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2009年9月

2009年9月26日 (土)

六然直伝講習会第9弾 懐疑的、内・外気功講座「地球はともだち」

 80~90年代にはあれほど中国国内でもブームになった気功も、法輪功問題を契機に、公園で気功を楽しむグループの姿はもちろん、書店からも気功本が消えつつあります。もともと気功と言う言葉自体、歴史が新しいもので、日本の太靈道霊子術等をルーツとしている可能性が高いものですが、自己鍛錬とヒーリングの両面から、ある程度の実用性も認められるものでした。
 講師の萩原俊明先生は1986年から、3人の中国人気功老師より直接指導を受けました。以後自分なりに鍼灸、手技、武道などと結びつけ一定の普遍的概念を得ることができました。(詳細は著書『合気道、武道化への道(発行:愛隆堂)』第一部、七「気功との出会い」、八「外気治療の問題点」にて述べています。講師が習得した気功をブラインド試験的に使ってみる記述は圧巻です)気功の流派は大小さまざまありますが、どのような気功であれ、そのメソッドの構造に関しては、現象が90%、本質が10%と萩原俊明先生は観ています。(ちなみに本屋さんは気功の9割以上がインチキと見ています。真っ当に身体を鍛える事なしに人並み以上の事ができるとは思えません。いつも本屋さん言ってますね。鍼灸師には、患者の邪気を受けて具合悪くなるとか言う人が少なくないけど、そういう事言う人はまず例外無く姿勢が悪い! って。また患者さんにそんな失礼な事言う人は医療者に向いていない! って。よしんば「患者さんの邪気みたいなものがあったとして、それを受けちゃうとしてもそんなもの受け入れるなり受け流すなりするのが務めでしょう、って。;;笑)
 さて、日本国内(たぶん外国においても)の多くの気功セミナーでは、気功の理論として東洋医学理論が無批判、無反証に丸呑みした形で利用されていますが、自己反証主義者である講師とりくぜんやが「普通の気功講座」をやるはずがありません。
 世の中には自分がやりもせず、またできもせず、自分の印象や偏見だけで、対象や現象を簡単に否定したり軽蔑するような人たちが少なくないのですが、そのような態度では何もわかりません。講師は自分の生活を賭けて陰陽五行論に基づいた治療法を独立開業直後より3年以上の追試を行ない、これが十分世間に通用する優れた治療法であるということを確認した上で、この治療法を自分の行なう治療としては採用しなかった過去を持っています。気功についても同様です。ですので、大して知りもせず、またそれを用いて実際に人を治すことのできない人間が、この治療法の悪口を言うとすれば、「なんだかな~」と思ってしまうわけです。またそれと同じスタンスで合気道の批判本も2冊書いていますが、これも講師が合気道を教える師範の立場にあったからこそ、そのまっとうなる詳細な批判もできたわけです。そして今回の気功講座もまさにこのスタンスで行なわれます。
詳細は、萩原先生のブログ「反証的鍼灸手技臨床」をご覧頂きたいと思いますが、若干引用します。


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「まずは1回目で習ったとおりに1か月間練功(れんこう。気功を修練すること)をしていただきます。
言われたとおりに実践さえしていただければ、必ず練功による功底と言うハードが得られます。
2回目はそのハードを用いてソフトの利用法を身につけます。
ソフトとハードはスパイラル上昇の関係にあります。

臨床に役立つ具体的な目標としては、手をこれまでの手から、新たな手へと変化させることです。
外気で人を動かしたりするようなことが目的ではありません。そんなものはオマケです。
なぜ手を変えることができるのかといえば、脳が変わるからです。
気功とは自身の心身に対する特殊な刺激入力のことです。
有意な刺激入力が脳の在り方を現実に変化させることは、このブログを読んでいればこれまでの多くの臨床報告からも分かることと思います。
脳が変わるからこそ治癒現象という身体の現実変化もあるからです。
ただし脳が主体ということではなく、脳と身体は陰陽の関係であるということです。
そして陰陽とは線引きではなく、太極を相対的に表現したものでしかないということです。
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◎10月、11月両月の第三日曜日を12時半より16時を予定しています。1回目で基本の練功法を伝授、それを1ヶ月続けて頂き第2回に臨みますので、11月だけの参加は御遠慮下さい。(尚、9月の寺子屋講座にご参加の方には、優先権があります)
◎場所はいつもの増林寺です。
◎料金:2回22000円
 練功期間の1ヶ月間、「反証的鍼灸手技臨床」 上にてRサポートとして、質疑応答を含めたサポート付きの予定です。


