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2007年5月30日 (水)

祭りの後 

 鍼灸祭も無事終わりました。今年は例年以上に多くの方にいらっしゃっていただきました。実技が加わったからなのか、参加費を頂くことにしたからなのか、本屋さん曰く「タダだと人は来ないってことだね」という不思議な人間真理が現れた形となりました(笑)。

 祭礼は、今年は《和方鍼灸友の会》代表として玉串奉奠をさせて頂きました。あいうえお順なのでなんと一番最後。ワタシの前には《六然社》の本屋さん、《臨床実践塾》の○っちゃん。あいうえお順とは言え、妙に馴染むなぁこの順番と思いながら、一歩づつ進み、祭壇の前に立つと、天井が高いからなのか、神聖な場だからなのか、なんだかおでこの辺りが非常に涼しく(おでこが広いからではありません;笑)、緊張を乗り越えてスッキリとした清涼感に満たされました。「あぁ、身も心も洗われるぅ~」という浄化作用を一身に浴びた気分。普段汚れまくっているせいかもしれません(笑)。ああいう感覚って普段はありませんから、《和方》協賛のお陰で特別な一瞬を味わうことができラッキーでした。この気分を味わいたい方は、①個人でもいいから協賛する、②協賛団体で出席してない団体と個人的に繋がりをもって委託される人間関係を結んでくる、の2通りがございます。

 斯文会常任理事の田部井先生のお話は懇親会のスピーチも舌好調でございまして、大いに盛り上がりましたね(笑)。とても気さくにお話をして下さって、漢字検定のことや、湯島聖堂を良い状態で後世に残していくために、資金集めに手弁当で企業を回っていた時のお話などを含め日本文化を支える人間の熱意を感じましたです。鴻仁先生もそうですが、たまたまその分野のことが好きで好きでたまらなかっただけで、いつの間にか第一人者になっていたという風にお見受けしました。ですから、損得無しでモノを語ってしまうので、権威側からは良い印象を持たれにくい・・・、みたいなことも言ってしました。これも共通項??(笑)。でも、こういう方の意見のほうが信頼できるとワタシは思いますです。この域まで来ると、世の宝ですね。

 積聚治療を実際に見させてもらうのはワタシは初めての経験でした。1時間というとても短い時間でしたので、積聚治療の理論体系までご披露いただけませんでしたが、治療の流れが見れただけでも有意義な時間でした。懇親会の時には、配布されたプリントに書かれていた五行の配当の部分をもう少し聞きたかったので、某学校の積聚に詳しい先生を捕まえて質問してみたり、小林先生のご著書にサインをもらったりと自分なりに盛り上がっておりました(笑)。治療を受けたお姉さんにその後いろいろ感想を聞いてしまった。まあでもその話はオフレコにしておきまぷ(笑)。 

 ちなみに、田部井先生のご著書は売り切れてしまい、サインを頂けず・・・。しかし、先生は笑顔で「湯島聖堂に遊びにいらっしゃい。その時に」とのことでしたよ、皆さん。

 とにかく今年の懇親会の大盛況振りといったら!!例年の1・5倍近くの人数に何故だかなってしまった・・・。食事が足りないっ、でも美味しいお酒はたっぷり、という情況でお酒だけが進んでしまった方もいたかもしれません(笑)。今年は梅酒色々コーナーもあって、「うわぁ、これもこれも」と試飲感覚でドンドン試してしまいました。飲まないわけにはいかないでしょう~、という佐渡の銘酒《真稜》も出ていたりして、舌は大満足・肝臓は疲れ気味な懇親会でした(笑)。

 宴もドンドン盛り上がってきた頃、出席されている協賛団体の代表の方から一言もらうのが通例です。今年の本屋さんの毒舌ぶりは一聞の価値あり(笑)。いらしていない方のためにも書いて差し上げましょう。鍼灸団体と自分の勉強との関わり方を提示する発言でした。某団体の代表の先生が仰った「難経は69難だけではありません。今まで、脈診といえば脈差であったが、脈状についても難経には書かれていた」というような趣旨の発言を受け、本屋さんは非常に憤慨されておりました。最初は何に本屋さんが憤りを感じていらっしゃるのかピンと来なかったワタシであります。というのも、某団体様がやっていらっしゃる勉強会の趣旨が頭に入っておらず、その先生が言われた「69難だけじゃなかった」という言葉をそのまま受け取り、「そりゃそうだよね、だって81難もあるもんね。自分の理論に合う一難をことさらクローズアップしていらっしゃるのが、本屋さん的にはご都合主義に見えるのかな」ぐらいにしか思っておりませんでした。

 しかし、本屋さんの想いは全然違いましたです。「難経が69難だけではなかったというのは、自分がそういう間違った勉強してきた<個人史においての発見>に過ぎず、それを世紀の発見のように他人(学生達)に押し付けてはいけないんだ! 何がまずいかって言うと、個人史からスタートした勉強の仕方を会のテーマにしていること。それは鍼灸の勉強ではなく、その先生個人の生い立ちを探るようなものだから、結果的には学んでいる人に混乱を与えるだけで、悪害が非常に強いという事を自覚してもらいたい。しかも、最初から難経は69難だけじゃないんだし、脈診は脈状を見るのは当然のことだ。てゆうかまずそこからやるのが当たり前だろ! だいたい難経のどこにも脈差診て書いてないんだし」と言う意味を述べられておりました。説明してくださるうちに興奮してきた本屋さん、「(今更言われたくないし、偉そうに人前で言う事ではないんだから)恥を知れ!!」とばかりにもっと広く勉強しなきゃだめなんだと仰っているのを受け、ワタクシ自身も「あぁまずい、もっと勉強せねば・・・」と思った次第でございます。

 それにしても、この規模の実務運営を本屋さんが一人で殆どやられています。ポスター、レジメ作成、演者との打ち合わせ、お金の管理、先達慰霊牌へのお参り等々、出来てしまうことが多いと負担も多いなぁという仕事量です。故島田隆司先生が「手伝ってくれ」とおっしゃったから、事務局を引き受けていらっしゃるそうですが、大盛況の影には表に出ない相当な時間と労力がつぎ込まれているなぁと、簡単な手伝いをしながら思いました。もし、本屋さんが下りちゃったらきっと運営は難しいのではないか、と思わせるには充分なほど肩にのしかかっている訳であります(笑)。でもご本人、「10年やればいいだろ」と言ってます。来年も実技あるといいなあ。

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトや こちらのウェブサイトから購入出来ます★★★

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