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2014年7月 1日 (火)

6月の感想と7月の寺子屋講座

7月のお知らせの前に、6月の寺子屋の感想をば。

妊婦についての講座でしたが、皆さん、実はワタシのお腹の子は逆子だったんです。ですので、講座を一番楽しみにしていたのが、他ならぬワタシでした(笑)。

治療院をはじめて以来、逆子の治療に携わることもありましたが、自分で体験出来るとは思ってもみませんでした。しかも、産院で鍼灸の治験を実施していたのです。治験自体は昨年末ぐらいからスタートしたデータ取りらしく、三陰交と至陰にお灸を施して、1週間後にエコーでチェックするという内容です。こんなタイムリーな治験も体験できるなんて、そんなことは露知らずで産院を選んだのに引きが強いぜぇと我ながらうれしく思いました。せっかく逆子になってくれているのだから、存分に勉強させていただきたい。治療を始める前に治験群と様子見群とに分ける封筒法を実施するのですが、ちゃんと治験を引き当てましたし(笑)。

お灸の仕方は詳しくは述べませんが、鍼灸師妊婦として実際にやってもらってみて、これでは逆子は返らないだろうという実感です。なぜって、治療を受けるときの姿勢の観点が抜けているんです。ツボに対する温熱刺激、と刺激量でしか計らないのなんで?と、治験担当の鍼灸師さんにつっこんだりしたのですが、こういう視点で見ること自体が本屋さんや○っちゃんの下で勉強させてもらった強みなのだと今回実感しました。でも、やり方によってはお灸は助けになります。そのやり方でねずみ先生に数回やってもらっていました。そうすると、きっちり体に残る感じがわかります。手技はできなくてもお灸で代用できるよねぇー、と二人でうなずく。

お灸が効く、のではなくて、このポイントさえわかればお灸はいらないのですが、なんで逆子のお灸が至陰で、たいてい熱が通るまでと定義されるのか、これは実体験でわかった強みであります。

寺子屋当日、ワタシをモデルに逆子治療のやり方を本屋さんがデモ。お灸ではなく手技のみです。簡単に言ってみると「本屋さんが左足でワタシの右足の初期設定をして、両手でワタシの左足をきゅっ、きゅっ、きゅって引くだけ」です。

 それを補助するさらしの巻き方で講座終了時に巻いてもらいました。「1時間ほど電車に揺られて帰ります」、との要望に対しての巻き方です。細かいポイントを本屋さんが珍しく(笑)丁寧に説明しながらでした。

 座ったときに窮屈にならないようにかつ、逆子が返るように補助するわけですが、電車に乗りながら目的地に着くちょっと手前だったでしょうか、いきなり椅子からちょびっと飛び上がりました。それぐらいにお腹の中で動いたんです。ワタシ的にはあの瞬間に返ったと疑っていないのですが(笑)、そのちょっと前からよく動くなぁと思っていた矢先、右の肋骨あたりにものすごい存在感が増して飛び上がったというわけです。本屋さんの配った資料では、出産直前でもこの手技で治した例が一杯あるようでした。

しっかりとホールドされた骨盤の中で動きやすくなったんだなぁと解釈しています。その後、電車を降りて歩きながら自分の腹大動脈の鼓動が響いてきたので、さらしは外しました。きっちり巻いてある巻き方なので、あまり長時間はできません。長時間用にはまた別の巻き方がありまして、さらしとは如何様にでもコントロールできて、プロが使うにもってこいなんだと実感しました。

これが日曜日の出来事で、水曜日に治験のチェックの日でした。毎週エコーで見てもらえるというのは、鍼灸ではできないことなので大変ありがたい。4週連続、妊婦検診とは別にチェックしてもらえる特権を大いに活用しています。とはいえ、治験1週目で治ってしまいまいまして、先週2回目のチェックに赴いた所、もう31週を超えて、赤ちゃんの体重が2000g近辺に来ていればまず戻らないとお墨付きを頂きました。治験の内容以外にも自分でいろいろとしてしまうと思うのですが、とあらかじめ先生には承諾を得ていたので鍼灸(手技でしたけど)をやること自体には問題はありませんでした。