 以下、講師の萩原先生から特別なコメント


★今回は特に技術の不適切なる利用と、口伝の安易なる流布をお断りいたします。
 このことをお約束いただける方のみご参加くださいますようお願いいたします。

を頂いておりますのでご確認の上、ご希望の方は、必要事項を明記の上、

ワタシのいつものアドレスまで、メールにてお申込み下さい。

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2009年9月17日 (木)

8月の寺子屋感想文

最近「小窓ブログ」の更新が少ない、とか、講座の感想が楽しみだったのに、とかいう御意見を頂く事が多く、以前のように更新できずに申し訳ないと思っております。

小規模ながらも治療院を運営していると、なんだかんだと雑用ばかりであっという間に一日が終っていきます。「あぁ、あれもやらなきゃいけなかったのになぁ」と毎日のTO DOリストが消えず、どんどん増えていくメモを見るにつけ、自分自身の処理能力の低さにがっかりするわけですが、この「がっかり感」はやる気にも影響を及ぼすのでTO DOリスト自体を細かく分けて、常に「達成感」を得られるようにすればよい、などという本を読んでは(読む暇があるならやればいいのですが;笑)、「明日こそやるぞ!」と妙な意気込みを抱いて治療院のドアを閉めて帰る毎日を送っていますです(笑)。

とはいえ、講座の企画もちょっとづつはやっていますので、当分、寺子屋も続くはずです。今回はありがたい事に感想文を頂きましたので、それを(誰が書いてくれたかあんまりわからないように;笑)ちょっとだけ変えて掲載します。

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こんにちは、
先日開催された、「さらしの捲き方講座」に参加させて頂いた鍼灸学校に通う社会人です。先日は念願の寺小屋講座へ、初めて参加させていただきました。自分が腰痛持ちということもあり、今回の講座の内容に興味津々の反面、これまでブログを拝見してきた中で、「寺小屋はとんでもなく濃ゆいところ」という認識から来る怖れも入り混じっての参加と相成りました。が、結果的に参加して自分の中では大正解!

アットホームかつ真剣な雰囲気の中、次から次に繰り出される寄金先生の技の数々を、メモを取りたい気持ちを抑えて、目に耳に焼き付けました。

そして、ふとした瞬間にポロリと先生の口からこぼれる珠玉のヒントや薀蓄の数々。サンバルカンを見て育った世代の私には「君の教科書もまっ赤々」のくだりが個人的に大ヒットでした。

実際に自分の体を使って、動きと筋と体の中の感覚を感じる体験は、自分にとって新鮮な体験でした。体の中の腸腰筋のラインを鍛えれば腰痛は無くなるのだな、と体感的にもそう思えてきます。さらしを使って押さえるポイントは特に大転子とか、実際に押さえてみるとなるほど納得。すごく腰が楽になります。
腰痛の時に中臀筋が痛むからそこも捲く時に押さえるなど、そうそう!そこが痛いから押して欲しいんだよね!と頷いてみたり。

他にもいろいろとあってとても書ききれませんが、自分にとってはとんでもなく密度の濃い時間となりました。
百聞は一見に如かず、今までビビって参加できなかったのが勿体無いと思えてくる位です。
まだまだ駆け出しの半人前にもならないオッサン学生の身ではありますが、もし機会が許せば、またあの空間に身を置いて、自ら体験・体感して学び取ろうとねらっております。
出来ることなら是非、10月からの直伝講習会にも繋げてゆきたいと思っています。

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だそうです。

どうも本屋さん、知らない人には怖がられる事が多いみたいですね。ま、コワイ所もありますが、普通は大抵、牙見せませんからご安心下さい(笑)。ホントの事言っていやがられる事があるみたいだとご本人は推察していらっしゃいますけども。

そういえば、晒講座の日、 当日はしょっぱなから本屋さん、ポイントをみんなに話してましたね。 「今皆さんどこ見てました? 晒を巻く手元だけ見てた人は絶対出来るようになりません!」 こういうとこ、シビアに追求するあたりで、怖がられたり、しんどくなっちゃう人もいるのでしょうが、出来るようになるには大事な所だと思います。そうして、見るべきポイントをみんなに説明、……こうした「技を盗むポイント」を公言する講師ってあんまり居ませんよね。

