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2008年6月

2008年6月19日 (木)

7月寺子屋開催のお知らせ

 全4回の寺子屋が先週の日曜日に終りました。内容はこれまた濃いものでしたが、ご本人曰く「全然ツボの話が出来なかった。こんなんで良かったのかなぁ」としきりに反省しておりました。でも、誰からもクレームがありませんので良いのだと思います(笑)。臨床に使える凄いヒントとかは結構ありましたしね。実際に話を聞いた方は絶対に御自分の臨床が変わったものと思われますが、不満に思われている方はフェイドアウトされる前に是非一言おっしゃってくださいね(笑)。本屋さんにタブーはありません。今後の運営の参考にさせて頂きます。

 さて。感想(?)を書く前に今後の事を。飛行機を取るから教えて~、と九州方面の方から連絡が入っておりまして、急がなきゃと思ってブログを書いています(汗)。実は前回寺子屋の際にはもう参加希望を取っておりまして、残り枠は10名ない程度です。ご希望の方はお早めにお問い合わせ下さい。詳細は追ってご連絡します。

日時:7月20日(日)、第一部12:00~13:45、第二部14:00~15:45

場所:門前仲町・清澄白川から徒歩10分

第一部:本屋さんの解説付き読書会

第二部:身体作り

第一部の読書会ではテキストを使って、「臓腑の陰陽と経脈はどのように対応しているのか」、「標本理論は臨床取穴にどのように意味があるのか」、「胃経はどうして陽経なのに陰である腹部を順行するのか」、「刺入の深さは何を基準にするのか」、「お灸の補瀉はどのように行うのか」・・・といった108項目の中からセレクトして一気に講義をしていただく予定です。もちろん、108全てができるわけではありませんので、主要な所を解説して頂き、後は自宅学習(笑)となる予定です。

第二部の身体作りですが、今回は初回の方も入られるので基本姿勢3パターンをきっちり見てもらおうと思っています。

以上。ご興味のある方はこちらまでメールにてお問い合わせ下さい。詳細を送ります。

 詳細を書くのは無理なので、今回の話題や資料いろいろをざっと紹介しておきます。1・高木智見著の『古代中国における身体と自己』。2・唐沢なをき・よしこ著『けんこう仮面』。3・横尾忠則のエッセーの中の「命の恩人は、変わり者の鍼灸師」。4・雑誌『東洋医学』で本屋さんが昔書いた取材記事「高野流圧診医学」。5・木田元×三浦雅士の対話「身体論としてのハイデッガー」も前回の話題との関連から紹介されていました。もちろん、本屋さん自作の経絡経穴資料もあったのですが、経絡経穴を語るには一応、気府論、気穴論、背兪篇、本輸篇、経脈篇(これには本屋さんは批判的でしたが)等を見ておく必要があること、気穴と経穴とは臨床的に捉え方が異なるかもしれない事、同じ地平で語られる360の経穴だけれど、それぞれフェイズがあるのではないかと思っている事、等々を語っていました。 それから、前回、本屋さんは、手のあるツボを使うと体幹部のある部分の圧痛が8割くらいの人で解消されると言う話をしました。その際に「こういう事をしてみせるとツボとか経絡ってあるんだってのが分かって患者さんを納得させられるんですよ、そうやって騙して(笑)下さいね」といってまぴた。ところが今回、「冗談で言ったのに、ほんとにそんなんで患者さんを騙せたって喜んでいる人がいたんでビックリしている」・・・と。「そういうことはさりげなくやる事であって、学生同士で確かめあうのはまだしも、鍼灸や経絡経穴の面白さはそんな低レベルのもんじゃありませんから」って強調していました。

 時間的に制約もあり、経絡経穴に関する話があまり出来なかったとおっしゃる本屋さんですが、それに代わって東洋医学的世界観を随所にお話された4回でした。そうは言いつつ、耳門と聴宮の使い分けの話や、中渚が毛深い人は○○が×な人が多いとか、ニトロを服用中の人は○○穴を使わない方が良いとか、漢方薬の目からウロコの話などなど、細かな臨床直結話や頭に残る糧が沢山出ていまぴた。  

