になるそうです。会長になる前からやっていることだそうですが、若手の鍼灸師を育てる場でもあり、無料治療会を通して鍼灸の一般化を図っているとのお話はまさに『鍼灸開業繁栄の秘訣』ネタ(弊社発行:お手元に無い方はご注文下さ~い)。同じようなことが書いてありましたね。お灸を通して鍼灸が日常化するのが狙いですから、《無料》が意味のあることなのです。この活動がテレビなどのマスコミで取り上げらることも多々あるそうです。

 他にも小児鍼をアレンジした《親子スキンタッチ教室》。「指導するためには小児鍼や東西医学の知識が必要だが、鍼灸師が活躍できるフィールドを広げることで、社会的地位の向上につながるのではないか。信頼ができれば鍼灸院にも健康相談に訪れてくれるようになる」と、この活動が未来の鍼灸師のためになると会長さんはあるホームページの記事でコメントされていました。加えて、市民セミナー等へも打って出ているそう。治療の前に家庭でできることをネタに、話の上手くない新米も最初は紙芝居からでも、どんどん前へ出していくと数回でやみつきになる、とのことでした。素人さんに上手く《伝える》と言うのは、患者さんと一対一で向き合っているときにも生かされます。本屋さんがよく言う、「鍼灸師はアナウンスはできてもコミュニケーションする気がない」という前段階「アナウンス」を磨く荒修行みたいなもんですかね。じゃぁ「コミュニケーション」は?と思う勿れ、この会長の動きを見ていれば、後進は必ずコミュニケーション能力が身につきます。本当にお話が面白い!四国は初めてだったワタシは「大阪人ぽいね」と高知出身のレベル3に聞いてみましたが、四国の中でも徳島は特に大阪気質なんだそうです(笑)。天性のものかとばかり思っていましたが、海を渡って落語の師匠に付き、噺を勉強されているとのことで、これには頭が下がりました。とにかく一般の人をどうやって鍼灸に目を向かせるかという事に、真摯に取り組んでおられるのです。

 目の付け所が機能停止鍼灸師会とは違います。「『千と千尋』の1コマにでもお灸をするシーンが入っていたらどうだと思う?世界中に日本の文化として認識されるでしょ。この絶大な効果に投資するぐらいの活動をしたらええんや」との言葉に、「無資格者を取り締まれ」と数パーセントの受療者を奪い合う小さなシェアしか見ていない、どん詰まり経営方針ともいえるヒモジイ心とは一線を介するなぁ~と思いましたです。1割にも満たない顧客を奪い合うより、残り9割をどうやって開拓していくか、教育していくかを実地で行っている徳島鍼灸師会なのでした。こういった視点も本屋さんはよく講義中に言っていましたね。学生の皆さんはこのうような活動を実際にされている先輩に近づいてみるとイイコトがあると思いますよ。よい刺激がどど~んと入りますから(笑)。(どどーんと言うと思わず笑ってしまうのが、最近本屋さんがお気に入りのギャグ「金ちゃんノドンといってみよう」です。日本語って面白いですね;笑)

 社団法人 日本鍼灸師会のホームページに載っていた「全国47都道府県鍼灸師会と協調して、会員の資質の向上と、鍼灸師の社会的地位の向上や国民に対して鍼灸医学の啓蒙のため活動をしております。」の実際の活動とはこういうことなのかぁと納得しました。

第28回 鍼灸祭(流派・団体を越えた鍼灸振興の集い)

日時:2007年5月20日(日) 13:00~

場所:13時~ 祭礼 (湯島聖堂大成殿) 
    14時~   特別講演会  (講堂)

講演: 演題1 「漢字・漢語の話」 田部井 文雄先生(財団法人 斯文会理事)

     演題2 「例えば腰痛の積聚治療」 小林 詔司先生(積聚会会長)

参加費:500円

懇親会:湯島聖堂講堂  (懇親会費:3000円)

鍼灸祭は、昭和40年から59年まで20年間にわたり四世鍼師神戸源蔵氏の発案と世話人(岡部素道、丸山昌朗、石原明、石野信安、工藤訓正、小野文恵、深谷伊三郎、奈良守康、竹山晋一郎、井上恵理、神戸源蔵の各氏)らの尽力により、「鍼と艾に感謝し鍼灸縁者の慰霊をするために」東京浅草の伝法院で行われていた“はり灸まつり”の意思を継承し、鍼灸の啓蒙と普及のために復活させたものです。5月20日に当日に先立ち、5月15日(火)は、浅草五重塔に安置されている位牌(施主先代神戸源蔵氏)の参拝法要日となっております。ご縁の方はご参加下さい。因に本屋さんは毎年行っております。ご同行したい御方はこっそりメール下さい。お参りの後の浅草散策で一緒にうまいそばが食べられるかも(笑)

注:鍼灸祭当日会場にて鍼への感謝を込めて廃鍼の回収を受付けます。
  (但し一人9本まで)

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2007年5月 1日 (火)