その他ワタシも色々思い出しました。 「腸腰筋は自覚しにくいから排他的に鍛える」(これは身体作りでやってますね)、「急性腰痛は中臀筋がポイント、だから晒を締めるときもこういう手使いの工夫が生きてきます」(動きが頭によみがえります…まだ上手く出来ないケド…)、「妊婦さんの場合はソケイ部に注目!」(ただ締めるだけじゃ苦しいものね)、まだまだ色々ありますが、今後も機会を狙って本屋さんの療術系持ちネタを公開してくれる場を作ろうと思っていまぷ。

この講座の数日後、定期的に来てくださっている患者さんが「ぎっくり腰になった」とご主人に車で送ってもらい、発症後3時間で駆け込んでこられました。気温の変化の大きい時期は多いですね。一通り治療した後、「ここは晒しの出番だな」と、「絶対に楽になるから晒しを巻こう」と不審がる患者さんを説得して巻きましたところ、「動作がすごい楽!」と驚いていらっしゃいました。本屋さんのように芸術的には巻けませんが、それでもぎっくり腰を背負って日常を送る助けには充分なります。

そして、自分で巻くにはどうしたらきつくできるか、この数日自分の腰で練習していますが、やっぱりゆるくなりましゅねぇ。本屋さんのやり方は大転子に支点を作る巻き方なので、例えば腰を掛けていた姿勢から起き上がるなどはものすごく楽なのです。しかも一歩を出すと、続いてもう一歩が出てしまう位に足の送り出しも自然にできます。股関節が悪くなるご老人にはこの巻き方をしてあげればだいぶ楽なんだろうなと推察できます。ただし、市販の骨盤ベルトのように伸縮性のあるゴムなどではここまでは支点ができないので、簡単に着脱できる素材で作れたらいいなぁ(晒しじゃトイレに行けないし)、もしもできたら実用新案取りたいな、というぐらい今現在ワタシの中ではものすごい熱いテーマです(笑)。

あ、ちなみにさらしをずっと巻いていたら外してもお腹がすっきりしてきました。これこそ「骨盤ダイエット?」と骨盤の神秘に触れております。あ、生理も数日ですっきり終りました。骨盤が普段の位置と違い理想的に立っている分、ダラダラ出ずに短時間濃縮だったのでは・・・と推察されます。本来ならこれを筋力で維持しないといけないんですけどね。慣れるとずっとしていたいなぁという位、体が安定して良かですよ。

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2009年9月11日 (金)

9月内容詳細

9月の寺子屋別伝講座については前回の直伝講習会(鴻仁先生の灸頭針入門)で配付された本屋さん作成の資料から抜粋・改変して掲載します。

今回の講座は、10月と11月に予定されている萩原先生の「懐疑的、内・外気功講座「地球はともだち」(仮題 < ブログ「反証的鍼灸主義臨床」参照 http://sansetu.exblog.jp/i50/ >)に繋がる内容として考慮されていますので、そちらに御参加を御希望の方にも意義あるものと思われます。以下、本屋さんの資料より。

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嘗て「和方鍼灸友の会(絶賛解散中)」が掲げていた「三大奇柱」   

1.鍼具の製作と頒布

2.手指(掌)・身体の柔軟性・運動性・協調性、および指頭感覚を筆頭にした身体感覚の向上(唯掌論の継承研修)

3.鍼灸文献の発掘・復刻および鍼灸史の研究

 このうち「1」は、コバルト小児鍼の開発((株)東光舎)や、杉山真傳流の鍼管(大浦慈観先生)、「3」は、長野仁とその一派による古典籍の収集と整理、といった形で続いています。寺子屋講座の主に後半で行っていた「鍼灸師の為の身体作り」では「2」を継承しているつもりではありますが、月一回ではおぼつかない為、より一層進化(深化)を図るべく、別伝講座を開催しています。 

いい加減に「会派」「○○方式」といった排他的で限定された鍼灸をやめようと言うのは常日頃云っている事ですが、鍼灸界におけるこうした党派性のあり方は、概して、歴史的存在である鍼灸をどう解釈するか、あるいは解釈しようとしているか、例えば、治効機序の解明、客観的評価、弁証論治、随証療法、こうした標語が表象する所の、施術する際に必要なソフトウェア同士の互換性のなさ、つまりは「見解の相違」に由来しているに過ぎず、それらを人間関係や利害を絡めて党派性の問題にすり替えて政治活動(勢力争い)の材料としているに過ぎないのではないでしょうか? 

