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2009年2月25日 (水)

2009年 第一回目の寺子屋報告と3月のお知らせ

 みなさま、ご無沙汰しております。寺子屋1月はお休みでしたので2月の超長文レポートです。携帯でご覧になる方は諦めたほうが無難かもしれません・・・(笑)。

 さてさて、
2月は15日(日)今回のテーマは昨年末の「霊術と療術」の流れを受けて、「澤田流」をメインにお話されました。
 前回配られた資料、《霊術と鍼灸との接点あれこれ》の中に、
・< 澤田健(1877年–1938)とその門下達(中川清三・田代順山・代田文誌・城一格・田口栖光)……竹内文書・上記・秀真伝への傾倒、神宝奉賛会、天津教事件…etc.>>といった記述がありました。
 これを受けて、雑司が谷時代の澤田健の名刺や、エピソードの紹介、そして、澤田流イロハ歌や、発禁本(「内務省警保局保安課」の印鑑付)となった澤田健の著書『三種之御神寶の略説と謹解』も資料に! 

 
 さらには、鴻仁先生と本屋さんが入手した、澤田健門人の田口先生のノートのコピー等が配られました。澤田流灸術と表書きされた、全五巻からなる手書きの臨床録と、養生法や、十四経に関する段ボールほぼ一箱に近い資料は、ワタシも目にしていますが、文字通り圧巻です。実際、それを目にした臨床家の先生方も、代田文誌先生の『鍼灸真髄』を凌ぐものだと、太鼓判を押されています。いずれは、書籍の形にして欲しい所ですが、本屋さんは現在田口先生の御遺族探しの段階のようです。本屋さんはもう墓場に持っていくものは持ち切れないほどあると思いますが、こういう埋もれて捨てられちゃったかもしれない資料がここにあると言う事は、やはり深い意味を感じてしまいまぷ。これらの資料を元に、澤田流の肺炎の治療穴について、資料の田口先生のものとも違う田代先生伝も紹介、特に「五柱」のつぼについては、古事記の話を交えながら本屋さん独自の視点から澤田健というひとの考え方を紹介、これが、「三種之御神寶」とも繋がってきて、澤田健という治療家がどういう世界観を持っていたのかをかいま見るきっかけになります。また、この田口先生の個人的なノート「心の養生の道」の一部も配布されました。
 

その中には、「今日だけは 怒るな 心配すな 感謝して業をはげめ 人に親切に」という(本屋さんが『鍼灸師だったら鍼灸やれよ!」って批判するから多分あまり好きでないんでしょう:笑)レイキの臼井甕男が言ったとされている文も書いてありました。(実際にはこれは霊気の臼井氏の専売特許ではなく、鈴木美山という人が大正3年に出した『健全の原理』をはじめとした、幾つかの似たような先例があるそうです)。今回配られた資料は全てが書籍化されることはないと思いますし、この貴重な資料のコピーは、参加された皆さんの宝となるのではないでしょうか? 

 ところで、本屋さんは、某学校で非常識講師をしている時に、東洋的身体観の説明をする際、心火と腎水の話の後、肺を「ふいご」を例にとって話そうとしたそうです。そして念の為「ふいご」って知ってる? って聞いてみた所、殆どの学生さんが知らなかったとか……。「既に時代が変わっているから、もっと基礎的な知識の部分から丁寧にしゃべらなきゃならないのかもしれないね」って言ってまぴた。寺子屋でも本屋さん自身は「情報量が少ない、もっとあれもこれも話せば良かった」と何時も言っていますが、情報量が多すぎてついていけない人の方が多いのが実態だとワタシは分析しているのですが……。 こんな事みんな知ってるはずだけどって本屋さんが思っている事はあまり皆様知りません(笑)。例えば、柳谷素霊先生の作った学校を出ていても、柳谷先生が天理教に関する本を出していたなんて事知ってる人少ないのが実態ですから。みんながみんな、マニアなわけじゃないのです。

