10月の寺子屋終了&業務連絡;11月の別伝
10月の寺子屋は、久しぶりの身体論でした。
今回はとくに人数を限定しての講座でしたから、参加出来なかった方はごめんなさい。
常連の先生方には「来なくていいです」と言っていた本屋さんですが、さすが常連の先生方、「同じ話しかしませんから」(本人談)というのを「(違う角度から話す)同じ話」と知っている為か、放置状態でもいいから参加したいという先生もいらっしゃって、半分以上はいつものメンバー。どうやら、本屋さんが、初めての人に教えるものを見たり聞いたりして、再確認やあらたな発見、そして見落としていたもの等を見つける人もいたようです。当初「年単位でやることです」と言っていた意味を年単位でやってきたからこそ腑に落ちつつある先生もいらっしゃる一方で、月一回ここに来た時だけやっている先生もいたりする訳ですが、本屋さんはそういうの(どちらも)見逃しません(笑)。
「ひと(自分)の身体で、ひと(他人)の身体へ」施術する以上、「肉体なければ伝統なし!」と言い切る本屋さん、以前、松田博公先生の著作では本屋さんの寺子屋での活動を「隠れキリシタンのように……」と揶揄されていました。本屋さんはそれを読んで「偏見だな〜(笑)」と一言。でも、古の名人達がたどり着いた境地を見るには、鍛錬するしかない、というのが本屋さんの主張。とはいえ、その治療スタイルは、ソフトで繊細な刺激が殆どで驚かれる程です(でも身体が変わる…)。
10月の寺子屋の様子については、頂いた感想を引用しておくと雰囲気がお分かり頂けるかと……。
=====以下は初参加の先生======
寄金さんの実演を見て、
あの通りやってみようとやってみる。
でも実際やってみるとできない。
できないを自覚しているならまだ救いもありますが、
ひどいものになるとできていないのにそのできていない自覚がない。分からない。
自分では出来ているつもりでいるので、指摘されて、はじめて、ああ、自分の
腰は今傾いているんだと気づかされる
(自分では地面に対して平行に構えているつもりでいる)
そこがなんともくやしくて、くやしくて、くやしくて・・・
=====こちらは今春より参加されている先生======
今回の寺子屋は、寄金先生の、「寺子屋もそろそろ辞めようかとも考えてます」発言で始まり、身の引き締まる思いでした。
春から参加させていただいて、そうお感じになって当然かもという気がします。
私自身、忙しさを言い訳に、本を読んだり、練習したりせず、自分の中で消化できないまま、後ろめたい気持ちで寺子屋に参加しています。
なので、参加しても、自分なりの考えや質問が浮かんでこないという状態です。
それなのに、参加しているだけで満足してしまっているというか、お話を聞いたり技をみせていただいて、「いい話聞いちゃった。いいもの見せてもらっちゃった。」と、そこで満足してしまうところもあります。
当然のことながら、いつまでたっても『やらなきゃできない』のに・・・。
寺子屋に参加するたび、治療家になんてなれないんじゃなかろうか。
まず、人として足りない部分が多すぎる。と、いうことに気づかされます。
でも、だからといって、逃げたり諦めたりしたら、そこでおしまいなので、
現状を直視して、1ミリでも成長できるように、気づいたことから変えていけるように行動しようと思います。
寺子屋に参加させていただいていなかったら、こんな風に現状を把握して、危機感をもっていなかっただろうなと思うと、あらためて貴重な機会を与えていただいているなと思います。毎回とても刺激になります。本当にありがとうございます。
=======以下は、ちょっと長いですけど、海を越えて参加された先生からの感想。======
この度、○○先生と◎先生にご一緒させて頂いた◇◇です。先日は2日間のご教授に、実際の治療も見せて頂き、そしてご馳走にまでなりまして、本当にありがとうございました。私が鍼灸の免許を取ったのは5年前で、周りに東洋医学をする人はおらず、ほとんどが軟部組織に対する物理療法の延長線として考えておりました。そして縁あってオステオパシーを学べる機会があり、その理論とテクニックに魅せられ没頭していきましたが、病院勤務の為臨床で使うことは出来ませんでした。○○先生は柔整の先輩で、まだ開業していなかった当時はよく資料を持って整骨院に遊びに行っていました。そして二年前、私が開業するにあたり○○先生の整骨院で2ヶ月間修行をさせて頂きました。そのときに「お前のオステオパシーで俺を治療してみろ」と言われ、やって見たところ上手くいきません。勉強会で集まったときは、どこか調子の悪い先生を、「お前治療してみろ」と言われやってみても上手くいかず、それを○○先生が見事に治療してしまうのでした。そのときに○○先生から、「いくらオステオパシーの理論とテクニックは素晴らしくても術者の身体ができていなくては意味がないと言われました。
勿論オステオパシーも、ポジショニングや脱力、リズム感、術者の重心の安定も実技では重要視します。確かにすぐ上手くなる先生は武道やスポーツをしている先生が多く、会長は剣道七段です。
そして○○先生に、「うちに居る間に鍛え直してやる」と言われ、毎晩のように筋トレとスパーリングをしてから、揺らしと練功を一緒にしました、そして六然社の話をしてくれました。それから二年経ち念願の講習会に参加出来る機会に恵まれました。
そして、実際の治療を見させて頂きましたが、正直なにをどうしているのか分かりませんでした。実際に自分て受けたときに何をしているのか感じ取ろうとしましたが加減がとても繊細でなにをされているかはっきりと解らず、感覚に集中するあまり先生の声が聞こえなくなってしまいました。