また、古典派を気取る割に鍼のガサツな人もけっこうおりますし、科学派の中にも惚れぼれするような鍼サバキをなさる方もおります。「散鍼」の習得を例にだすまでもなく、臨床の良し悪しは、つまるところどのソフトを選択するかによって決まるのではなく、まったくもって肉体というハードの鍛え方にかかっていると肌身に感じられた事が和方鍼灸友の会の「2」の原点にはあったわけです。 

いくら特別あつらえの秀抜な鍼具を手に入れても、それを扱う手の肉体条件が整っていなければ十分な効果を発揮することは難しいものですし、身体を用いて身体そのものにアプローチする療術(手技)系のものであればなおさらです。(別伝講座では日本の療術のルーツである活法もその都度紹介したりもしています。何度も言っていることですが、殆どの「整体」はオステオパシーにルーツがあり東洋のものではありません。「東洋整体なんて言葉自体、ルーツのアヤウヤさを認識してない証拠!」by本屋) 

ところで、今まで技術伝承の現場において、なんらかの一芸を身に付けている方は、飲み込みが早い(事が多い)、技の習得がたやすい(同)、見所勘所を心得ている(同)といった現象があります。つまりなにかしら技を習得する時に、身体を使った一芸を身に付けている方がやりやすく、それが伝統的なものであった方が有利に働く傾向が強いのです。これが別伝講座を始めた理由の一つです。別伝講座では、基本的にはソフトの問題については必要最低限にしか与せず、徹底してハードウェア、身体そのものの向上に努めることを趣旨としています。日本や中国の伝統的な身体作りの技法を、できればなるべくオリジナルなまま稽古することによって、まず身体の核となるものを作る事を眼目にしています。さしあたっては古武術研究から導いた体躯を中心とする身体の鍛錬法を毎回限定人数で稽古しています。

参加者は、原則として寺子屋講座常連様、熱意のある方を優先に配慮していますが(連続参加者には次回の優先権を確保しています)、9月の第三日曜日はセミオープンでやりたいと思います。 それなりに動きやすく汚れても問題ない服装を御配慮下さい。稽古場所には、小さいですが更衣スペースはあります。詳細は参加希望者にお伝えします。会場は都内山手線某駅徒歩一分です。

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今回は少人数にするため2部入替え制です。ご希望の部をお知らせ下さい。
※1部が初心者中心となります。1部、2部、またはどちらでも良い方はその旨を必ずご明記下さい。

《服装》 
動きやすい格好をご用意下さい。
着替える場所は狭いですがあります。
フローリングですので室内履きは特に必要ありません。

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猶、以前もこれは書いた事ですから、耳タコの方もいらっしゃるかもしれませんが、申し込みのメールを下さる時は、せめて簡単な自己紹介(出身校とか、学生でしたら学年とか、参加の動機とか)を頂けると助かります。

名前もお書きにならずに「申込みをお願いします」というメールが毎月必ずあります。携帯からのケースが圧倒的ですが、必要最低限の情報も入っていないのには困りモノです。

対面や直接声を聞ける電話とは違い、メールは一方通行の連絡手段です。そこで名乗らないというのは社会人として非常識だと思うのでございますが・・・。

と、小言で〆てしまいましたが、残り数席ですのでご希望の方はお早めにどうぞ。

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2009年9月 2日 (水)

9月の寺子屋情報

8月の第3日曜日に寺子屋が開かれました。内容は第二回さらし講座でした。

前回参加された方々は一様にできるようにはなっていましたが、ポイントがいくつか抜け落ちているところがあったりと、より意味のある巻き方への挑戦をされていました。初回参加者には事前に時間をとって説明があったり、第一回では見過ごされがちだったポイント等も丁寧に言ったりと、さすがは本屋さん手抜かりはありません。

ワタシと一緒に組んだ方が「見て見て、本屋さんの巻き方は最初の一周でもう骨盤の位置が変わるよ」と。確かに一周目でピッと締めたときに骨盤がちゃんと立っているんです。ワタシなんかがやると、一周目はさらしの端が上手く処理できず、ぐるぐると一緒に回っちゃたりするんですが・・・。