ゴールデンウィーク突入

 もう世間はゴールデンウィークなのですね。本屋さんとは一日の稼動時間が全然違いますが、ほぼ毎日稼働日なのですっかり分からなくなっています(笑)。

 さて。ゴールデンウィーク本番の4,5日は『診極図説』&『難経真義』講座の2日間です。学生時代から含めて、色んな先生をお呼びしての講演会を開催して来ましたが、池田先生ならではの特徴は海外からのお問い合わせがあることですね。書籍の注文もアメリカ、ニュージーランド、イギリス等からありました。書籍を送る際のサル便のやり方を覚えましたなり(笑)。あの伝票を使うと値段が倍増するのです。ご注意。それから、ローマ字で日本語標記してのお問い合わせに、「読めなかったら英訳して再送します」とだけ英文で書き、後は日本語という半ば投げやりな返信文を送ったりもしましたが、あとでこっそり本屋さんがなにやら日本語の部分を英訳してくれていました。お手数かけます(笑)。

 5月4日の講演会当日に『難経真義』書籍の配布がございます。ご存じない方がもしいるとイケナイので予めお伝えしておこうっ!重厚感溢れる『難経真義』は当然のことながら重い・・・のです。大きいのです。約1・5㎏ございます……鍼灸治療院において、五十肩の患者さん等のアイロン体操にも使えるとか使えないとか、本気で言ってるんだか冗談なんだかたまに分からなくなる本屋さんの発言です。というわけですので、お鞄はそれなりに軽いものでおいで下さいね。

 午前中の『診極図説』では、シュガイザー先生が先日電話でお話されていた「腹診の最古の文献にぶち当たったよ!」という辺りの話も聞けるそうです。先日の第一回伝統医学史セミナーで、古典の面白みを共有した方々も多かったようで、和方への入会がどっと押し寄せています。ワタシがお世話になっている先生もいらっしゃっていましたが、これを機に和方へのご入会、そしてもう多賀フォーの日程を空ける予定を組んでいました(もちろん『新日本鍼灸楽会草子』は購読済み、本屋さんはこの本を持っていない人は和方会員と認めない…位の勢いです;;笑)。相当のお勉強好きの先生ですが、「オタクの仕事はさすが!」と絶賛だったのに加え、春の京都という開催地が満足度を更にアップさせたそうです。確かにセミナーの後にくっつけて小旅行ができますもんね。来年も京都で開催がいいなぁ。他にも参加者の方からこんなメッセージが…↓。

 先日はお世話になりました。京都は二日とも、とても興味深く勉強させていただきました。歴史を知っても臨床には関係ないな~と思っていたのですが、今日患者さんをみて間違っていたことがわかりました。患者さんをみるときの自分の心の持ちようであるとか意識する場所が違っていて、自分でも驚きました。発見です。参加させていただきありがとうございました。

さて、次なる発見を求めて(笑)4/29と5/27の《身体作り講座》と《井穴刺絡講座》への参加を申し込みます。よろしくお願いします。

 この方も和方へ入会されて半年位ですが、すっかり自分の臨床が変わったようですね。関西圏の先生ですが、東京、四国と距離を気にせず参加する族のお一人です(笑)。こういう行動派が本当に多いのが和方の特徴かも知れませんね。ゴルゴ先生のブログにもありましたが、「治療法を熱心に研究する」先には仕事(=患者)が待っているわけです。駆け出し2年目のワタシですが本当にそれを実感する日々です。自分が動くと色々とくっついてきますね(笑)。

 脱線しましたが、4日にはシュガイザー先生が編者を務められた『戦国時代のハラノムシ~『針聞書』のゆかいな病魔たち』を持っていきます。この内容が1000円かぁ・・・と驚きです。ハラノムシの解説だけでも素晴らしいのに、P82から続く内容が濃いぃ!!これは腹診を学ぶ上では押さえておかねばならぬ、というか是非とも近道という気がしてならない内容です。人数分あるかなぁ~なんて(笑)。ご安心下さい。

 因に、先日の京都セミナーでは、亜東書店さんの一日の売り上げ最高金額を更新したそうであります。全日本鍼灸学会よりも、伝統鍼灸学会よりも、経絡治療学会よりも、参加人数も少ないのに、和方鍼灸友の会の面々の集まる会はいつも書籍売り上げはダントツぶっちぎりで上を行くようです。さすがマニアの会(笑)。ワタシもそのうち言ってみたいです「ワタシより本を読んでいない人に負けるわけない!」って。シュガイザー先生も本屋さんも、レジュメ無し、資料なし、準備なし、ついでに前日の睡眠時間なし、でも2、3時間平気で講義が出来ます。横から見ていて、これもやっぱり、日頃の読書量の違い、目の付けどころの違い、発想の違いなんだろうなぁと思います。 

 発想と言えば、六然社で働いていて、ワタシは(ワタシからすれば)ほんの些細な事で文句を言われる事があります。なんでこんなことどうでもいいじゃん、だったら、もっと机の上整理しろよ、とか思ったりもするわけですが、先日、ついに見かねた本屋さんに、「なんでコレをウルサく言うのか説明しなきゃ分かんないようだから言うけどさ」と言って説教されてしまいました。結局「これと治療は同じ」って話なんですけど、その話はまた今度。

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトや こちらのウェブサイトから購入出来ます★★★

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