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2007年7月 4日 (水)

本屋さんの教授法

 本屋さんが、あるスペシャルな人に散鍼の手ほどきをしはじめました。
「指サックをするような鍼灸が流行る世の中になってほしくない」と思っている本屋さんは、「真っ当な散鍼が出来る人は絶対指サックはしないだろうから」という理由で、本気の人には本気で教えるみたいです。

 そのレッスンに同席させてもらいました。実は、その日のレッスンの前に、一通りのレクチャーはもう済んでいたので、散鍼の出来具合は別として、手のエクササイズはワタシだって一応知っているので、多忙な本屋さんに代わって(その日は日曜日の朝でした)、手の動きの復習ぐらいならワタシが・・・と立候補してみた所、

 「貴方は何にも分かってない」と・・・。
 突然の奇襲に些かワタシがムッとしていると、本屋さん曰く、「じゃあ、会って最初に何するの?」
 元気よく、「一緒に一からやってみましょう!」とワタシ。

 「・・・」しばし沈黙する本屋さん。…………、(あ、怒った…)

 結局、「まあ、今日僕が帰りにバイクで事故って死んだりしたら貴方に行ってもらう事になるから言っておくけど」と、いつもどこかで「死」を念頭においている本屋さんはしゃべり始めました。

 「あのね、まず相手の頭の中と身体に何が残っているのかを確認する作業が必要なんです。そしてその時にそのひとの思考パターンとか気にするポイントとか陥りやすい部分とかが分かるから、それぞれの部分に楔を打つように固定するものは固定、固定しちゃいけないものは動かし続けながら、ある時は隙間を埋めるように、またある時は一度解体するようにして、もちろんちゃんと組み直して、そうして全体のレベルをあげていくんですよ」

 会って、「せーの」で一緒に稽古をやるんじゃ、相手の頭にある回路を見る前に全てを台無しにしてしまうと言うのが分かってなかったんですね。気付かされると、これってすごく危険技。本屋さん曰く、前回の稽古で相手の回路に何が残っているかを見極めて、抜け落ちたものをできるだけ思い出させるように仕向けるのがまず第一歩。「記憶する事が大事なんじゃなくて思い出す事が大事なんだ」とのことでした。

 その上で、どうしてこの動きが必要か、どこがポイントになるかといったことを上塗りして行って、頭に回路を作ってあげると、それが動作として可能になってくる、と。

 う~ん。奥深いっ!!
 ここまで相手のことを考えてモノを教えてくれるのかぁ。きっとワタシもそういう恩恵に与っているんだろうけど、その読まれ方は全然分かっていなかったのであります。

 普段から本屋さんは机の周りは散らかっているとか(頭の中が整理されてればいいんだとか言い訳してました)、あんまり細かい事は気にされないんですが、「アナタは2穴パンチの穴の位置が毎回正確に同じ位置に開けてない!」と、ワタシに文句を言うのが不思議だったので聞いてみた事がありました。そうしたら、「目分量で正確な位置が毎回分かるようにする能力が患者さんの身体の歪みを見て取る能力を磨くのと一緒だから」と言われてしまいました。「○○と××も結局一緒でしょ」というのは本屋さんがよく言う言葉です。「えーっ、そんなんありかあ!」と思う事もありますが、確かにうなずける事や目からうろこの事も少なくありません。

 ということで、代理人としては役不足、単なる見学者として、頭の回路の作ってあげ方を見に行って参りました。

 そういう目で本屋さんの教え方を見ていると「なるほど~、にくいねぇ」という手順を踏んでいきます。人に伝えるやり方ってこういう事なんだな、というのがちょっと見えた気がします。

 今回のスペシャルな方への教え方は久々に見る最高級バージョンでしたね(笑)。あれで、相当回路が出来たのでは、と思います。以前、本屋さんが散鍼を教えている学生さんに「バッタモノになるのが嫌だったら、ちょっとでいいからマンツーマンでやる時間を持った方がいい。居酒屋で10分程隣に座るだけでも違うから」と言っていた意味が分かったような気がしました。確かに、個人レッスンは違いますね。

 ああ、でもこれもスペシャル様が繋がったネットワーク筋(元をただせばレベル3)だから実現されたんだと思います。ついでに、なんで、ああいう教え方が出来るのか聞いてみると、「自分の師匠がそうだから」という答えでした。

 本来、このようなやり方が本屋さんのオーソドックスな教え方です。
ワタシがお願いしているような多人数相手の勉強会ではなかなかこうはいかないので、あの勉強会はある意味では機能しない部分があるのは承知なのですが(「多人数だと、結局下にレベルを合わせなきゃなんないでしょ」とも言われました)……。ただ、大勢で一緒にやっていても、そこから人間関係を構築していって自分なりに抜きん出てくる人もいるわけですから、無駄ではないと思って乗り気で無い本屋さんにムリヤリお願いし続けているわけです。

 幾多の人が「教えて下さい」攻撃を本屋さんに仕掛けていますが、今回のように全面協力パターン2割、玉砕パターン7割ですね。残り一割はボーダー(笑)。ある意味両極端。大体ファーストコンタクトで判断されてしまいます。本屋さんはリターンマッチは受けますが、リベンジしてくる人はさらに少ない(笑)。残念ながら、どちらかというと、「どうして僕が自分の時間を割いてまで付き合ってあげなきゃいけないの?」と思わせちゃうのに成功する運びが多いのです。でも本当は休日返上して全面協力というのが本屋さんの教え方ですから、何かハードルになっているものを超えればその閾値には入れるわけです。ワタシが観察している内では、その方の情熱というか本気度と同時にどれだけ社会を見ているかをも推し量っている気がしますです。口ではやる気ありと言っても、実はやるべきことやってないのが分かるとか、(ちゃんと理解してればいいんですけど)勝手にアレンジして適当に他所で教えちゃってるとか、社会的な常識が普通にないとか、自分の利益しか考えてないとか、目が厳しいんですよ(笑)。

 と言いつつ、自分も内心ヒヤヒヤいつもしております。

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