 身体作りでは前回こじんまり会でやった技などの説明をここでもしてくださいました。「おいおい。身体作りじゃなくて実技講習会じゃないかぁ~」と言うすごい展開でした(笑)。「例の手技」を各自がちゃんと出来てるのかどうか自分で確認する為に自分で自分を緩める方法とか、仙腸関節の面圧のかけ方などなど。こじんまり会に参加された方の復習会になるようにも、その他の方にとっても知っておいた方が良いからという、本屋さんの心配りであった模様。みなさん食い入るように真剣そのもの。ただ、いとも簡単にやってのけてしまうので、どこがポイントなのかは見慣れていないと見えてこないものです。一つの動作にあらゆる要素を落とし込むので、見逃しがちです。アレコレバージョンをやってくださったのですが思わず「うぅ~、にくいねぇ」と唸ってしまうとっておきの技が最後にオマケとして入っていました。足を伸ばす一連の動作で、あそこまで決められるって。完成度があまりにも高く、美しい。ワタシ的には踊りを見ているような感覚でした(笑)。隣で見ていた手技療法歴15年の○っちゃんも、首を振りながら声にならない笑いをしていました。「脱帽」という感じでしたね。質問がないから皆さんパーフェクトに理解されたんだろう、と本屋さんは思っているようですが、多分、何を質問していいのか分からないというのが実態ではないかと思っていますがどうなんでしょう? 鍼灸関係でない、一般の方も参加しているのですが(知り合いの方々)、こういった臨床直結の会でも不満に思わないようで、今後も参加される意欲満々でした。次回は初参加の方もいらっしゃるでしょうから、通常の動作をもう一度おさらいする予定です。

 それでは7月ご希望の方はお早めにお問い合わせくださいね。6月の経絡経穴をお休みの方で引き続き7月の講義・身体作りに参加御希望の方も再度申し込んで頂かないとお席がない可能性が高いので御注意下さい。

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2008年6月14日 (土)

手技勉強会感想

 先日、告知どおり手技勉強会が開かれました。その感想をば久しぶりに長々と書きましょう(笑)。

 場所は今度ワタシが開業する治療室。こじんまりとした空間ですが、結構良かったです。自分で言うのもなんですが(笑)。専門家に特注したベットを机代わりにして参加者が輪になり、前では本屋さんがホワイトボードに書きながら説明。実技ではベットに参加者が次々と乗って、手技を受けるところを近距離で凝視タイムとなるわけです。熱心に聞き入る皆さんを見ていて、目には見えない良いモノがワタシの治療室に蓄積されていくような感じがしてすっかり良い気分でした。こういうものが蓄積された部屋だと治療が上手く行く気がしますから(笑)。

 最初の1時間ちょっとは座学でした。天丹人丹地丹の話とか、操体法の歴史を順を追って説明するとか、超簡略的に本屋さん得意のまとめ技が炸裂。仙道の話もでてきましたし、修身斉家治国平天下、などという聞き慣れないフレーズがポンポン出ました。「ツボなんて頭の中の問題だから。ツボを感じるのは脳」と言い切ってみたり、「鍼灸師は証なんて立てるより前にやる事はいくらでもある」「病名治療もできなくちゃダメ」「体をちゃんと見てない人が多い」「小手先の技が大切です」と、言葉だけ読むと誤解されそうな内容をしきりにおっしゃいます(笑)。

 その後実技へ。例の手技(呼称がないと不便だから名前をつけてくださいとお願いしたんですが却下されました;笑)が出来ているかを自分の体で確認する方法をみんなでやってみることひとしきり。この手技を教えてもらってから、ツボの取り方が飛躍的に上手くなったと自分では思います。まじない、薬、知恵神である少彦名尊の子孫と言われるそうであるこの特徴的な指の曲がり方を学生時代に聞いたときは「ワタシは曲がらないや。子孫じゃないのか、ちぇ」とだけ流しましたが(笑)、ツボを取る時にこの形を意識すると意外とできるものですね。実際にこの指の形で取穴すると、その場にすごい集中できます。本屋さんが言っていましたが、伝説もあながち侮れないというか、実はそこにエッセンスが潜んでいたりするもんだと。

 その後は例の手技を越えて、一発療法がどんどん出ます。「これはこうやった方が実は早く取れる」という本屋さんの引き出しを惜しげもなく披露。肩井の凝りは○○で取る、肩甲骨間の椎骨際に出る針金状の凝りには○○に針をどのように打つと効くとか。腰痛を仰向けで取る方法から胸脇苦満を一発で緩める療術などなど。卍の鍼等々。ついちょっと前「ツボは脳にある」と断言していたはずが、尺沢や三陰交のリアルな取り方を説明。だいたい力のある臨床家の先生方って、こういう多層性・多重性の考え方をお持ちですよね。○が基本だけど、こういう条件なら△、こっちなら□・・・とか。確かに本屋さんに言われたように三陰交を取ると、肋骨からお腹に向かってチリチリ感が出るんです。「お、チリチリ来るなぁこの場所」と思いながら押していたら、「大絡って言葉もあるけど、脾経は大包で集約されますからね」という本屋さんの何気ない声が耳に入ってきて、納得。このピンポイントさが臨床を左右するわけです。

 いつものことながら、予想通り時間を大幅に(!)オーバーして終了。これだけ少人数ですと質問も出やすく、終わりがなかなか見えてきません(笑)。こういったやりとりで得られる貴重な情報も多いですから、どんどん発していただきたいものです。