 さて、3月はお彼岸絡みでお休みかな、と言う噂もありましたが、15日にしっかりやります。
 次回のテーマはなんと「ゲノム」新しく六然社から出た、書籍『実践ゲノムの最前線』を元に、「鍼灸師が知っておくべきゲノムの事」と題してやるそうでございます。究極の「オーダーメイド医療」はここにあるってことですね。鍼灸はオーダーメイドとか、偉そうに言っていたけど追いつかれちゃったじゃん! てことだそうです。
 なんで鍼灸師にゲノム? 関係ないのでは?と思う方も少なくないと思います。
 でも、不妊治療とかに取り組んでいる先生方も少なくないと思いますが、例えば流産癖のある患者さんの場合、頭に入れておかなくちゃいけないのが、遺伝子の事。その他、科学派指向の鍼灸師なら知っておくべき基本的なお話あり、コンピューター万能時代の落とし穴のお話あり、の…ということだそうです。

 古の医療を実践しつつ、最先端の事も知ってなくちゃ、というのが本屋さんの主張です。そういえば、本屋さん、前回の寺子屋講座でも、前サッカー日本代表監督のオシムを救った「脳低温療法」と「勝負脳」について触れ、皆に「知ってる?」って聞いてました。PTの資格も持っている先生がお一人御存じでしたが、ワタシも含めて後の人は沈黙……「みなさん、もっと人間やからだの事や医療の現場で今何が起きているのかといったことに興味を持って下さいね」と本屋さん。
 ついでながら、体作りでも、全体を有機的に動かし使う、という普段指向している話とある意味対局にある、パーツをそれぞれ意識して独立して動かす所から入る「菊地体操」を紹介していました。この辺の体に関する雑学オンパレードは、自分一人ではなかなかくみ取れない事も多いので、かなり参考になります。

 そうした医療者として必要な雑学の一環としてのゲノムサイエンス、次回の講座は書籍『実践ゲノムの最前線』(B5判 2色刷り 344頁)をテキストに用います。定価は3780円(税込)ですが、講座常連参加者(&絶賛解散中の和方鍼灸友の会元会員)は参加費+1000円で頒布、常連でない参加者は+2000円でOKとのことでしたので、御興味のある方はワタシのいつものアドレスまで御一報下さい。年頭にお休みが入ったので、若干空きがございます。あ、それから前回の寺子屋で配るはずだったのにコピーがうまくいってなかった資料も再度コピーして配るそうです。その他、例によって(「読んで下さい」で終わってしまう(笑))資料も別途いつものごとくあるのだろうと思いまぷ。

 身体作りももちろんあります。最近は初参加組みが多かったので、いまいち指導が行き渡らないと反省している本屋さん。よく見ていると、初心者にはOKでも、ある程度出来てきた人には次のステージの事を教えているので、「こんなもんか」と思うとどんでん返しが待っているのが常。ちょっと出来る人も出てきたので、いっその事クラス分けしてやった方がいい、と前から言っていましたが、ついに、実現するかもしれません。寺子屋講座とは別口での講座が始まる気配濃厚です。前回講座に御参加の方達からは、暫定的な申し込みを受けておりますし、まだ(場所の確保の問題で)流動的ではありますが、こちら、次回寺子屋講座にて、正式に発表があるはずでございます。こちらも基本的には寺子屋講座参加経験者優先ではありますが、始まるとしたら3月の講座の翌週からのようですので、次回の寺子屋はチャンスでございます。

 ところで、前回ワタシ、「治療で疲れる」なんて言う前に、身体を鍛えなおすべしです!……、と書きまぴた。先を行っている先生にはまだまだ及ばぬものの、ワタシもやっと1日ぶっ続きで十人以上の患者さんを診る日が出てきまぴた。昔のワタシでは考えられませんが、これでも疲れずやっていけるのは身体作りの賜物だと思っています。今年はもっともっと、肉練に励むべく頑張ろうと密に思っている今日この頃です。

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