その後も丁寧に、腕で締めるのではなく体を使って締めるんだという事を再三注意されていました。スローモーションならぬ、体の持って行き方ベクトル指示って感じでした。押さえるときの肩の使い方など技が随所にちりばめられており、皆さん感心しながら盗もうと必死でしたね。

本屋さんのような芸術的な巻き方には程遠いのですが、きっちり巻けるようになって来ると巻く作業中、無心の境地に至ります。ピッピッと巻けるようになって来ると、とてもすがすがしい爽快感(笑)。「ワタシ、巻き師になりたいかも!」と出来上がった作品(巻かれた人)を見ながら呟いておりました(笑)。集中していないと上手く巻けないので、その集中度合いが爽快感を産むんでしょうね。

ところで、来月の寺子屋は大型連休最中の9月20日(日)です。今回のテーマは、身体作り。別伝講座は基本的にセミクローズで、寺子屋での『鍼灸師の為の身体作り」経験者でないと参加できない事になっておりましたが、ここのところ、萩原先生の揺らし整体直伝講習会、仲野麻紀さんの循環呼吸講習会&スペシャルインプロビゼーションライブ、そして晒し巻き講座などで、身体作りの時間がとれませんでした。

「ほんとは各自が自分で日々やることです」というのが本屋さんの主張ですが、数ヶ月のブランクを経て、新たに入りたい人もちらほらいらっしゃるようなので、初心に戻って、1からおさらい、という希望を受けてもらうことにしました。ワタシも忘れないようにやっていますけれども、本当にコアな部分を鍛える鍛練法を学べます。これがなかったら多分、日々の臨床で身体が持たなかったに違いありません。動くもの殆ど動かないもの、といろいろありますが、じっとしているに等しい動きの中に全ての奥義が隠されている!と言っても過言ではないものもありまして、伝統的な物ってすごいなぁとつくづく思います。

鍼灸界には「丹田で」とか「腹(肚)が大事」とかいろいろ言う人は多いのですが、本屋さんからレクチャーされてしまうと、普通の先生方の言ってるのって「それってどうなの?」と思えてしまいます。本屋さんも『ツボに訊け(鍼灸の底力)』の中で書いてましたね。

「…鍼は肚で打て、だの丹田をしっかり、だの聞いたような事を偉そうに言う人も少なくないのですが、仙腸関節が動きもせず、命門も開かないのに、丹田等が出来ているはずもありません。自分自身、時間をかけて身体を練り上げた人でなければ分からないものがあり、そこに人体の可能性もあるのに……中略……東洋の医学を標榜しているのに東洋の身体を手に入れようとしないのは不思議でなりません」って。(ご希望の方には仙骨が動くのとか、仙関節の可動域の実際とか、動物みたいな身体を触らせてくれるはずです)。 

ただ、今回はお彼岸との兼ね合いでいつものお寺が使えません。ので開催場所は別伝講座をやっている会場(山手線某駅前)です。普段のお寺より狭い場所ですので、午前(10時〜12時)と午後(12時45分〜14時45分)にわけて開催します。ざっくりとした分け方ですが、午前中が初参加組みを中心、午後は常連組としようと考えています。御希望の方はいつものアドレスに御一報下さい。

話がそれますが、8月の寺子屋の後に本屋さんのお知り合いのお医者様が主催された講演会にぞろぞろと寺子屋メンバー十数人と連れ立って参加してまいりました。演者は『勝負脳』を上梓されている林成之先生。

・ゆっくりコツコツはダメ・一瞬の決断力が重要・勝負の際には自分を捨てる・水平目線が大切・運動にはアクティブラインがある・腸腰筋の重要性(日本人は細くて長い)・脳が間違える仕組み⇒ ・否定的な言葉を使わない・目標に向かって無心で一気に駆け上がる・脳の仕組みや脳低温療法の原理・女性的な脳の特徴の話等々。

とても有意義な講座でした。印象的だったのは講座の最後に本屋さんが司会の先生に指名されて、感想を述べられていた内容です。水平感覚・平衡感覚を鍛えることがとても大切で、最新の医療現場で取り組まれている脳を鍛える方法の一つだということと、本屋さんが身体作りでポイントとしてよく挙げる「ニ目平視」という伝統的身体観が全く合致しているあたり、身体っていうのはもう既に一度隈なく解析されて、それを練り上げる方法論も確立されているという感じが強くしました。我々現代人はその所作を受け継いでいないだけで・・・。

次回のブログでは本屋さんの文章を引用して9月寺子屋内容をお知らせします!

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