産院と提携して、カルテを追いながらの治験では赤ちゃんが動きやすいのかどうかもみれるとのことでした。ワタシの場合は、26週から逆子といわれましたが、まだスペース的に問題ないので、たまたま今の時点で逆子なだけで一時間後にはそうではないかもね、といわれました。しかし、28週でも逆子だったので、これは用心しないといけない段階に来てますよと、そこで治験のお話を頂いたわけです。ただ、この2回で赤ちゃんの体の向きが左右入れ違っていました。全く動かない赤ちゃんもいるそうで、そういう赤ちゃんの場合は返りづらい傾向にあるそうです。それはカルテを見ないとわからないことで、鍼灸院ではやはり分が悪いなーと思ったりもしました。ただ、ちょうど6月の寺子屋のあとに、ワタシより2週遅い妊婦さんが逆子治療にみえました。お灸と習った手技を合体させて(ワタシの場合は手技だけでは無理なので、お灸の威力を借りました;笑)、さらしを巻いて帰って貰いました。で、昨日2回目の施術日だったのですが、治療後にお腹を触ってみると確実に縦になっていました。前回は横向きだったので、縦にはなったぞと。どちらが頭かはエコーでみてみないとわからないのが、ブラインド的治療の情けなさですが・・・。

余談ですが、自分が妊婦になってみて得したことは沢山ありますが、ちょくちょくお腹を触って赤ちゃんの向きがわかるようになって来ました。週数が進んだから、というのもありますが、エコーで見てもらう直前に見当をつけて診察室に入ります(笑)。先生にやたらとどの向きに何があるのかを聞きまくって、一人合点しています。また、教えてもらった逆子体操の効果のほどもわかりました。手技とお灸とさらしの三点セットで良いだろう、というのが現在のワタシのレベルでは結論です。本当に色々と経験させてもらってありがたいです。

さて、7月の寺子屋講座です。
実は、本屋さん、先日の6月22日頼まれて大阪で講演してました。テーマは「澤田流について」。講演に先立って、ちゃんと澤田家の墓参に行く辺りが社主のあまり人に知られないマニアックな行動ですね。
 大阪で澤田流話すっていうのを知って、常連の先生方から東京でも是非!という声がありました。「澤田流については以前も話したからなあ…」とあまり積極的でもない六然社主ですが、同じテーマでも同じ話をしないのが常ですし、今回大阪で話す為に用意した資料は、数年前話した時には、見かけなかった城一格先生の資料がメイン(?)みたいでした。
 澤田流といえば「左陽池」が有名ですが、何故左陽池なのかっていうと、大抵「陽を強める為」みたいな話になってます。でも本屋さんの説は全く別「そんなファンタジーに則った話じゃなくて、もっと実用的な理由だと思う」って、その先を聞いて見ると「えーっ!そんな理由ですかあ??」となるんですが、成る程、実際の臨床をしていると妙に納得してしまいマス。よくある、「当たり前と言えば当たり前」のなあ〜んだそんな事か、でも聞かなくっちゃ全く気がつかない類いの話。
 「大体さ、澤田流云々言う人って、澤田先生がどういう姿勢でどういう位置取りで患者さんに鍼灸してたか知ってるの? 武術家だぜ?」という本屋さん、一般的に澤田流について語られるときは、代田文誌先生の『鍼灸真髄』の域を出ませんが、本屋さんは『鍼灸真髄』については、澤田健が棒で犬を突き殺すエピソード位しか口にしません(笑)。
 でも、なんと鍼灸学生時代、山田国弼先生の薫陶を受けています。「山田先生 と兵頭先生に会えたのは有り難かった」そうです。さらに、山田国弼先生の著作に序文も書いている田代儒穫先生の晩年に『顔面反射視診法』の制作にも関わっています。それと田口健二郎先生の新出資料も持っています。『澤田流鍼灸道に就いて』に当たっては安岡正篤先生の題字付の物と田代儒穫先生の序文の物と二つ本棚にありましたね。
 
 と言う事で、7月第3日曜日の六然寺子屋講座のテーマは「真神伝澤田流鍼灸術(と澤田健御自身が言っていたそうです)について」。日時は変わらず第三日曜日 20日12時半〜。うさぎ堂講座はありません。
 参加御希望の方はいつものアドレスまで。

 それと、7月別伝の予定も記しておきます。
 7月は6日と27日に開催予定です。13日は、お休みもしくは自主練です。
 50歳を越えてから、本屋さんの自家薬籠中 の療術である「活煕点操法」に突いてチラホラ喋りはじめてますが、8月〜はその辺の話をシリーズで…と考えているようですが、まだ未定です。

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