しかし身体の調子はとても良くなりました。
とにかく微妙な加減の制御や正確かつ素早い動きが印象的でやはりそれを目指す為には身体作りが重要だと強く思いました。
翌日の講習会では様々なトレーニングがありました。それは身体の重心の安定、仙腸関節から脊柱へそして肩甲骨から上肢へ、また下肢から骨盤へ、動的な安定性を養い、また身体の使い方を学習する事により治療操作の安定や微妙な加減や正確な操作が可能になるのではと思いました。そして前日の先生の治療している姿を思い出し自分の中で納得しました。仕事に戻り、治療のほとんどは再現することは出来ませんでしたが、蝶型骨の技法は私の知っている頭蓋のテクニックよりとても効果がありました。また足底筋膜から膝を治療する技法もとても効果的でした。
そして今週の日曜日は私の所属するオステオパシーの講習会に参加しました。先生の身体の使い方を意識しテクニックを行ったところ劇的に効果が上がり講師の先生にも、今回から急に上手くなったと言って頂けました。そして実臨床での治療効果も上がりました。
これからも習った身体作りをやり、勉強に励みたいと思います。そして散鍼や合気や脳活なども出来るように頑張って行きます。
そしてまた先生の講習会に参加したいので宜しくお願いします。
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こういう、「お役に立った感」満載のメールは、それなりに本屋さんの励みになるようでして、その他多方面からの依頼もあり、とりあえずは、毎月第三日曜日のお寺での講義は続ける方向では考えているようですが、とりあえず11月の定例寺子屋については、今回は情報クローズです。。
尚、別伝は、いつもの場所で、11月は6日、13日、27日を予定しております。それぞれ、午前中は自主練時間となっておりますので、担当のT先生に御連絡の上、ご参加下さい。
ここ数回は、「皮膚をどう扱うかで体への影響が大きく変わる」というのをテーマにしていますが、前回は、傷めている患者さんの手を上に上げるのでも、こうすれば痛くなくあげられる…という目から鱗の方法を紹介、普段やっている技がこういう風に生きるのか!、とびっくりした人もいたようですが、本屋さんにとっては「当たり前でしょ?」といった話。
何故身体をつくる必要があるのか、ということを、もう少し臨床の実際(活法や散鍼や療術等)と絡めて、認識して欲しい、そのための別伝だから…、という事でした。参加数年にしてやっと、どんだけすごい事をやろうとしているのかみえてきた人もちらほらしつつあるようです。
ワタシももうちょっと身体を鍛えないと……。すっかり忙しさにかまけて怠けているのが本屋さんにはバレバレです。治療しながら鍛えてるつもりでしたが(少し体が重くても施術し始めると体が軽くなって頭も回るようになって体調も整うので)、それじゃ足りない部分もありーの、また、まだまだ体軸ができてないので施術によって逆に歪みが出てきたり。○っちゃん先生にも「施術中の姿勢に問題が有るね」と最近ご指摘頂き、自分の体の隅々まで動かせる本屋さんのような体能が育つ過程にも増々興味がわく昨今です。ちょっと前までうさぎ堂印の姿勢クッションの開発に関わってまして(ほんやら堂さんから来春発売です♪)、骨盤を今まで以上に観察し、夢にまで出てくるぐらいずっと考えていた時期を過ぎて、更に本屋さんの骨盤に釘づけです。
なんであそこまで自在に動くのか。武術での鍛錬の成果であろうと思うのですが(そう言うと、武術をやっていても動かない奴は動かないとのこと)、前傾、後傾、はたまた片方づつ、もっとすごいのは「妊婦」といって容積を広げる技。ひょえーです。妊娠中に関節が柔らかくなるホルモンが出てるから広がるはずなのに〜、なぜ〜〜〜。と叫びたいくらい気持ち悪いです(笑)。いずれにしろ、一般人はあそこまで動かない。
未だに覚えていますが、学生の頃は骨盤の形なんて一生覚えられないと思ったものです。それぐらいに複雑怪奇で、しかも治療には関係ないや、八膠穴だけ覚えておけばいいじゃん、ぐらいの感覚でした。「それだから鍼灸師は・・・・」と本屋さんの嘆きが聞こえてきそうな発想です(笑)。本屋さんの元で学ばせてもらううちに、骨盤の重要性を認識するようになりました。本屋さんが仙腸関節を「ほらこんだけ動くでしょ」と、学生達に触らせながらよく教えていますが、昔はそれが「動いてる?」と固まりにしか見えなかったものが、ちょっとずつ「あぁ、動いてる動いてる」と細かく見えるようになると面白くなり、「ほぉ、あっちとこっちに動いてる」と連動性がだんだん見えてくるのです。骨盤から連なる上体と下腿の連動が見え始めると、「骨盤」は重要どころか最終的にココさえどうにか出来たら(本屋さんレベルで)どんな症状にも応用できるんじゃなかろうか、という永遠のテーマ的存在になってきました。それをいざ自分の体に落とし込んで再確認しようとしても動かないから行き詰まる・・・。とはいえ、動かない理由を探すのもまた面白く、それはそれで患者さんに応用が効きますし、動くようになるための練習をしながら骨盤の動きを体感していく・・・、ってのが本屋さん的『身体の作り方』の基本なわけです。
ご参加くださった皆様、すごい種を頂いたのでありますから、それを育てて、ぜひご自分の身体で試して下さいませ♪ いかに動かないかを実感し、どこが動かないかを細かく解析し、どうしてそこが動かないのか・・・などなど、頭の体操もぜひセットでどうぞ。
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