 このような少人数限定会はワタシが推し進める(勝手に)プロジェクトの筆頭にございます。といいますのも、寺子屋スタイルでは教える側、教わる側にとっても限界がどうしても出てしまうのです。大勢の方がいる前では質問も出づらいですし、「少人数で相手の反応を見ながら教えるのが本来だ」と常々おっしゃる本屋さんの意図を実現できる場が、少人数制の実技講習会なわけです。

 寺子屋スタイルは話を聞いて刺激を受ける場ですから、それはそれで大切だと思っています。お話の中で色んなお題を頂くわけで、皆さん色々と深く考えることを始められるきっかけになると感想を頂きます。なので続けますよ~。身体作りもああいう広さがないとやれないですしね。ただ、寺子屋の中で出来てきたエッセンスを汲み取る場があった方がより現実的じゃないかとワタシとしては思ってきたわけです。手とり足とりじゃないですが、その方の進み具合に合わせて的確なアドバイスができる類希な才能をお持ちの本屋さんですから、その醍醐味を堪能できる場があればと。勉強会前日の飲み会ではそういった会が自然発生的に生まれることもありますが、深夜でなく(だって眠いんだもん;笑)、系統だったこじんまり勉強会ができればと思っていたわけです。そういった意味で、7日の夜はワタシの中では試験運転みたいなものでして、確かな手ごたえを感じたわけです(笑)。

 確かな手ごたえを得た時には、続きがあるものです。次の日に某先生がいらっしゃいまして、とっておきの療術系の本を見せてくれました。面白かったですよ。

某先生「この先生は○○の弟子なんだよね」

本屋さん「へーそうなんだ、それは知らなかったなあ」という会話の後に、本屋さんが昔その先生を取材した記事を読んでいた某先生、「ちゃんと書いてあるじゃんここに」…そうなんです。昔本屋さんがその先生を取材した時の記事があって、そこにはしっかりいろいろとその先生の出所進退が書いてありました。

「あれえ、全く覚えてなかったなあ」と本屋さんでも忘れる事ってあるんですね。

某先生「糖尿病とかもこれかなり効くんだよ、僕は灸頭針しちゃうけどね」

本屋さん「この眼のところはねー試してみたら軽い斜視の人治っちゃったよ」

某先生「相当使えるよね、これは」

 お二人がその○○流の先生についてさらに色々と話しているのを側で聞きながら、「あれ、本屋さんが色々やって最後の方に出てくる引き出し達ってこの中に書いてある事??」と、頭の回路が繋がったですよ。先生方が置いた本をジロジロと読みながら、「これをテキストにして系統立って教えてもらうのはどうだろう?」と思いつきました。

 自分の治療院をスタートするに当って、今後は更に臨床直結的内容を自分の中に植えつける会を作って、どんどんスキルアップしちゃおうという魂胆です(笑)。「ワタシが知りたいことは、他の人も知りたいはず(笑)」と思って、今後も告知をしていきますので、ご興味がある方は便乗してください。自分の治療院で勉強会が開けるメリットはとても大きく、いつなんどきでも会場手配をせずに、タイムリーに必要なテーマを習える場を作れるわけです。う~ん素敵。後は講師の先生のスケジュールをお願いするだけです(笑)。あ、シュガイザー先生も学校が夏休みになったら来て下さるかも知れません。その際は、少人数制でもお願いしたいですと伝えておきましたっ。

 話がそれましたが、近々に開催実現をしようと思っています告知を。現段階では名前を明かせないので便宜上、《とある療術を系統だって学ぶ会・全6回》にご興味がある方、ご連絡を下さい。この療術は主に大腿を中心とした部分に着目しているものです。本屋さん曰く「鍼はやらない」とのことですが、7日も手技といいつつ、結局皮一枚を通す切皮の仕方やら、すんなり横刺やら、散鍼やらなどを紹介していたので(笑)、毎度の事ですが随時色んな方向に話が飛ぶと思われます。全6回としているのは、本屋さん曰く「自分が習うなら3,4回でいけるだろう」とのことでしたので、ならば倍の数が適当であろうと勝手に判断しました。人数は7名限定です。実際にペアになって手技をやりますので、そうなるとせいぜい4組が空間的にも限界であろうと。開始は7月より始めたいと思っています。開催曜日ですが、やはり日曜が集まりやすそうなのでここに標準を合わせたいと思いますが、第○日曜が良いのかはアンケートを取りたいと思います。

 ご興味のある方はこちらまでメールにてお問い合わせ下さい。詳細を送ります。

※ 問い合わせが多い場合は先着順となる場合があります。予めご了承下さい。

 

★★★なお、六然社の本は、 こちらの書店ウェブサイトや こちらのウェブサイトから購入出来ます★★★

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